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【前世】第22章4話 黄金 信頼

王城の大広間は

金糸の光に包まれていた


任命式と結婚式


二つの祝福が

ひとつの儀式として重なり


音色が流れる


桃色の薄衣が

宙を舞った


祝福の中心へいながら

その存在は

静かに溶けている


リンダの舞は

今夜だけ

いつもより静かだった


ジンが

静かに前へ出る


銀の気配が

広間の温度を変える


「この先

誰かが堕ちるなら」


声は低い


揺れがない


「例え私でも

斬ってください」


空気が張る


「王が堕ちた時は

私が斬ります」


重い


だが

必要な誓いだった


レイラは

ヴィヴィを見た


白い耳が

静かに揺れる


「約束して」


幼くはない


だが

まだ傷は新しい


「誰かが堕ちても


終わりにしないって」


喉が詰まる


それでも

言い切る


「……絶対

連れ戻すって」


ヴィヴィは

静かに頷いた


誰も否定しなかった


否定できる者など

いなかった


翠の戦士――


シューが進み出る


少しだけ肩をすくめる


「もっと胸を張りな」


苦笑みたいな息


「……三人まとめて

俺が支える」


一拍


「これからは――


この俺が

――三人の盾だ」


広間の空気が変わる


守るという言葉が

今度は

誓約になる


続いて


紫の衣


ユジャが微笑んだ


「覚えておきなさい」


紫が

灯りへ滲む


「愛は

魔法よりも強い」


「術式は壊れる」


「理屈は崩れる」


一拍


脳裏に

リンダの横顔が掠めた


ふわ……と

紫煙みたいに声が滑った


「愛は


折れた者を

もう一度立たせる」


その言葉は

祝福であり


同時に

警告でもあった

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