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自由時間だった



 魔法の初心者講習が終わり、俺たちはいつもの大部屋に戻っている途中だ。

 みんな楽しそうに自分の使った魔法を仲のいい同士で喋り合っている。

 もちろん俺もタクとヒカルと話しながら移動いている。

 オタクな俺たちは魔法を使ったことではなく、今日の授業の内容をどう応用すれば強い魔法が使えるかを話している。


「僕が思うに魔力の出力量に応じて強さが変わるんだと思うんだな」


 タクの考察だと、一使う魔法に二以上の魔力を使えれば同じ魔法でも威力が変わると言うことだ。


「それはやってみたが、使わない分の魔力は変換できずに漏れてるだけだったぞ」


 俺は結構早めに魔法を使えたので、残ってる時間でいろいろ試していた。 


「それより俺はイメージのが大切だと思うぞ。 単純に火の魔法でもマッチの火をイメージするのと、ガスバーナーをイメージするのでは全然違うと思うし」


 火属性は持っていないからやれなかったが、そよ風と竜巻のイメージで風魔法を試していた。


「僕もそうだと思う。 僕は全属性使える訳だけと同じ初級魔術でも、イメージしにくい風とか雷より、イメージしやすい火の方が早くできたし、威力は強かったと思う」


 全属性を使えるヒカルが言うんだから間違いはないだろう。

 それに昔からヒカルの感覚で言うことはだいたい正解に近い。


「ヒカルがそう言うんなら、たぶんそれで合ってるんだな」


 もちろんタクもそれを知っているから潔く認める。

 話しがひと段落したタイミングで、目的地の大部屋に着いた。

 大部屋に入ると同時に横から小さな物がぶつかってきた。

 なにかと思い下を向くとそこにはイリス様がいた。


「イリス様、なんでいるんですか?」


 お昼の後にメイドさんに連行されたはずだが。


「おべんきょうおわったから、あそびにきたの」


 説明を求め、イリス様の後ろに控えているメイドさんに顔を向ける。 


「イリス様があなた様の所に行きたいと聞かなかったもので、あなた方の訓練が終わるタイミングでお連れしました」


 この後は自由時間みたいだから遊ぶ分にはいいのだが、なぜにイリス様は俺に懐いているんだろう。

 エリザ様もイリス様に気づいていたが、メイドさんがいるからか軽く頭を下げるだけでなにも言ってはこなかった。


「なら遊びましょうか。 なにをして遊びますか?」


 イリス様は俺の問にう~ん、う~んと考えている。

 こちらに気づいた剣持がそれを見てニヤけながら、こちらに近づいてきた。


「渡来なにをしているんだ?」


 そして俺に話かけてきた。

 話かけてきたが、視線はイリス様を見たままだ。


「一緒に遊びたいんだってさ」


 そう言うと剣持はキッと真面目な顔を俺に向ける。


「それは私も参加してもいいのだろうか?」

「いいんじゃないか?」


 人懐っこいし人見知りもしないから大丈夫だと思うが、一応聞いてみる。


「イリス様、このお姉ちゃんも一緒に遊びたいみたいなんですけどいいですか?」


 今だに考え続けていたイリス様に聞いてみる。


「にんずうはおおいほうが、たのしいからいいの!」


 イリス様は両手を上げて笑顔でそう言う。

 聞いた剣持も笑顔になっていた。


「それでなにをして遊ぶか決まりましたか?」

「ひとりあそびしかおもいつかにの……」


 一人で遊ぶことが多いみたいで、なかなか名案が思い付かないようだ。


「ならトランプでもやりますか?」

「とらんぷ?」

「私たちの世界のカードゲームですよ」


 トランプはタクがいつも持ち歩いているはず。

 タクに目で確認すると、制服の内ポケットからトランプを出していた。


「きえるの世界の……やりたいの!」


 目をキラキラさせて元気よくそう答えた。

 興味をもってもらえてなによりだ。


「私の友達、二人も一緒にいいですか?」

「いいの」


 イリス様はもちろんオーケーしてくれた。

 タクとヒカルを二人に紹介する。

 ヒカルは幼いイリス様にも人見知りを発揮していた。


「あっ私も! 私も参加していいですか?」


 剣持の後ろから双槻が声をあげた。

 突然の声にイリス様はビクッとしていたが声の主を見て笑顔で許可していた。


「では、あちらの机でやりましょうか」


 大きめの机の周りに椅子をひっぱてきて座る。

 イリス様の分も用意したんだが、俺の膝の上に座りたがったので持ち上げ座らせた。

 剣持が自分の膝をアピールしていたが、見向きもされず軽く落ち込んでいた。

 それでもすぐ持ち直し隣に椅子を寄せてきた。



「なにをやろうか?」

「簡単だしババ抜きでいいと思うんだな」


 ルールも覚えやすいしババ抜きでいいかな。

 種目が決まったのでタクにトランプを配ってもらう。

 俺はイリス様に教えながら一緒にやろうと思う。


「まずはこんな感じで同じ数字が書いてあるカードをペアにしてみましょうか」


 俺がカードを持ってイリス様に見えるように広げて、見本としてワンペア作ってみせ、イリス様にもやってもらう。

 イリス様は俺が教えたように一枚一枚確認してカードを出していく。


「あとはもうぜんぶちがうの」


 五人でやっているから初めに揃うの分は二、三組だからすぐ終わった。


「揃うのがなくなったら、隣の人から順番にカードを一枚ずつ引いて、最初にカードが全部なくなった人が勝ちです」

「わかったの!」


 ルールはだいたい理解してもらえたようで、鼻息荒く意気込んでる。


「どちらから引きたいですか?」


 隣に座るタクと剣持を指し、イリス様に選んでもらう。


「タクのほうからひく!」


 剣持はスゲーアピールしていたが、結局タクのほうから引くことになった。

 もちろん剣持は落ち込んでいた。

 イリス様からカード引けるんだから、それで満足しておけ。


 始めは恐る恐るという感じでカードを引いていたが、何周かすると慣れてきたのかスッとタクから引くようになった。

 まだ子どもの為、ポーカーフェイスとか関係なく揃うとニコニコ、揃わないとショボンとしていて可愛かった。

 王女様パワーなのか、駆け引きとかしてないのに割とカードが揃う。

 一度だけジョーカーが回ってきたが説明してなかったので、『なにこれ』とこちらに顔を向けてきた。

 タクもなるべく引かれないように頑張っていたが、ちょっとした隙に引かれてしまったようだ

 そのカードを最後まで持っていたら負けと話したら、愕然した顔になったがすぐに剣持が持っていってくれた。

 その時のイリス様のわかりやすさときたら……

 ずっとジョーカーを凝視していたし、ジョーカーに触ると笑顔になり、他のカードだと涙目になる。

 ジョーカーを持っていった剣持は、引いた時にイリス様の笑顔を受け顔が緩みまくっていた。

 イリス様はジョーカーを引いてから、もうジョーカーを引きたくないのか、カードを引く時に少し悩みながら引くようになった。


 それからさらに何周かするとイリス様の持ち札が一枚になった。


「どっちにしよう……う~ん……こっちなの!」


 イリス様が二枚になったタクからカードを引く。


「そろったの! これでいりすのかちなの!」


 見事持ち札と同じカードを引いて最後のペアが揃った。


「やりましたね。 一番ですよ」


 おめでとうございますとイリス様を褒めると『やったー』と両手を上げて喜んでくれた。


「まだやりますか?」


 俺がイリス様に聞くいてみる。


「もちろんやるの!」


 それから何回かババ抜きをしてトランプはお開きになった。


 

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