【前世】第24章4話 黄金と銀 相棒
速い
ジンの動体視力すら
置き去りにするほどだった
黄金の閃光
ジンは
必死に剣を振るう
暗銀の連撃が
空間を縫う
だが――
ヴィヴィの二刀龍は
その全てを
弾かず
包み込むように
無力化していく
(黙れ……)
黒煙が揺れる
(消えろ……!)
ジンが
全魔力を込めた
巨大な暗銀の斬撃
空間そのものが裂ける
戦場が悲鳴を上げた
だが――
次の瞬間
黄金が
ジンの懐へ飛び込む
剣を振るう隙さえ与えない
圧倒的な黄金の圧
だが
恐怖じゃない
懐かしさだった
ジンの動きが
一瞬だけ止まる
黄金の瞳と
暗銀の瞳が
至近距離で交差する
「来いよ――ジン」
――ズシャァァァン!!
黄金の拳が
ジンの胸の中心
闇の核を
正確に貫いた
黒煙が
内側から裂ける
「……おそい……」
血を吐きながら
ジンが
微かに笑う
「んだ……よ……ヴィヴィ」
その表情には
もう
闇だけじゃないものが
戻っていた
身体が足元から
光の粒子へ変わっていく
崩壊じゃない
解放だった
「待ってるぜ」
ヴィヴィは
最後に
悪ガキみたいに笑った
「次は
地球の酒場でな」
ジンは目を細めた
静かに答える
「……ああ」
その一音で
銀が戻る
冷たい声
だが
闇ではない
「次は……
斬るべきものを間違えない……」
言葉の終わりが
光へほどけていく
ヴィヴィの姿も
現代へ引き戻され始める
時間が
場所を取り戻す
ジンの魂は
先に消えていった
マリアと
レイラを追うように
銀の光は
もう迷っていない
約束は
未来へ続いている




