表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/34

二日目の夜だった



 トランプを辞めたタイミングで、夕食の時間になった。

 夕食の時間もイリス様は俺にベッタリくっついたまま離れず、一度膝に座らせたことで味をしめたのか、移動する度に座らせろとせがんでくる。

 イリス様を座らせると俺の存在感が若干アップするので、座らせることは別にいいのだが、飯の時間は食べにくいので止めて欲しい。

 隣にある椅子に移そうとすると悲しそうな顔をするので、それもできないが……

 あと剣持、毎回自分の膝をアピールするのはどうかと思うぞ。

 夕食も昼と同じくイリス様の面倒を見ながらゆっくり食べた。

 なにかあるごとに剣持が世話を焼こうとするのには困ったが、イリス様も楽しそうだったのでよかったのであろう。


 夕食が終わるとエリザ様が皆の前に出てきて明日の説明をしてくれる。


「明日の午後は戦闘訓練をしてもらい、午後からはそれぞれ似た職業の方で纏まっていただき、個別の授業を受けていただきます」


 今日は魔法だったが明日は実技を教えてもらえるようだ。

 たぶん戦闘訓練も初級だろうから、スキルの使い方など簡単なことを教えてくれるんだろう。


「個別訓練では、この国で一流と言われる方々をご紹介いたします」


 一流どころか……たぶん魔法関係の代表者はルーイさんだろう。

 俺は暗殺者だから暗部の人が来るのかもしれない。


「全体での戦闘訓練ですが、このリカルドがお教えします」

「リカルド・ハムイと申します。 よろしくお願いします」


 ここでついに紹介でされるリーダー騎士の名前。


「リカルドは一応近衛騎士筆頭で、部下などの訓練で指導しているので適任だと思います」


 エリザ様に適任と言われ、リカルドは嬉しそうに笑っていた。

 ずっと思ってたが、コイツ絶対エリザ様に気があるだろ!

 王女様と近衛騎士じゃ身分格差があるから、実らぬ恋だろうがな。


「ではもう少ししたらお風呂の準備ができますので、それまでお寛ぎください」


 話終わると一礼して、夕食を食べていた席へ戻ると思いきや、何故かこちらに近寄ってきた。


「長い時間、イリスの相手をしてもらってありがとうございます。 もういい時間ですので、こちらでイリスを引き取ります。」


 自分の腕時計で時間を確認したがもう午後八時を過ぎていた。

 それにはしゃぎ疲れたのか、俺の膝の上で眠そうに船を漕いでいた。

 この世界は朝が早いぽいから、イリス様くらいの年齢は眠くなる時間なのかもしれない。


「イリスもあまり遊び相手がいないので、遊んでもらえて嬉しかったんだと思います」


 こんなに人懐っこいイリス様に遊び相手がいないなんてやっぱり立場の問題なのかな?

 エリザ様のことは知ってる。

 謁見の間で王様にもそう言われてたし。


「ほらイリス自分の部屋へと戻りますよ」

「やだ……まだ遊ぶの……」


 エリザ様がイリス様を連れていこうとすると、イリス様は眠たそうだが抵抗する。


「イリス様、明日もお相手しますので安心してください」


 俺は明日も遊ぶ約束をする。

 

「……ほんと?」


 イリス様は俺を見上げながらそう聞いてくる。


「もちろんです。 私もイリス様と遊びたいですから」

「わかったの。 やくそくなの」


 眠さもピークなのか素直に約束してくれた。


「なら指切りしましょうか?」

「ゆびきり?」


 元の世界でも日本でだけの文化だし、指切りがわからないのは当たり前か。


「小指を出してください」


 俺は右手の小指を立てイリス様に見せる。

 言われた通りに右手を出し、小さな小指を立てる。

 その小指に俺の小指を繋ぐ。


「指切りげんまん、嘘ついたら相手の言うこと一つ聞いてあーげる。 指切った」


 そう言いイリス様から小指を離す。

 最後を変えたのは、針千本とか言ったら本当にやられる可能性があると思ったからだ。

 イリス様も王族の一人危険なことはなるべく言わない方が賢明だろう。


「これで明日遊べなかったら、私がなにか言うこと聞きます」

「いりすはなにもしなくていいの?」


 イリス様の予定が合わなかった場合でも俺が言うこと聞けばいいだろう。


「今日のようにイリス様は、自分のお勉強を終わらせてから来るはずですから」

「もちろんおべんきょうもがんばるの! だから、あしたもたのしみにしてるの!」


 大きな声で宣言すると、電池が切れたように寝てしまった。

 メイドさんが俺からイリス様を受け取り抱え部屋から出て行った。

 その様子を見送り、目線を戻すと剣持がこちらを見ていた。


「明日も私を誘ってくれよ」

「はいよ。 遊ぶ前には声かけるよ」


 ガッツポーズしながら剣持は笑っていた。

 そこまで小さい子が好きか……


「本当にありがとうございます。 ご迷惑でしたら私から言っておきますが?」


 エリザ様が心配そうに質問してくる。


「私も楽しんでますから大丈夫ですよ」

「そうですか……なら明日もお願いします」


 俺はわかりましたと返事を返す。


「あと……できましたら私もご一緒させてもらえれば嬉しいです」


 トランプをやっている時、チラチラとこちらの様子を見ていたのは気づいていた。

 イリス様の様子を見ているんだと思っていたが、自分も交じりたかったみたいだ。


「イリス様も喜ぶと思いますし、もちろん大歓迎ですよ」

「ありがとうございます。 明日の楽しみが増えました!」


 娯楽に飢えていたのか、人と遊べることが嬉しいのかわからないが、エリザ様は嬉しそうに笑っていた。


 その後すぐにメイドさんが呼びに来て、風呂の時間になった。

 風呂場では朝のバカ四人組が、また覗きにチャレンジしていたが成果はなかったようだ。

 今日覚えた初級魔法を使って、体を持ち上げようとしていたが、鍛錬が足りないのか初級では威力が足りないのか上がってなかった。

 最後は四人全員で一人を持ち上げようと頑張っていたが、五センチくらいしか上がっていなかった。

 普通にジャンプした方が高くなるから意味ないけど。

 やはり最後には委員長に捕まり説教をされていた。


 風呂から出たあとは、自分の部屋に戻り、それに付いてきたタクとヒカルと少し話していたが、すぐ眠くなり解散となった。

 思ったより疲れていたのか布団に入ると、すぐに眠気が襲ってきて意識を失った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ