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【現世】第17章3話 黄金 承認 

ロッカールーム


私は

カメラを肩から下ろさなかった


汗の匂い


スパイクの土


ロッカーの金属音


勝利直後の熱が

まだ壁に残っている


ヴィオは静かに

ユニフォームを脱いでいた


歓声の中心にいた


それでも

顔は静かだった


戻りきっていない身体を

自分で確かめるみたいな目


脱ぎかけた右肩へ

うっすら湿布の跡が残っている


誰にも見せないように

すぐシャツを被る


その動きだけ

ほんの少し遅かった


その前へ

レオン監督が立つ


空気が変わる


レオンは短く言った


「……無茶をしたな」


ヴィオが不敵に笑う


「これくらい

走らなきゃ退屈ですよ」


レオンが鼻で笑う


「わかってる」


一拍


「合格だ」


その一言だけで

場の空気が変わった


レオンの鋭い瞳が

ヴィオの胸の奥で燻る“黄金”を

まっすぐに見据える


さらに続く


「来年は――」


間


「ギンギラギンに輝け」


響きは軽口のようだった


だが

その色を見抜く王の視線が

ヴィオの芯へ深く刺さる


ヴィオは

一瞬だけ言葉を失う


それから

少し照れくさそうに

だけど確かな笑みを浮かべた


「……はい」


その返事だけ

少し掠れていた


その瞬間――


ピシッ


液晶へ

金色のノイズが走る


一瞬だけ


フレームの端で


金色だけが


まだ

揺れていた

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