第18話 秘密の特訓
休日が終わり、再び学校生活が再開した。
授業としては、魔法は引き続き初級魔法の練習、剣術は素振りの繰り返しだった。
昼休みや放課後を使い、魔法陣についての勉強も始めた。
勉強といっても、とりあえず学校の図書室に置いてある本を読んでるだけだが、分かったことがある。
魔法には、属性が多いというよりも、戦闘にはあまり使えないが日常生活を便利にするための魔法やら魔法陣の種類が多く存在するらしい。
その中でも母さんが使ってた治癒魔法は便利そうだからぜひ身につけたいものだ。
他にも、知識を増やしていき、ノエラのツノを隠すための魔法陣の改良やら前世の知識を使った便利な魔法の開発やらを出来たらいいなと思う。
ーー
そんなこんなで本を読み漁ったり授業を受けてたらしてたら2回目の休日が訪れた。先日言っていたように、エリス先生に許可を受けて、演習場を使用して4人で特訓することになった。
4人は、学校の運動着に着替えて演習場へと集合した。
「よし、始めるか。ところでアッシュ、何から始めるんだ?」
「そうだなぁー。...ミアは、剣か魔法どっちがいい?」
「私?うーん、魔法がいいかな。」
「じゃ、魔法の練習するか。ま、そう言っても俺とノエラも初級魔法しか使えないから教えられることは授業でやってる内容しかないんだけどな。そろそろ中級魔法も覚えていきたいんだよなぁ。」
「ねぇ、聞きたいことあるんだけど。...ノエラとアッシュは、入学前から魔法使ってるんだよね。なんで、いつも教科書を見て詠唱してるの?最近は、見てるの減ってきてるけど。詠唱文覚えてないはずなくない?」
「それ、俺も思ってたんだ。前、アッシュに聞いた時はなんかはぐらかされたけど、俺でも詠唱文覚えてきたのにアッシュ達が全然覚えられないはずなくない?」
二人から詰められ、ノエラと顔を見合わせる。
「えっと...それは、最近ようやく覚えてきたというか...」
ノエラが苦し紛れに誤魔化す。
(流石にこれ以上誤魔化すのは無理だな。今後も一緒に特訓していくなら尚更だ。この二人なら多分大丈夫だろう。)
「正直に話そう。この話は誰にも言わないって約束してくれるか?」
真剣な顔をして聞くと、二人も真面目な顔をする。
「もちろんだ。」
「誰にも言わないわ。」
「二人は、詠唱って必要だと思うか?」
「そりゃ詠唱しないと魔法使えないだろ。」
俺の質問にルークが答える。
「じゃあ、魔法を発動する上で大切なものは?魔力以外で。」
「『想像』と『感覚』だろ?そのくらい授業でやってるから知ってるよ。」
次にミアが答える。
「そこに『詠唱』は入ってないだろ?」
「おいおいおい、待て。まさかお前ら二人詠唱しないで魔法が使えるってことか?」
ルークが驚いたように声を上げる。
「そのまさかだ。まだ魔法自体を初級魔法しか使ってないからそれ以上の無詠唱で魔法発動が出来るかどうか分からないけど、初級魔法なら詠唱無しで使える。」
「すっげぇなぁ!じゃあ何の魔法使うかバレないし発動スピードも早くなるってことだろ?」
ルークが嬉しそうに声を上げる。
「ああそうだ。でも、発動スピードは魔法を『想像』するのに時間がかかるほど詠唱よりも魔力消費が増えるし、時間もかかる。これは『感覚』の部分も大切になるな。」
「細かいことはいいからさ実際に見せてくれよ。ミアも見たいよな。」
「確かに見たいけど...」
ミアはルークと違いまだ困惑していた。
的の前に移動する。
「じゃあ、ルークの適正である光属性の『ライトアロー』を使うぞ。」
的に向かい手を伸ばし、魔力を放出し光の矢を生成し、的に向かい飛ばす。
ーヒュッ。光の矢は的を貫通し霧散する。
威力自体は、以前ルークにお手本として見せた時と消費魔力量が変わらないため同じくらいだが、発動速度が全然違った。
「これが無詠唱か...!威力は変わんないのに発動までに全然時間かからないな。」
「本当に詠唱使わずに魔法って使えるんだ。流石に目の前で使われたら信じざるを得ないね。ノエラもできるんだよね?」
二人が驚きながらも興味ありげな声をあげる。
「うん、ボクもアッシュに教わったからできるよ。」
「なー、俺たちにも教えてくれよ。」
「ああ、もちろんいいぞ。ルークは光属性しか適性がないからさっきのを教えるとして、ミアの適性は何なんだ?」
「私は、火と水だよ。...そういえば、ノエラは水が一番適性高いけどなんでも使えるって話だけどアッシュはどうなの?」
「俺は、風属性が高くて一応他の属性も普通並には適性があるらしい。」
「二人とも全属性使えるの羨ましいなぁ。」
「だよなぁ。俺たち1つ2つしか適性ないからな。」
ミアとルークの二人は俺たち二人が全属性使えることを羨ましがる。
「まっ、こればっかりは仕方ないか。生まれつきだし!それに二人よりも適性ある属性を強くなればいいんだから。」
ミアは、持ち前の明るさで切り替える。
「それもそうだな、早速教えてくれよ。無詠唱で魔法を使う方法を。」
ルークも明るく切り替える。
ーー
それから、俺が無詠唱を使うコツを少し教え、魔法の実技の時と同じように、俺がルークにノエラがミアに教える。
その後二人は、まだ時間と魔力消費量は、詠唱する時よりも多いが無詠唱で魔法を発動することはできるようになった。
「よし、今日はここまでだな。二人とも結構魔力量限界だろ?1日で無詠唱で魔法が発動できるようになっただけでも十分な成果だ。あとは数こなしていくしかない。」
「2人の教え方が上手だったからな。...それにしても授業で魔力いっぱい使ってるから少しは魔力量増えてると思ったけどあんまり変わった気がしないな。」
ルークが疑問を口に出す。
「増えていくのも時間がかかるから毎日コツコツやっていくしかないよ。それに、今無詠唱で魔法を発動する時は、多分詠唱でするよりも消費量増えてるから量自体はちょっとずつ増えてると思うぞ。」
「アッシュあのこと言わなくていいの?」
ノエラが袖をちょんちょんと引っ張る。いちいち可愛いからそういった仕草は控えて欲しいのだが。
「あのこと?」
平静を装い聞き返す。
「ほら、無詠唱がバレないようにするってこと。」
「あー、そうだったな。...二人とも、多分今後も無詠唱を使っていくと思うんだけどなるべく無詠唱で魔法使う時何か呟いてるようにして詠唱してるふりをしてくれないか?別にバレてもいいと思うけど念のためな。でも、本当に戦闘する時なんかはそんな事考えなくていいからな。」
7歳児がそんな場面でくわさないと思うが、一応話しておく。
「もちろんいいぜ。教えてもらっておいて約束破らないから安心しな。」
「友達が言ってること守るに決まってるでしょ。」
ルークとミアが自信満々に快い返事をしてくれる。
その後、4人は演習場を後にし、着替えてからミアは家に他の3人は寮へと戻る。




