【現世】第23章3話 七色 転生
「女神イヴは
世界を守るために
七つの光に願いを託しました」
静かな説明だった
だが
言葉の一つ一つが重い
「黄金」
ヴィオの黄金が胸奥で脈打つ
「蒼」
茉莉奈の呼吸が静かに深くなる
「翠」
翔の呼吸が――すっと整う
「紫」
夕羅の瞳が細く笑った
「赤――」
オーガの胸奥で熱が揺れる
一花は
そこで視線を伏せた
「……そして
まだ欠けている二色」
夕羅が
氷を回した
カラン……
店の空気が
一段沈む
ピシ……
頭の奥で
知らない声が響く
――スターライト
夕羅が
眉を寄せた
「……スターライト?」
自分でも
なぜ出たのか
わからない
店内が静まる
一花だけが
小さく目を見開いた
「その名を
覚えているのですね」
夕羅の眉が動く
「覚えてる?」
一花は
静かに首を振った
「……思い出しています」
空気が沈む
紫煙が揺れるように
声が踊る
「お人形遊びの台本なんて
最高につまらないわ」
笑う
だが
目だけは鋭い
「私は私の気分でしか
踊らないのよ――」
視線が
真っ直ぐ一花へ向いた
「感情で選ぶのよ」
一拍置く
「物語は
私たちのもの」
その言葉で
空気が
わずかに揺れた
一花の目が
ほんの少しだけ細まる
「……ヴィヴィ」
その名で
ヴィオが顔を上げた
「あの星を離れ
この地球へ至ったのは」
一花は
視線を逸らさない
「あなたの選択です」
ヴィオの眉が寄る
「……選択?」
低い声
黄金の重みがある
「ええ」
一花は
静かに頷いた
「心を学ぶために」
一拍
「女神イヴからの
虹の転生術を
あなた自身が
受け入れた結果です」
ズズ……
胸奥へ
重みが沈む
ヴィオは
窓から空を見た
乾いた風が
脳裏を吹き抜ける
笑うように
息を吐く
(心を学ぶための旅か)
だったら
(この地球で泥をすすって生きてきたのも
――全部上等だ)
呼吸が落ちる




