表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スイッチ 〜前人未到の夢の道導〜  作者: はまちゃん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
15/26

東海最強の右腕

球審が両校ベンチへ視線を向ける。


球審「礼!」


両チーム「お願いします!」


秋空に声が響く。


スタンドから大きな拍手が起こった。


先攻、鷹浜中。


後攻、いはき中。


中尾がヘルメットを被り、バットを肩に担ぐ。


中尾「勝」


嶋口「ん?」


中尾はニッと笑う。


中尾「今日は最初から暴れるぞ」


嶋口「頼んだ」


アナウンスが響く。


「一番、キャッチャー、中尾くん」


観客A「今日も一番なんだ。」


観客B「出塁したら止められないぞ。」


星谷がゆっくりとマウンドへ上がる。


グラブの中でボールを握り直す。


嶋口(これが中学最強右腕か……。)


中尾は打席へ入り、深く息を吐いた。


球審「プレイ!」


第一球。


シュッ!!


ズバン!!


審判「ストライク!」


スタンドがどよめく。


観客「速い!」


観客「キレもある!」


中尾はバットを戻し、小さく笑った。


中尾(なるほどな。)


二球目。


外角いっぱい。


シュッ!!


見送る。


審判「ボール!」


ワンボール、ワンストライク。


星谷は表情一つ変えない。


三球目。


高めのストレート。


中尾が振り抜く。


カンッ!!


打球は三遊間へ。


ショートが飛びつく。


しかし届かない。


レフト前ヒット。


ベンチが沸く。


八川「ナイス銀!」


沢田「先頭出た!」


中尾は一塁ベース上で拳を握る。


中尾「よし!」


その直後だった。


中尾は星谷へ視線を向ける。


星谷も中尾を見ていた。


中尾がニヤリと笑う。


中尾(走るぞ。)


リードを大きく取る。


星谷が牽制。


中尾は悠々と戻る。


観客「速いな……。」


四球目。


セットポジション。


中尾がスタートを切る。


シュッ!!


キャッチャーが二塁へ送球。


中尾は滑り込む。


審判「セーフ!」


盗塁成功。


鷹浜ベンチが一気に盛り上がる。


八川「よっしゃあ!」


伊能監督は腕を組んだまま、小さく頷く。


伊能(まずは先制点だ。)


アナウンス。


「二番、セカンド、波田くん」


波田はバントの構えを見せる。


いはき中の内野陣が一斉に前進した。


決勝戦最初の駆け引きが、静かに始まる。


アナウンス


「二番、セカンド、波田くん」


波田は初球からバントの構えを見せる。


中尾が二塁へ大きくリードを取る。


中尾(決めろ……!)


星谷は冷静だった。


セットポジションから、一瞬だけ間を置く。


シュッ!!


波田「……!」


コツン。


打球は絶妙――


かと思われたが、勢いが弱い。


ピッチャー前。


星谷が素早く前へ飛び出す。


実況

「しかしバントはピッチャー前……!」


星谷は迷わない。


捕球すると、そのまま三塁へ鋭く送球。


中尾はすでにスタートを切っていた。


タッチ。


審判「アウト!」


実況

「ゲッツーだ!!」


観客席がどよめく。


実況

「さすが東海地区最強右腕・星谷! 冷静な判断で送りバントをダブルプレーに変えました!」


中尾は立ち上がり、悔しそうにヘルメットを叩く。


中尾「くそっ……!」


波田「悪い、銀……!」


星谷は何も言わず、ボールを受け取る。


その表情は変わらない。


ツーアウト、ランナーなし。


アナウンス


「三番、ファースト、金丸くん」


金丸は積極的に初球を振る。


カキン!


高く上がった打球。


センターがゆっくり前進する。


パシッ。


審判「アウト!」


スリーアウト。


一回表終了。


鷹浜中は三者凡退に終わる。


ベンチへ戻る中尾が苦笑いを浮かべる。


中尾「一本取られたな……」


嶋口は静かに立ち上がる。


右手にグローブ。


左手にボール。


嶋口「今度は俺たちの番だ」


中尾はマスクを被り直し、ミットを軽く叩いた。


中尾「最強右腕がいるなら」


ニヤリと笑う。


中尾「こっちには、最強のスイッチピッチャーがいる」


スタンドの視線が、一斉にマウンドへ集まった。


一回裏。


アナウンス


「一番、センター、西岡くん」


スタンドが静まり返る。


嶋口がマウンドへ上がる。


右手にボール。


左手にはグローブ。


中尾がマスク越しに笑う。


中尾「予定通りだ」


嶋口「ああ」


中尾「最初は右でいく」


嶋口は小さく頷く。


嶋口「飛ばすぞ」


球審「プレイ!」


中尾がミットを外角低めに構える。


嶋口はゆっくり振りかぶった。


シュッ!!


ドンッ!!


審判「ストライク!」


モニターに表示される。


141km/h


スタンドがどよめく。


観客A「速っ!」


観客B「昨日より伸びてる!」


打者も思わず一歩下がる。


中尾(いい球だ)


二球目。


今度は内角。


シュッ!!


カキン!


打球はセカンドへのゴロ。


田中が落ち着いて捕球。


一塁へ送る。


審判「アウト!」


ワンアウト。


アナウンス


「二番、ショート、近藤くん」


中尾はサインを一つ出す。


嶋口が頷く。


シュッ!!


ズバン!!


審判「ストライク!」


二球目。


外角低め。


打者が食らいつく。


カスッ。


ボテボテの打球が三塁前へ転がる。


沢田が前へ出る。


素早く捕球。


一塁送球。


審判「アウト!」


ツーアウト。


ベンチが盛り上がる。


八川「テンポいいぞ!」


伊能監督は腕を組んだまま頷く。


伊能(悪くない)


アナウンス


「三番、ファースト、神谷くん」


いはき中の主砲が打席へ入る。


四番へつなぐためにも、絶対に出塁したい場面だ。


神谷はバットを肩に担ぎ、不敵に笑う。


神谷「中学最強って聞いたけど、本物か?」


嶋口は静かにボールを握り直す。


嶋口「試してみろ」


スタンドが息をのむ。


決勝戦最初のクリーンアップとの勝負が、幕を開けた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ