第14話 交流
ルークとミアの外見の特徴を入れていなかったため、それぞれの初登場である、13、14話に追加しました。
ルーク:茶髪、くせっ毛
ミア:赤髪、肩辺りまで髪を伸ばしている
昼休み、生徒に囲まれたノエラを連れ出した、同じサブリーダーとなったミア・ベイカーとルークと共に昼食を食べる。
「改めて私は、ミア・ベイカー。よろしくね。」
握手を求められ、それに応えながら自己紹介をする。
「アッシュフォード・グレイブです。よろしくお願いします。」
「同い年だし、敬語やめてよ。呼び方、アッシュでいい?」
「大丈夫だよ。」
「えっと、ノエラ・フォレストです。よろしくお願いします。」
ノエラも自己紹介する。
「ノエラのこと知らない人なんてこのクラスには誰もいないって。よろしくね、リーダー。」
ノエラとミアが握手する。
「アッシュくんもよろしくお願いします。」
久しぶりに聞いたノエラの『アッシュくん』呼びを懐かしく感じる。
「よろしく、ノエラさん。」
(ミアは、明るい奴だな。いわゆる陽キャって印象だ。)
「ルーク・コナーです。俺だけ何の役職もないけど、よろしく。」
「よろしく、ルーク。」
「よろしくお願いします、ルーク君」
一通り自己紹介を終え、なんでサブリーダーに立候補したかと言う話になった。
「アッシュはなんでサブリーダーに立候補したの?」
「ああ、俺はルークに一緒にやろうって誘われてな。そして誰か立候補したらお前が出ろって言われたからな。」
「へぇー、なんかごめんね、ルーク。」
「気にするな、元々楽しそうだったから誘っただけだし、どっちでもいいって思ってたから。ミアちゃんはどうなんだ?」
「ん、私?私は、誰も出てこなかったから出たんだよ。だっておかしいじゃん。いつもノエラのことあんな囲んでるのに出てこないなんて。」
「ミアちゃんはいいやつなんだな。」
「そんなことないって。それよりその『ミアちゃん』呼びやめて。」
「ごめん、ごめん。ノエラちゃんはさ、誰にサブリーダーやって欲しいとかあったの?」
「えーっと、あんまりなかったです。まだ、そんなにクラスメイトのこと知っているわけじゃないので。...あ、一人だけいました。アッシュくんです。」
「なんでアッシュなんだ?やっぱり昨日の剣術トーナメントで勝ってたからか?」
「はい、そうです。それに...アッシュとは幼馴染ですから。」
(結局バラすんかい。まあ、別にバレても問題ないんだけどな。)
「おい、アッシュなんで隠してたんだ。わざわざ『ノエラさん』なんて呼んで。」
「いやー、別に隠す理由なんてなかったんだけど、なんとなく?」
「なんとなくってお前、じゃあ俺が誘わなくても立候補するつもりだったのか?」
訝しむような表情で聞いてくる。
「まあ、そうなるな。」
「だからアッシュが立候補で手を上げた時喜んでたのか。...でも、ノエラも『アッシュくん』って言ってたよね?」
ミアは揶揄うような顔をする。
「アッシュが僕のこと、さん付けするから幼馴染のこと隠したほうがいいのかなぁって思って。でも、アッシュに『ノエラさん』て呼ばれて、敬語で話されるとなんか変な感じがするからもう言っちゃおうって。ごめんねアッシュ。」
照れたように可愛らしく謝る。
「気にしなくていいよ。俺が勝手に始めたことだから。」
「ふーん。二人はずいぶん仲がいいんだね。ノエラ、私たちにも敬語使わなくていいよ。それにさっき敬語外れてたし。」
「うん、分かった。」
ノエラが笑顔で答える。
ーー
昼休みが終わり、エリス先生が教室に戻ってくる。
「今から今後の授業の進め方を説明する。基本的に午前は座学、午後は実技だ。でも最初は、座学が多くなる。早速今日は魔法の基礎の授業を始める。」
その後、授業が始まったが内容的には家にあった本で読んでいたことがほとんどだったため、眠い目を擦りながら寝ないよう必死に頑張った。
ーー
授業が終わり、午前中に言われていた通り、俺とノエラ、ミアの3人はリーダー、サブリーダーの仕事内容を聞くために教室に残った。
「基本的にリーダーが中心となりクラスをまとめてもらう。サブはその補助だ。一番大きな仕事は、午前にも説明したクラス対抗戦のクラスの指揮だ。生徒の力量を見極め誰をどの種目に出すのかや作戦の立案などをしてもらう。まだ想像はつかないだろうが練習期間に入ると種目など詳しく説明する。質問はあるか?」
「今のところ特にありません。」
「よし、じゃあもう帰っていいぞ。気をつけてな。お疲れ。」
ーー
ミアは、グランツ出身らしく実家から通っているそうなので学校の前で別れ、いつも通りノエラと二人で帰る。
「アッシュが全然手を挙げないから立候補してくれないかと思ったよ。」
「ごめん、周りの様子を伺ってたんだ。」
絶対にルークに誘われるまでは、どっちにしようか迷ってたなんて言えないなと思いながら答える。
「それにアッシュが急に『ノエラさん』なんて言うから驚いたし、....ちょっと悲しかったな。」
俯きながら恥ずかしそうに言う。
「...もう、急にあんなことしないでよね。もしする時は先に教えてよね。」
上目遣いで有無を言わせない感じでお願いされる。
(この部分だけ切り取ったら俺、めっちゃやばいことしたみたいな感じだな。)
「わかったよ、今度からはちゃんと伝える。早速なんだけどルークとミア以外の前ではさん付けでいいか?」
「アッシュがそう言うならいいよ。」
「ありがとう、それと無詠唱で魔法が使えるってことも内緒な。もし魔法を使うときは適当に何かブツブツ言って魔法使ってもらっても良い?」
「うん、分かった。バレないようにするね。でもなんでバレたらダメなの?」
首を傾げ不思議そうに聞いてくる。
「さっき授業で言ってただろ。魔法は普通詠唱をするものだからだよ。多分バレても何もないと思うけど、念のためな。」
「アッシュがそう言うならそうするよ。じゃあね、また明日。」
ーー
寮の前でノエラと別れて自室に戻る。
ルークとミアはいい人そうだし、俺の大きな課題の1つである友達作りは大丈夫そうだ。
ノエラは、俺に懐いてくれているが、依存しすぎだと思う。でも、ルミィの町にいたころの唯一の友達で、鬼人の『先祖返り』とツノが生えているって事実を知っててもそばに居てくれる存在がいたら、依存するのは仕方がないと思う。俺がノエラの立場でもそうなると思うから。
一番良いのは、ルークやミアも俺と同じようにノエラの秘密を知った後も変わらず接してくれることだ。だが、そこはルークやミアの気持ちもあるし、ノエラが打ち明けるかどうかでもあるから難しいだろう。
結局、人付き合いは最終的には本人たち次第だから、俺がどうこうできる問題じゃないけど、出来るだけフォローはしていこう。




