初心者ダンジョンだった⑦
俺たち三階に上がってから数十分すると、残りの第二陣がボス戦を終えて無事上ってきた。
戻ってきたみんなも怪我もなく、瞬殺してきたみたいだ。
リカルドが戻ってきた騎士たちに、ボス戦の状況を聞いている。
俺も戻ってきた委員長に声をかける。
「ボス戦はどうだった?」
「なんか魔法を使うゴブリンが一匹だけ出てきた」
委員長たち第二陣はレアモンスターの方が出てきたようだ。
「強かったか?」
この数十分で戦闘を終わらせてきたんだから、苦戦はしなかったんだろが。
「最初にファイヤーボールを打ってきたから、ビックリはしたが碇が大剣で潰してたから、強くは無かったんだと思う」
ゴブリンメイジは碇の一撃で沈んだようだった。
あの大剣で攻撃されたら障壁でも張らないと、直撃したら即死するのもわかる。
その後、委員長と少し話し別れた。
「この後のことを話そうと思うので、こちらへ集まってくれ」
リカルドから招集があったので、全員がリカルドの周りに集まる。
「私と三階層へ来た者には悪いがまだ時間にも余裕があるので、今日はこのままラスボスの部屋の前まで行こうと思う」
リカルドはもうテントを建て終わった俺たちにそう言う。
進むつもりなら先に行ってくれよ!
「本当はここで一泊する予定だったが、進み具合が非常に速いのでラスボス前にもある、セーフエリアで夜を明かそうと思う」
さっき騎士たちが集まって話していたのは、このことのようだった。
「皆の消耗具合をみても、まだ大丈夫そうだからそうすることにした」
俺たちの状態も確認済みで判断したみたいだから、いろいろと考慮した上で決定されたようだ。
「三階層を進むにあたって、この階で出現モンスターについて説明しておく」
いつも通り出現モンスターの情報を教えてくれるようだ。
「まず出てくるのが先ほど戦ってもらったゴブリンが徒党を組んで出現する」
二階のボスが三階ではザコとして出てくるのらしい。
一気に難易度が上がったな。
俺たちは大丈夫だが、一般の初心者冒険者じゃ厳しいんじゃないか?
近くにいた騎士に聞いてみると、俺たちは一人で対応しているが普通は、パーティー単位で戦闘するから問題ないと言われた。
「その他には一、二階で出現したホーンラビットとスライムくらいだ」
つまりこの階層は初心者ダンジョンに出てきたモンスターが、すべて出現するという訳だ。
「あとはレアモンスターとして金色のスライムが出てくることがある。 このスライムはドロップアイテムが通常よりいいモノがポップする」
レアモンスターが出てくる確率は、十時間の探索で一匹出ればいいくらいだそうで、今回は期待するなということだった。
リカルドの話しが終わったので、一陣組はテントを建て終わった場所に戻り、建てたばかりのテントをたたむ。
しまい終わったテントを騎士の一人に渡し、出発の準備をする。
全員の準備が整ったところで、三階層の探索へと進み出した。
三階層を進むこと数分、モンスターとエンカウントした。
今までが今までだったので、レアスライムを期待したが出てきたのは、ゴブリンとホーンラビットだった。
やる気が起きなかったので今回は初戦をお譲りした。
嬉々として本田が魔法を放っていたが、二階から魔法使いまくっているが魔力は大丈夫なのか?
あっという間に戦闘が終わったので、本田に話しかけてみる。
「本田。 そんなに魔法バンバン使って魔力は大丈夫なのか?」
「へっ……」
本田は俺に話しかけたのが以外だったのか、思いの他驚いていた。
「……消費MP五割カットのスキルと、魔力回復・中のスキルがあるからなく、魔力が無くなることはないと思う」
「そうなのか。 問題ないならいいんだ」
本田は男なれしていないのか、顔を赤くして下を向きながら俺の質問に答えていた。
魔法使いらしく、魔法特化のスキルをしっかり持っていたようだ。
スキルのレベルがどれくらいなのかは、わからないがこれからも成長するだろうから、いずれは九割カットとかになるのかな……
そう思うとチートスキルだな。
何回かゴブリンとかと戦闘をしながら進んで行くと、ついにアイツが現れた。
そう金色に輝くスライムだ。
見つけた瞬間俺はスキルを発動させて、金色スライムに向けて最大速度でダッシュした。
同時に見つけた双槻も同じタイミングで走り出したが、ステータスの違いか俺の方が圧倒的に速かった。
俺のステータスは速さ特化と言ってもおかしくないくらい、速さが伸びているからな。
俺はまず逃げられないように、金色スライムの影にナイフを投げ影縛りを打つ。
基本的にレアモンスターはスピードが速いイメージがあるし、逃げられたら元も子もない。
動けなくしたところで、足を緩め後は後は双槻にお願いする。
双槻は俺を追い越し二刀の内、一刀で適格にコアを切り裂いて倒した。
動きを止めてあったからコアも、狙いやすくなったと思う。
俺は倒した双槻とハイタッチ交わして、お互いを称える。
金色スライムを倒した後には、両手で持てるくらいの大きさの宝箱が落ちていたので、俺はその宝箱を拾いアイテムバックを、持っている騎士に渡ししまってもらう。
セーフエリアに着いたら、中身の確認をしようと思う。
皆にも視線でそう伝えると、皆が笑顔で頷いてくれた。
全員があの宝箱の中身には興味津々のようだった。
それから何回か戦闘をしながら進むと、最後のボス部屋の前へと到着した。
レアスライムはあの一回しか姿を現さなかった。
取り分は後で皆で話し合いだな。




