閑話 マイヤー家のその後
アッシュが目を覚ました日、アッシュから事件の詳細を聞き終えたディルクは自分の小隊が属する第三師団の団長であるライネル・フォン・シドに遣いを送り報告を行った。
報告を受けたライネルは、貴族が絡んでいるため上司にあたる王国騎士団団長である、ウィリアム・フォン・ウェリントンにそのまま報告を行う。
「以上がグランツでルーカス・フォン・マイヤーが起こした事件です。マイヤー家は、男爵家のため現在は身柄拘束中のみ行っております。今後の判断をいただきたく。」
「引き続き身柄拘束と尋問は第三師団でしておけ。処遇については決まり次第追って連絡する。」
「了解しました、失礼します。」
ライネルは、そう言って団長室から退室をしディルクの小隊に伝令を伝えに早馬を送る。
ーー
ウィリアムは、今日の御前会議にて今回の件を報告すると決める。
御前会議では、国政などや国王に審議してもらう議題などの話し合いが進んでいく。会議終了前に、事前に申告していない急を要する案件があるかを聞かれるため、そこで挙手する。
「王国騎士団団長、ウィリアム・フォン・ウェリントン、発言を許す。何事か?」
進行を行う宰相が手を挙げたウィリアムに発言を求める。ウィリアムは、玉座の前まで歩いて行き、片膝をつき頭を下げる。
「報告致します。現在、第三師団の小隊が駐留しているグランツにて初等学校校長モーリスより生徒が誘拐されその救出要請を受け、救出に向かいました。そこで、誘拐の首謀者であるマイヤー男爵家嫡男のルーカスの身柄を拘束いたしました。.....今後の対応につきまして判断を頂きたく。」
そう発言し、より詳細をまとめた報告書を近衛兵を介し、国王に渡す。国王はその報告書に読み終えた後に話し始める。玉座の間は、国王が発言するまでシーンとしていた。
「報告、ご苦労だった。マイヤー男爵家は、爵位剥奪並びに財産没収とする。宰相、貴族法に則り対応しろ。」
「はっ、畏まりました。」
ーー
王命が下った事によりそこからの対応は早かった。この件をそのまま対応することになった第三師団の団長ライネルは、司法官を連れてマイヤー家の屋敷へと行った。
屋敷へとなんの許可もなく入ってくるライネルに対しルーカスの父であるマイヤー男爵家当主のダグラスが騎士に対して抗議する。
「なんだ、お前たちは。無礼であるぞ、ここは男爵家の屋敷だ。出て行け!」
そう言われたライネルは、王家の紋章印が押された書状をダグラスに見せる。
「マイヤー家当主ダグラスだな。この書状の意味は分かるな。拘束しろ!」
王家の紋章印が押された書状を見てダグラスは顔面蒼白となり、その場にガクリと膝をついた。そんなダグラスを騎士たちが拘束していく。
それから、屋敷へと入り財産を差し押さえていく。力は全然ないのに見栄を張るためだけに購入されていたものが屋敷内には多くあった。
ダグラスの第一夫人、第二夫人も拘束する。使用人たちも話を聞くため一箇所に集められる。
そこから、使用人たちに話を聞いた。昔から仕えている初老の執事は、かつてダグラスがルーカスの実母とその実家に仕掛けた凄惨な謀略のすべてを打ち明けた。実母は真実を知らぬまま病死していたが、使用人たちにも優しく控えめな女性だったという。
対照的に、今いる二人の夫人は、ルーカスの母とは真逆で派手に着飾り、メイドなどに対して度々暴力を振るっていたことが証言された。三人は、刑罰を受けることが決まって。
貴族法に基づき、没収した財産の一部は、執事やメイドたちの退職金として当てられ残った財産は国の財源となる。
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迅速な司法手続が終わり、旧マイヤー男爵家の刑罰が確定する。
ルーカス・マイヤー:誘拐及び傷害の罪 労働15年
ダグラス・マイヤー:謀殺の罪 労働20年
ダグラスの妻二人:傷害の罪 労働5年
この国の刑罰は、『処刑』又は『労働』。労働は、年数が終了するまで『奴隷紋』がつけられ刑期終了までは逃げることができずに農地や鉱山、開拓地などでの過酷な強制労働を強いられる。
次回は、章間としてアッシュの両親ギルバードとエレノアの馴れ初めを投稿します。章間と緩和の違いは、閑話がおまけ程度だと思ってください。今回は、たまたま閑話と章間が連続しますが、今後閑話は、章の途中でも時々出そうと思っています。




