初心者ダンジョンだった⑥
更新再開いたします。
これからもよろしくお願いします。
二階層探索が始まったが、言われていた通り出てくるモンスターは、一階層と代り映えしなかった。
ただ出てくる頻度と頭数は多くなって、戦う回数が増えていた。
だが、モンスター一匹一匹が弱いので戦闘事態は楽なもんだった。
セーフエリアから出たすぐにモンスターが現れたので、前回と同じく初っ端に戦闘を行った。
俺のスキルが多人数に効くか不安だったが、やってみると案外平気だった。
一匹倒した時に他に見つかるかもと思ったが、スキルを解除しなければ攻撃対象以外には気づかれないみたいだ。
モンスターを一撃で仕留めていけば、俺は見つからず一方的に攻撃し放題という訳だ。
なので戦闘を終えて皆の元へ戻ると、見ていた皆に冷やかされる。
「昨日も言ったが、おまえの戦いを傍から見てると、モンスターが勝手に死んでくようでちょっとしたホラーだぞ」
「なの頭数を瞬殺なんだから、渡来は強いな」
「渡来は暗殺特化だから、対人戦はほぼ最強なんじゃないか?」
口々に俺の戦闘について意見を言ってくる。
「確かにそうだけど。 格上にはあんなにスキルも、効かないから何とも言えないぞ」
まだ見せてないスキルもあるし、本気じゃないんだけどな。
それからみんなで戦闘を回しながら、三時間ほど進むと二回層のボス部屋まで着いた。
「早くもボス部屋に着いてしまった訳だが、みな消耗しているか?」
ボス部屋の扉の前で、リカルドが俺たちに今の状態を聞いてくる。
委員長が俺たち一人ひとりに確認して状態を確認する。
俺は片手で丸を作り大丈夫だと伝える。
俺以外の皆も全然余裕なようで、思い思いに大丈夫だと委員長に伝えていた。
全員の確認が終わると、委員長がリカルドに報告しに行く。
「全員大丈夫そうなので、このままボス部屋に入ろうと思う」
そんなに疲れてないし、ボス戦も大丈夫だろう。
「二回層のボス部屋は、最大十人まで入れるので半分に分けようと思う」
今回の班分けは俺、タク、ヒカル、剣持、双槻とリカルド。
残りの委員長、碇、龍拳、弓塚、本田と騎士四人。
人数は明らかに偏りがあるが、リカルドと騎士四人の力が拮抗しているんだろう。
俺たちのグループはいつものメンツでやり易いが、ちょっと前衛が多すぎる気がするんだがいいのか?
純粋な後衛はタクのみで、全員なんかしら魔法は使えるが基本剣で戦うヤツばかり。
リカルドが気を使ってこのパーティーにしてくれたのかな。
「パーティーが決まったところで、この階のボスについて説明しておく」
リカルドからここのボスに関する説明があるみたいだ。
「ここのボスは基本的にゴブリンという、人型のモンスターが人数分出てくる」
スライムに続いて、お次もファンタジーによく出てくるゴブリンが登場するようだった。
「ゴブリンは今まで出てきたモンスターとは違い、多少の知能の持っており武器を使ってくる。 武器と言っても木の棒や石を投げている程度だがな」
今までのモンスターは皆、牙だったり獣めいた攻撃手段しか持っていなかった。
スライムも体の一部である触手で攻撃するだけであった。
つまり道具を使ったりするモンスターは出現しないなかった。
「一階の時と同様にごく稀に通常のゴブリンより、格上が出現することがあるが一階で出たばかりだから、この階では出ないと思うが一応頭に入れておいてくれ」
千分の一の確率を二回連続で引く可能性は、ほぼほぼ無いだろうと思う。
出て来たところでタカが知れてるし、倒せないことはない。
前回は最後にボス部屋に入ったが、今回はリカルドが引率ということで先に入ることになった。
一階と同じ作りの門を潜ると、扉が魔法陣で施錠される。
そしてボスモンスターが出現する。
入る前にリカルドがフラグを立てたが、今回は普通に五匹のゴブリンが出現した。
「私は手出ししないから、おまえたち五人で倒してくれ」
リカルドが俺たちに指示を出してくる。
元々各個撃破でやるつもりだったので、なにも問題はない。
俺は今までの戦闘で二重がけしなくても気配遮断のみで、ここのダンジョンの敵には見つからないことがわかった。
なので気配遮断だけを発動させて自分の分のゴブリンに向けて走り出す。
走っている間にいつも通りナイフを出し、いつでも使える用意をする。
トップスピードのままで、ゴブリンに接近しすれ違いざまにナイフを振り首を落とす。
俺のボス戦はそれで終わった。
スキルを解いて周りを見ると、タクは銃の構えを解いて銃を消していた。
俺がゴブリンの首を落としている時に、銃声がしていたがタクが一撃で仕留めたのだろう。
剣持は俺が走り出したと同時に、別のゴブリンに向かって走り出して、肩から腰に一刀両断していた。
剣持の腕もあるんだと思うが、あの刀の切れ味はおかしいと思う……
即座に動いたのは俺たち三人。
ヒカルと双槻は俺たちが倒し終わった後に動きだした。
ヒカルは光剣を発動させながら、じりじり近づいて行きゴブリンを牽制しながら、間合いに入った瞬間に光剣を振りぬき倒した。
双槻が一番強烈だった。
双剣を抜いた双槻は笑いながらゴブリンまでダッシュ。
ゴブリンの前で急停止して、二本の剣で滅多切りしだした。
昨日ヒカルが言っていたことを思い出しながら、俺たちはゴブリンが消滅するまで、切り続ける双槻を呆然と見つめていた。
剣持は知っていたのか苦笑いをしながら、双槻を眺めていた。
明らかに今までの戦い方とは違うんだけど。
ゴブリンが消えて我を取り戻したのか、双槻はこちらを向いて……
「てへっ」
可愛い感じのポーズをして誤魔化してきた。
さすがにそれじゃあ誤魔化されないぞ。
なんか面倒くさくなりそうだから、深くも突っ込まないが。
「ちょっ! 言い訳させて! 私も好きでこんな戦い方してる訳じゃないんだよ! 私の持ってるバーサーカーってスキルのせいなの!」
話しを聞くとボス戦とか相手が強そうな時は、そのスキルを使い強化して戦っていたみたいだ。
バーサーカーの効力は攻撃力+五十パーセントの脳筋スキル。
デメリットとして戦闘狂になり、相手が死ぬか自分が致命傷を負うまでは、解除されないようだ。
今は格下しか出てかないからいいが、格上が出てきた時はヤバイスキルなんじゃないか?
格上と戦う時はパーティー戦になるから、使うつもりはないそうだ。
基本的にソロでピンチになった時にしか発動させないように、個人訓練をしている先生から言われているらしい。
皆でドロップ品を拾い、開いた三階へと続く階段へと向かう。
今日の探索は昨日よりも短いが、三階に上がれば探索は終わりだそうだ。
ここまで早く進めたのは俺たちが思ったより戦えたからと、リカルドが言っていた。
皆がサボらず訓練を真面目に取り組んだ成果だろう。
三回層に着き俺たちは今日の寝床を作りながら、残りの五人と騎士たちを待つことにした。




