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14. 6人目の正メンバー

パーティーメンバが買取ギルドの受付に集まって状況を聞いていると、ドラゴンを売却にきた冒険者がやってきた。


「いやぁ、伯爵自らがやっているお店。それだけ安心ですよ。」

「やめてください。ええっと…じゃあ、査定しますのであちらで。

ちょっといま知り合いがいっぱいいますけど」

「いえいえ。元勇者のみなさんと話ができる。うれしいですよ。」


そういって冒険者は元勇者のパーティーがいるほうへ向かった。


結構きれいにしている。洗ってもいるな。どこも悪くはないけど…

あ、けがだ。骨折している。気が付かなかった。この子、結構気丈なタイプだ。

小声でドラゴンにいってあげる。

「楽にしていいよ。うずくまっていいよ。」

「ほんと。」

「うん。」

ドラゴンは静かにうずくまった。


買取見積を出して冒険者に近づき


「おまたせしました。こちらで買い取らせていただきます。」


すると、冒険者が手招きして、書類を指さした。テーブルの上にあったのは解散したときの受領書。その指さされた場所を見ると、


なぜかメンバーが6人しか登録されていない。


「えっ」

「ガッツとサイモンというやつ、多分冒険者ギルドに所属どころか登録もしていない、モグリの冒険者ではなかったですか。」

「そんなこと、できるの?」


ザードが口元に指をあてた。


「そうか。出会った当初から問題児だったんだってことだ。」

「でも、みなさんなら身元確認要請ができたはずですが。」

「ムリだよ。」

珍しくキッドが推理をしている。

「出会ったのはダンジョンの中。ここでガッツとサイモンは後で登録をするといっていた。

ぽくらは疲れてて、宿屋に戻ってそのまま寝てしまった。誰も登録は確認していない。」

ザードが反応した

「ああ。実際は登録していなくても問題はない。

最初の登録だけが厳格であとは増えようが関係ないからな」

「もしかすると、勇者の称号は関係ないかも。

ぼくも勇者がほしいんだとそうおもっていた。でも、もし、そうじゃなくて

バードにギルドへの復帰の推薦してもらうことが目的だったとしたら」

「そうか。バード自身も子爵位か」

「責任放棄したからもうないけどね。でもあの時は子爵と同等だった。」

「このあほが」

ザードが近くにあったお盆でバードの頭をなぐった。


「しかし、どうしてみなさんは、勇者の称号は関係ないと?」

とりあえず話が終わりそうなので早く会計をしようとおもったら冒険者が聞いてきた。

「ああ、それはな。それがあってもしょうがないんだよ。」

「なぜ。」

「こいつが得られた特典は全部このスノウがいないと発動できないんだ。」

このあとの冒険者から浴びせられた一言が全員に精神的ダメージを与えた。

「えっ! じゃあ、みなさん。スノウさんが善意でつかみ取ったメリットを

ただ単に横から搔っ攫っただけじゃないですか。」

全員がうなだれてしまった。


「あ、あのう。どうかされました?」

「あ… う… い…」


いったぁい! そこはずこく自己反省したんです、みんなで。

その傷口もふさがっていないのに、手を突っ込んで広げないでください!


「スノウさん、大丈夫ですか?」

「だ、ダイジョブです。こ、こちらに、さ、サインを」

「は、はい。」


とりあえず冒険者からドラゴンを買い取った。


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しばらくして、書類をぼーと眺めていたホーリーが気が付いた。

「ちょっと待ってください。なんで6人もいるんですか」


どういうことだろうか。バード、ザード、ホーリー、リッジ、キッド、ボクの6人で正しいのでは。


「だって、リッジは別動隊でしょ。

しかもサブパーティの学び舎にいて統合手続きをできる状態じゃなかった。

だから、そもそも登録されていないはず。5人のはずです!」


全員でもう一度書類を確認する。


確かにリッジがいない。代わりにいたのは…「フェイリン」


「フェイリンって、だれでしたか?」

ホーリーの疑問にこたえにはザードだった。

「あ、あれだ。」

ザードがおもいだしたように手をたたいた。

「『呪いの森』の攻略で知り合って、しばらく村に戻るまで行動した子だ

確か森の妖精の王の娘で。でもすごい短期間だぜ」


ホーリーがひらめいたという顔をした。

「これは大チャンスですよ、スノウ」

ホーリーが近づいてきた

「フェイリンに頼めばいいんです。ファーストを見なかったかって。」

「え。でも知っているかな」

「ファーストは知らなくても、スノウの契約印は知っています。

それに、私の護符も首にありますから、絶対にわかります。

それがあるドラゴンを見なかったかと聞けばいいんです。」

「でも、そこまでしてくれるかな」

ホーリーが興奮気味に続ける

「このパーティー登録はそもそも友情の証として登録したものですよ。

だから一緒に冒険はほんの短期間。でもほんの短期間だったから、

追加伝票だけ誰かが切ったんですよ。」

「一体誰が…あ…」


ザードが親指でバードをさしている。


あ、思い出した。ボクが追加伝票を作って、バードが持って行ったんだ。


ホーリーが納得している。

「わからないはずです。パーティーの登録内容を確認しないから。

でも、これでわかりました。スノウがフェイリンにお願いすれば

彼女は間違いなく、たくさんの妖精たちから情報を集めてくれます。

それで何をしたかはすぐにわかりますよ。」

「でも」

「聞くだけ。それだけでも安心できるじゃないですか。」


こうしてボクは教会でフェイリンにメッセージを送って返事を待った。



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