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【現世】第7章3話 黄金と蒼 決意

礼拝堂を出たあとも

茉莉奈の胸の奥には

さっきの言葉が残っていた


〈そばにいます〉


その言葉が

胸の奥へ

静かに沈んでいく


蒼石が

トク……と脈を打った


だが

嫌ではなかった


まだ

名前はない


だが

進む方向だけは

もう見えている


――同じ頃


ヴィオは

リハビリ室の窓際に立っていた


夜の札幌


光の粒が

ガラス越しに滲む


右腕は重い


思うように

力も入らない


握った感覚すら

遠い


マウンドまでの距離が

果てしなく思えた


それでも


終わった感覚だけは

なかった


レオンの言葉が残る


〈壊れた奴は戻らない〉


――ドクン


胸の奥が鳴る


悔しい


それでいい


折れていない証拠だ


ヴィオは

ゆっくり拳を握る


まだ届く


まだ終われない


右腕の奥で

チリ……と何かが応えた


冬の風が

窓を揺らす


ヴィオは

静かに目を閉じる


〈復帰――二刀流〉


右腕の奥で

熱が

わずかに灯る


痛みは消えない


それでいい


失ったものじゃない


取り戻すものだ


まだ

終わらない


戻る


あの日の場所へ

もう一度


――ドクン


胸の奥で

黄金が

静かに脈打った

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