表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『ドライヤーで風魔法が使える俺は最強です! ~現代家電が魔法道具になりました~』  作者: 新米オッさん兵士


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/3

第2話 リモコンと扇風機で、俺の魔法は広がった

前日の戦闘から一夜明け、俺はアパートの部屋で床に座り込んでいた。

テーブルの上には昨夜使ったドライヤー、ライター、水差し、保冷スプレー、小さな鉢植えが並んでいる。

そして新しく加わったのは……コンビニで買ったばかりの小型USB扇風機と、学習機能付きの万能リモコンだ。

「試すしかねえよな……」

ニュースはさらに深刻になっていた。

影の怪物(ネット民は勝手に「シャドウ」と呼んでいた)の出現数が急増。

自衛隊が出動しているらしいが、通常兵器が効きにくいらしい。

俺みたいな「家電で魔法が使える」奴が他にいるのかはわからない。少なくともネットにそんな情報は出ていない。

まずは小型扇風機から試した。

手のひらサイズの黒いUSB扇風機。充電はフルだ。

スイッチを入れる。

ブゥゥゥゥン……

普通なら弱い風が出るだけ。

でも俺が魔力を流すと――

ゴオオオオオオッ!!

部屋の中に小さな竜巻が発生した。

ドライヤーのような直線的な風じゃなく、回転する渦。

カーテンが激しく舞い、床の埃がきれいに吸い上げられる。

首振り機能をオンにすると、竜巻がゆっくり部屋を回り始めた。

「これ……扇風機本来の“風を広範囲に送る”が強化されてる!」

ドライヤーは「熱風で素早く乾かす」→高出力の突風。

扇風機は「快適な風を届ける」→持続的な旋風や竜巻制御。

相性抜群だ。

次に万能リモコン。

テレビ、エアコン、照明などに対応する学習型だ。

俺はエアコンリモコン部分を意識しながら、ボタンを押してみた。

「冷房……最大!」

ピッ。

部屋の温度が急激に下がった。

同時に、リモコンの先から白い冷気が噴き出し、床に霜が張る。

保冷スプレーより範囲が広い。

さらに「タイマー」ボタンを押すと、冷気が一定時間持続した。

「リモコンで……遠隔操作?」

試しに扇風機に向かってリモコンを構え、学習させたつもりで「電源オン」を押す。

すると、扇風機が勝手に動き出し、俺が手を触れなくても竜巻を発生させた。

「マジかよ……これ、操れる!」

興奮してリモコンを振り回す。

扇風機の竜巻が俺の意志で方向を変え、部屋の隅を掃除するように動く。

まるで魔法の杖みたいだ。

「これで戦闘が楽になる……かも」

その日の午後、俺は勇気を出して外に出た。

ポケットにはいつもの道具に加え、小型扇風機とリモコンを忍ばせている。

梅田の地下街近くの路地で、またシャドウが出現した。

今度は四体。少し大きめだ。

「来たな……」

最初は定番のドライヤーで風をぶつける。

ブオオオオッ!

一体を吹き飛ばす。

残り三体が同時に迫ってくる。

ここで新兵器投入。

左手で小型扇風機を構え、右手でリモコンを向ける。

「扇風機、フルパワー! リモコンで……追尾!」

ゴオオオオオオオッ!!

扇風機から太い旋風が噴き出し、リモコンの操作でその風が曲がりながら二体を絡め取った。

竜巻が怪物たちを回転させ、地面に叩きつける。

黒い粒子が飛び散る。

最後の一体は地面を這うタイプ。

俺は水差しを抜いて高圧水流を撃ち、動きを止めると、リモコンでエアコン冷房モードを連打。

「凍れ!」

冷気が水流に重なり、怪物全体が一瞬で氷の塊になった。

最後に鉢植えを地面に押しつけ、土の波で完全に埋葬。

戦闘終了。

息は上がっていない。

扇風機とリモコンのおかげで、動き回る必要が減った。

「これ……イケるな」

その夜、アパートに戻ってさらに試行錯誤した。

リモコンで複数の道具を同時に操作できないか?

扇風機の竜巻にドライヤーの熱風を混ぜて「熱風竜巻」にすると、炎属性の風魔法になった。

ライターの火球を扇風機の風で飛ばせば、誘導火球に。

「組み合わせ次第で無限に広がる……」

俺はスマホで家電の画像を検索しながらニヤニヤした。

明日、100均とホームセンターを回ろう。

電動のもの、充電式のもの、面白い機能付きのものを探す。

ニュースでは、政府が「未知の能力者」に協力を呼びかける動きが出始めていた。

俺はまだ名乗り出る気はない。

ただ、シャドウを倒しながら、少しずつ自分の「家電魔法」を磨いていくつもりだ。

だって、普通のフリーターだった俺が、

ドライヤーで風を、ライターで火を、

リモコンで家電を操り、小型扇風機で竜巻を起こすなんて……

面白すぎるだろ。

「次はどんな家電で何ができるんだろうな」

そう呟きながら、俺は新しいUSB扇風機の充電器をコンセントに挿した。

第2話 終わり

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ