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【前世】第22章3話 黄金 絆

その瞬間――

扉が開いた


「……来たか

白ウサギ」


黄金の圧が

部屋へ満ちる


――ヴィヴィだった


腕を組み

迷いなく言い切る


「白ウサギが来るまで

――俺は王にならない」


レイラの耳が震える


マリアが

小さく息を呑む


だが

止めない


ヴィヴィは続けた


「王子から王になる儀式だ」


一歩

前へ出る


「守る者がいない王なら

俺はならない――」


その声に

飾りはない


「そんな王に

意味はない」


黄金は揺れない


ただ

前へ立っていた


カイザーの熱とは違う


前へ進ませる熱


立ち止まることを

許さない光


レイラの喉が引きつる


「……反則だよ」


小さく漏れた本音


沈黙


その沈黙の中で

初めて

胸の奥がほどける


だが

まだ怖い


本当にここへ

いていいのか


その迷いが

完全には消えない


耳が

小さく震え続ける


「……家族になりたい……」


やっと出た声だった


その瞬間


黄金の気配が

静かに満ちた


ヴィヴィが

一歩前へ出る


「王になれば

守る者は増える」


一拍


「――最初に守るのは

お前だ」


視線は迷わない


「それだけは決めている」


レイラの耳が

震えたまま持ち上がる


ヴィヴィはさらに言う


「ラヴィット族の

最後の戦士として――」


その言葉が

白へ敬意を置く


「俺と共に

新しい歴史を刻もう」


レイラの耳が

ゆっくり持ち上がった


涙で滲んだ視界の奥で

ようやく

前が見えた


「……はい」


小さな声


だが

確かな決意


白は

もう

ひとりじゃなかった

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