表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隣のOLが、俺の部屋で宅飲みしている  作者: 白い彗星
第五章 文化祭と、告白の答え

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
36/56

第36話 現役女子校生のミニスカメイド姿なんて興奮するよね



「なっ……!?」


 それは、誰の声だったのだろう。


 築野さんは、メイド喫茶の制服を着用していた。黒を基調とした生地に、白いエプロンやカチューシャ……ひらひらのスカートは、膝上ほどの長さ。

 白いニーハイソックスとスカートの間に見える絶対領域が、いかがわしい雰囲気を漂わせている。


 クラスメイトのメイド服姿って……店員さんよりも、刺激が強く感じる。

 しかも相手は、俺を好きと言ってくれた女の子だ。


「わー、浪ちゃんかわいい!」


「あ、ありがとうございます」


 姉ちゃんはメイド築野さんに目を輝かせ、身を乗り出し、ジロジロ見ていた。

 それどころかスマホを構えていた。


「あ、あの、写真は規定に従ってもらって……」


「はあ、はあ、お嬢ちゃんホントかわいいねぇ」


 変態おじさんみたいだ。


「どうして浪ちゃんがここに?」


 続けて詩乃さんが聞く。俺も気になっていた。

 すでに俺と同じくファミレスでバイトをしている彼女が、この店の制服を着ている理由を。


「実は友達が風邪で寝込んじゃって、その代役で」


「なるほどね。……でも、よくメイド喫茶を引き受けたね」


「同じ接客業だし、頼ってくれたんだから応えたいと思ったんだけど。

 ……まさかスカートがこんなひらひらだとは思わなかった」


 メイド喫茶って言ったって、要は喫茶店だ。

 ファミレスで接客をやっている築野さんなら、できると判断してのものだろう。


 それはそうと、スカートを気にする仕草が……直視できない。

 学校のスカートよりひらひらしてるもんな。


「ただ、チャンスかなとも思って。ほら、文化祭の経験に活かせるかもしれないでしょ」


 俺たちがここに来たのは、接客のなんたるかを探るため……

 その点で、築野さんと姉ちゃんの考えていることは同じだ。


「そっかぁ、話はわかったよ!

 ……そんじゃ、浪ちゃん、こ、れ」


 姉ちゃんは、テーブルの上の『萌え萌えオムライス』を指さす。


「お料理がおいしくなる魔法、かけてほしいなぁー? 素敵な接客見せてよ」


「ぁぐ……」


 出来立てとはいえ、話し込んでいては冷めてしまう。

 料理を持ってきたメイドさんが、魔法をかけてくれるようだ。代役なのに、大変だ。


 この姉、絶対からかってやがる。

 築野さんは顔を赤らめて、チラチラと俺を見ているし。


「っ……わ、わかりました。こ、これからこのオムライスに、魔法をかけます!」


 何度か深呼吸をしたあと、築野さんはにこっと笑っていた。顔は真っ赤だ。

 なんかもう、やけくそ気味って感じだ。


 それから、彼女の後に続いて俺たちも真似をするようことに。


「こほんっ。も、萌え萌えきゅーん!」


 手でハートを作り、魔法を放った。やり方は習ったのだろう、素晴らしい動きだ。


 これを真似するのか、正直恥ずかしい。だが、築野さんがあれだけ必死にやっているんだ。俺も続かなければ失礼だ。

 なので必死にやった。


「は、はい! これで、とってもおいしくなりましたよ!」


 彼女は涙目だった。よく頑張ったよ、ホントに。


「すっごくおいしそうだよ! あー、お腹すいた!」


「……あっちの猫耳さんは『にゃあ』、熊耳さんは『べあ』だけど、浪ちゃんにそういうのはないの?」


「あくまで代役なので。『来てくれてるだけで助かってるから』って店長は言ってくれて」


 だったら魔法もパスさせてあげればいいのに。接客である以上そうもいかないんだろうか。


 それから築野さんは別の客に呼ばれて行ってしまう。最後まで恥ずかしそうにしていた。

 それを見届け、食事を始める。


「うーん、やっぱり美味しい! 浪ちゃんの愛がこもってるね!」


「あーん。……うん、確かにおいしいね。でも、味自体は甲斐くんが作ってくれる方がおいしいかなー」


 ……詩乃さんったら、めちゃくちゃ嬉しいことを言ってくれるじゃないか。

 今度、とびっきりのオムライス作ってあげよう。


「はぁー、食った食った」


「楓ちゃん、お行儀が悪いよ」


 その後、食事を終えた姉ちゃんはお腹を叩き、水を飲んで喉を潤していた。

 こういうのって、萌え萌えオプションで値段が高いのだと思っていたけど……結構な量があったな。満足だ。


「姉ちゃん、この店いつから通ってんだよ」


「へへー、いいでしょ。ご飯はおいしいし、女の子かわいいし。あと、指名した子と写真を撮れるサービスもあるんだよ。あとで浪ちゃんと撮ってもーらお」


 めちゃくちゃ満喫してるなぁ。


 俺はただメイド喫茶を楽しみに来たわけじゃない。ウチのクラスで役立てるものがないか、学びに来たんだ。

 今のところ、築野さんが居たことで全部持っていかれているが。


「お、どうした甲斐。お目当てのメイドさんでも見つけたのかな」


 従業員の動きを見ていた俺に、姉ちゃんは驚くべき言葉をぶつける。

 メイドさん漁りをしていると思ったようだ、失礼な。


「みんなかわいいもんねー、でもネネちゃんは渡さないからね」


「取らねえし」


「あんたのタイプはどの子かなー?」


 弟をメイド喫茶に連れてきて、その好みを聞こうとするなんて……どんな姉だよ。


「甲斐的には、やっぱ浪ちゃんかな?」


「なにを……」


「や、わかる。現役女子校生のミニスカメイド姿なんて興奮するよね。しかもクラスメイト!」


 話聞けよ。

 姉ちゃんの与太話はさておき……従業員の中で築野さんが一番印象深に残っているのは確かだけど。


 クラスメイトだからって意味もなくはないが……実際に、かわいいし。

 ……あの告白以来、築野さんのことはこれまで以上に気になる存在になった。俺は詩乃さん一筋だと言うのに。


 その詩乃さんはと言うと……さっきから、黙ったままだ。視線を感じるから、見つめ返すと……そっぽを向かれる。

 なぜ……?


「あ、浪ちゃーん、写真撮ってー!」


 帰る前、姉ちゃんはネネちゃんさんや築野さんと、写真を撮っていた。

 俺は……遠慮しておいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ