13. パーティ解散
「勇者バードのパーティ」の正式解散手続きをすることになった。
その過程で、サブパーティー「学び舎」をあることがわかった。
そこで、存続先として「学び舎」を残し、メインパーティへ格上げ。
バード、ザード、リッジ、ホーリー、キッド、ボク、の6人がパーティになった。
「リーダーは誰にしましょう」
ちなみに「学び舎」にリーダーはいなかった。
「じゃあ、リーダーはなしにしよう」
「その場合は、保証人が必要です。」
確かに。責任者不在のそんなテキトーなパーティは認められない
「リーダーを設定していただくのが一番なのですが、そうでない場合は、
年長者、ベテランの冒険者 あとは…」
受付の子がニタァとした。
「貴族の方のサインをしてもらうことかと」
「そうですか…そうするとニコラ伯爵か。」
ボクがそういうと全員がボクを見た。
「ええ。でも、その方が冒険者をしてしてもかまいません。」
「そんなひといるんですね」
「ええ。例えばスノウ伯爵特別位なら信頼も各段に違います。」
こうしてボクは初めて書面上に自分のサインとともに役職を記入することになった。
Snow , Special Rank of Count
スノウ、伯爵特別位
トホホ…責任重大
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「いいんですか?」
「なにを?」
「ファーストのことです。」
「うん。」
実はみんなからは捜索願を出そうという話もあったが、ボクがやめた。
「ファーストと再会したい気持ちはある。でも、連れてくることかなって。
ファーストは自由を謳歌しているとおもうんだ。ならそれはそれでいいかと」
「でも、先輩が頑張って孵化させたんですよ」
「そうだけど、そもそもあれは市場で販売されていた、盗難品ではあるんだよね。」
「まぁ、どっかの巣から拝借したものなのは間違いねぇ」
「そう考えると、親元に帰っていることもあるかなと。それだったらハッピーエンド。」
「先輩はそれで本当にいいいんですか?」
リッジの真剣な顔が逆に笑えてきた。
「そもそもあれはバードに買ってもらったものだ。だから、突き詰めていくと、バードのものという言い方もある。自分でもバカだったと思うさ。ボクのものではないことは確定していたのに、一生懸命愛情と魔力を注いでいた。ハハッ。ほんと、お人よしだったってことだね。」
「最後のさよならは、私にはウソには見えませんでした。」
「まぁ…。でもそのはかなさはホーリーが一番知っているでしょ?」
「……………」
話題を変えないとヤバいな。
「で、みんなはどうするの? パーティ再結成しちゃったらどこへもいけないよ」
「オレはここに残って、お前の手伝いをする。」
ザードが先頭を切った
「おまえひどい魔欠病をやっているな。吸われすぎで実は生活も大変だろう」
「ハハハッ ばれたか。」
「お店の中で魔法でできることを手でやっていた。お茶わかすのに火を使っていた。
本当は対決した日も相当まずかったろう。」
「その状態でもやるのが、プロってもんさ」
「だから手伝う。お前は少しでも魔力をあいつらに与えろ。」
「ボクは学校を作ろうと思っています。」
リッジが次に手を挙げた。
「学院に戻るつもりでした。だけど、決めたんです。
先輩の崇高な未来の実現には、ちゃんと勉強ができる子がいなきゃって。」
「よかったら教会でやりませんか。ちょうど学校創設の話が出ているんです。
冒険者の手引きも今スラムの子たちにやっています。」
「はい。キッドさんもバードさんもうちに来ませんか?」
「いや、その前にリッジはちゃんと休め。スノウのことがいやならいいけど」
「いえ、サードさん。そこまでは」
「いいよ、リッジ。キミが負担にならないなら。」
「じゃあ、ホーリー。悪いけどバードよろしくな」
「はい。性根をしっかりたたきなおします。」
うわぁ…、それこわれるんじゃあ…
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「わたしは帰ってくるだろうと思っている。」
ドラゴン買取ギルドに戻ると、ドラゴン衆のグランツが問い詰めてきた。
「スノウは私たちに分け隔てなく愛情を注いでくれる。
その愛を受けたものは決して忘れないものさ。」
「うーん。」
さすが元騎士。忠誠が違う。
「みてごらん、スノウ。
ここにいる誰か一人でもこんなところにいたくないといったものがいるだろうか。
みな、ここがいいからここのいる。スノウの暖かさが身に染みて、離れたくない。
いまや、これだけの大所帯。心配はいらない。」
「たた、大型なもんでね。戻ってこられても」
「まぁ、何かしらの方法はある。」
そういう話じゃないんだよなぁ。
「ボクはね。ファーストをおいて出て行ったんだ。
ファーストからしたら、朝になったいなくなっていたんだよ。裏切りだ!」
「違う。ファーストは賢い子だ。一人だちしなければと思ったはずだ。」
「うん。それでいいんだ。」
「でも、きっと戻ってくる。スノウのしつけがしっかりしているなら、
絶対帰ってくる。」
「復讐」
「違う。絶対に親と認めたもののもとへ帰ってくる。絶対に。」
ザードが風呂場から出てきた。
「おーい。次のグループ。ん? どした。涙目になってんぞ」
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-数日後
教会で作った学校に行ってみた。
キッドが子どもたちと追いかけっこをしていた。
キッドはギリギリでひょいっとよけている。
なんと斥候職の訓練だという。
ん?ということはキッドは戦士じゃなかったのか。
まぁ、斥候職を発揮する前にガッツたちがガンガンいくぜにしてしまったから生かすタイミングを失ったのかも。まぁ、当然、すねるな。
「もう、パーティも十分強いし、関係ないし、さいならー」はありえたな。
バードは全然ダメらしいが、ホーリーが働け!をして、子どもたちに読み書きはさせている。本を読み聞かせする姿は優しいお兄さんだ。
もしかすると、あれがバードの本当の姿かも。
勇者をやらされて、それが自分の使命だと勘違いしたのかも。だとした哀れ。
まぁ、ここならホーリーがしっかり守ってくれるし、大丈夫だろう。また一緒に冒険はしたくないけど、元気になってほしい。
リッジは魔法の先生になっていた。こどもたちに試し打ちをさせている。すごいのを打っている子もいて驚いた。あれは有望株になるだろう。
そうやって見て回っていると、ホーリーが慌てて走ってきた。
「スノウ!」
「どうしたの?」
「飼い主不明の大型竜がが現れて、」
「うん」
いやな胸騒ぎがする。
「冒険者を襲いました。」
「…」
なんてこった…。ファーストにはポクの契約印があるはず。
「で、その冒険者は?」
「ここからは離れていますが、宿屋です。そこが襲撃されました。」
「けが人は…」
「それが…たったの二人です。」
「?」
「ちなみに、厳密には冒険者でもなかったそうです」
は? なにそれ?




