装備を選ぶのだった
防具が保管してある部屋へと入ると、そこには甲冑やら盾、革の胸当てなどがところ狭しと並んでいた。
この中から自分に合った防具を選ぶとなると、確かにアドバイスを貰いながら探さないと難しいだろう。
俺は暗殺者だから、防具もなるべく軽く目立たない物で、音がにくい革製品がいい思う。
動きを阻害する装備も、せっかくのステータスも宝の持ち腐れになってしまう。
なので俺が考えている装備は、胸当てと腰当て、脛当て、あとは額当てくらいの急所を守る部分だ。
部屋の中を見ながらウロウロしていると、革製品が纏まって保管してある場所を見つけた。
そこにある装備を手に取り、王城の武器庫にある装備だから、呪いなどの危険なモノはないと思い、手触りや柔軟性を確かめる。
タクと剣崎も思い思いに、自分に合いそうな装備を探している。
エリザは入口の辺りで、俺たちの様子を窺ってる。
委員長はそのエリザの横に、付かず離れずの位置に立っていた。
ちらちらエリザを見ていることから、たぶん話かけたいみたいたが、尻込みして近づけずにいるみたいだった。
意外と気安い王女様だから、話かければ普通におしゃべりしてくれるはずだぞ。
周りのを気にしながら革装備を物色していくと、俺の体形に合いそうな黒色の革の鎧が見つかった。
ベストのような形で肩が出ているので、腕の動きが阻害されない作りで動きやすそう。
その鎧が置いてあった下の棚に、まるでセットで使っていたかのように同じ色の革製の短パンのような、穿くタイプの腰鎧が置いてあった。
二つを取り出し、手触りを確認する……悪くない。
革らしいスベスベした手触りで、固さもちょうどいい。
耐久度も武器収納からナイフを出して、軽く刺してみたが鎧が刃を通すことはなく大丈夫そうだった。
ただの革っぽいのにナイフが刺さらないとは凄い装備だな。
「その装備には【防刃】【耐火】【耐電】のスキルが付与してありますね」
後ろから声がしたので振り向いてみると、気がづかないうちに近づいてきたエリザがいた。
「装備類にもスキルとか付けられるんだ」
「はい。 製作時に職人が使う素材にスキルを付与して作るらしいです」
これもRPGゲームと似た仕様みたいだな。
「付与してあるスキルは、どうすれば見れるんだ?」
エリザを疑っている訳ではないが、できれば自分でも確認したい。
「自分のステータスを見る時と同じように、見たい装備に向けてステータスと言うだけです」
スキル関連はだいたいステータスと言っとけば見れるそうだ。
簡単だが一つ不安がある。
「それだと相手の装備のスキルとか見たい放題じゃん」
そうなると装備にスキル付ける意味があまりない気がするんだが……
「装備品は体に文字通り装備すると、自分以外に見えなくなるので大丈夫です」
見えたらヤバイからしっかり対応はしているようで安心した。
俺は手にした上下の装備のステータスを見る。
ワイバーンの革鎧
防御力 +200
スキル
防刃 Lv.5 耐火 lv.5 耐雷 Lv.3
ワイバーンの革腰鎧
防御力 +200
スキル
防刃 Lv.5 耐火 lv.5 耐雷 Lv.3
二つのスキルはこんな感じだった。
他の装備も見たところ、スキルはマチマチだが他の革鎧より防御力は高い。
普通の鉄の鎧でも防御力は+300程度。
この数値は革鎧にしたら、かなりいいんじゃないだろうか。
「結構いいし、この装備にするよ」
「お役に立てたなら嬉しいです」
色も黒でいいし、メイン防具はこれに決めた。
あとは脛当てと額当てだが、実際額当てはどちらでもいい。
イリスにも脛当てっぽいのが欲しいと伝え、二人して革装備をあさる。
二人して探していると、三つほど良さそうな装備を見つけた。
俺が見つけたのは二つ、一つは靴下に入れるタイプで、もう一つは紐が付いていて後ろで縛る物だ。
イリスが探し出したのは靴下と一体になっているタイプだった。
三つのステータスをイリスと一緒に確認する。
ワイバーンの脛当て
防御力 +50
スキル
衝撃吸収 Lv.3 防刃 Lv.5
一つ目は靴下に入れるタイプで、これは上の鎧装備と同じワイバーン製だな。
アイアンレガース
防御力 +100
速さ -50
スキル
防刃 Lv.5 速さダウン Lv.1
二つ目は革だと思っていたけど、革が巻いてある鉄製品だった。
防御力はかなり上昇するが、速さが落ちる仕様のようなので、速さ命の俺はすぐ却下した。
一角獣の革靴下
防御力 +50
速さ +100
スキル
防臭 Lv.- 防刃 Lv,5 防水 Lv.-
三つ目はイリスが見つけた靴下型の装備。
ステータスを見た瞬間これに決定された。
即決の要因は速さアップと防臭スキルがあったからだ。
足元の装備なので連日使っていると、どうしてもニオイが気になってくるがスキルのおかげで解決。
「イリスの見つけた装備にします」
すぐにイリスに報告する。
「別に私に気を使って決めなくてもいいんですよ」
イリスは気を使って靴下を選んだと思ったようだった。
「純粋にこれの性能がいいから選んだだけ、だから問題ないよ」
そう言うとホッとしたのか、イリスは安堵息を吐いていた。
対等な関係で話始めた頃から、イリスは俺たちに気を使われたり、譲られたりするのを凄く気にするようになった。
たぶん前の関係に戻るのを恐れてるんだと思う。
友達ができて嬉しい反面、友達がいなっかったから、どう対応したらいいかわからないんだろう。
「一緒に探してくれてありがとう。 俺の装備は全部見つかったから、タクのところに行こうか」
だいたい欲しい装備は集まったから、これで明日のダンジョンは初心者ダンジョンだし大丈夫だろう。
イリスに声をかけてタクの元へと誘う。
タクも俺と同じで、装備にステータスがあるのに気づいてないだろうから、教えてあげた方が選びやすいだろうし。
「なんか良さそうな装備あったか?」
タクに近づいて声をかける。
「見た目がいいのは何個か見つけたんだな」
思った通り、やはり見た目とか触った感じで探していた。
俺はにアイコンタクトして、俺に話したようにタクに説明するようにイリスお願いする。
イリスは俺に説明したように、装備にもステータスがあることをタクに話す。
その説明に俺と同じよな、疑問を持ったタクがイリスに質問している。
ステータスのことを聞いて、タクの装備選びは捗り、あっという間に上下の装備を決めてしまった。
タクの装備も動きやすさを重視しており、俺と違うのは音や速さを気にしてないので鉄製品を選んでいたのと、防水仕様の革のハットを被っていたことだ。
タクの装備も決まったので、次に剣持のところへ行き同じように、イリスが説明して装備を選んで行く。
剣持の選んでいる最中に、武器を選らび終わったみんなが、こちらの部屋へと移ってきた。
防具部屋に入ってきた皆は、そのまま防具を選び始める。
武器を選ぶ時にステータスのことは、リカルドに聞いていたようで普通にスキルとかを確認しながら選んでいた。
委員長はイリスをずっと追いかけていたが、その距離は部屋に入ってから全く変わっていなかった……




