初心者ダンジョンだった⑧
セーフティーエリアに着いたので、まずは金色スライムから出た宝箱の中身のの確認だ。
宝箱を預けた騎士から宝箱を返してもらい、みんなの元へと戻る。
いつもの五人で集まり中身を確認しようとすると……
「開けるなら俺たちも呼んでくれよ!」
「俺たちだって気になってるんだからさ」
「そうよ。 レアって聞くと見てみたいじゃない」
「できれば見せてもらえると嬉しいです」
「僕たち十人しかいないんだからいいだろ?」
残りの五人も近寄ってきた。
話しかけてきた順番は、碇→龍拳→弓塚→本田→委員長だ。
本田は戦っていない時は、敬語キャラみたいだった。
戦闘中はテンションが上がって、ああなってるのか。
「俺たちが先走って倒しただけで、誰でも倒せただろうから、おまえらにも見せるつもりだったぞ。 確認して欲しい人でじゃんけんしてもらうつもりだったし」
「おまえらが倒したのにいいのか?」
「問題ないよ」
早い者勝ちと考えていたのか、碇が確認してきた。
俺と双槻が先行して倒しただけで、中身は全員に権利があると考えていたし。
俺の話しを聞いて、後からきた五人は歓声をあげる。
「サンキュ!」
「マジで!」
「ありがとう」
「いいモノが出るといいな」
「そうと決まれば早く開けてみよう!」
委員長が急かしてきたので、そそくさと宝箱を開けにかかる。
みんなの視線が宝箱に集まる中、ゆっくりと開け……閉める!
閉めた瞬間、皆が体をビクリと反応させる。
「「「「「「「「「おい!」」」」」」」」」
俺がやったことに全員でツッコミが入る。
「ごめん。 あまりにも注目してるから、やりたくなった」
「その気持ちはわからなくはないから、今回は許すけど次はやるなよ」
やりたくなる気持ちはわかってくれたようで、皆が許してくれた。
それでは改めて宝箱を開けにかかる。
今度はイタズラはせずに、普通にあけると中には……金属製のブレスレットが入っていた。
「アクセサリー型のアクセサリーか、委員長鑑定してもらえないか?」
「わかった」
委員長に宝箱ごと渡すと、鑑定のスキルを発動させたのか、委員長の瞳が青色に輝いた。
鑑定を終えた委員長がブレスレットのステータスを開示する。
「このアクセサリーの能力はこんな感じだ」
名前 清浄のブレスレット
防御力 +30
スキル
消臭 Lv.-
洗浄 Lv.3【服や体の汚れなどを取り除く】
このブレスレットは汚れを落とすアイテムのようだ。
それがわかった途端、女性陣は色めきだした。
ダンジョンに潜っていると汚れるし、今回は使えてるシャワーも次は使えないかもしれないし、その気持ちもわかる。
特にニオイに関しては、女性陣には死活問題だろう。
「ではこのアイテムが欲しい人は手をあげてくれ」
「「「「「はい!」」」」」
女性陣が凄まじいい勢いで手を上げた。
その圧力に負けて俺たち男性陣は誰も手を上げられなかった。
できれば俺も欲しかったが、ここは譲った方が安全だろう……
女性陣四人はじゃんけんをするため円になって、お互いに睨み合い牽制している。
「掛け声は最初はグーでいくぞ」
「わかった」
「私は初手でパーを出すつもりよ」
「なら私はチョキを出します」
じゃんけんはそこまで意気込んでやるものじゃないと思うんだが……
「いくぞ! 最初はグー」
「「「「じゃんけん、ポン!」」」」
「勝ったぞ!」
「負けたー」
「よし!」
「欲しかったのに……」
剣持、弓塚がチョキで双槻、本田がパーであった。
つまり剣持と弓塚が勝ち抜け、二人での一騎打ちの勝負となる。
「いざ、勝負!」
「負けないわよ!」
二人は睨み合い、じゃんけんの為に構える。
「最初はグー」
「「じゃんけん、ポン!」
剣持がグーで、弓塚はチョキ……女同士の戦いは剣持に軍配が上がった。
「勝った! ではこれは私がもらうな!」
剣持はすごく嬉しそうに、宝箱からブレスレットを取り出し左腕にすぐさま嵌める。
「負けたかぁー…… でも一緒にいるときは使わせてよね」
「言ってくれれば貸すから、いつでも言ってくれ」
剣持の言葉に負けて暗い顔をしていた女性陣が、みな笑顔になる。
見ていてハラハラしたが、割とすんなり所有者が決まってよかった。
剣持の性格上、一人占めはしないとは思ってたけどな。
宝箱騒動がひと段落したところで、リカルドから声がかかり夕食の時間となった。
今回は全員で纏まって、喋りながら夕食を摂る。
食べ終わってから一時間くらいかけて、テントを建てシャワーを浴び就寝の時間になった。
明日は朝からラスボス戦だし、ゆっくり休んで英気を養おう。




