表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目覚めたらピンク頭の屑ヒロインだった件~罰は醜怪騎士団長との婚約だそうです  作者: 灰銀猫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/73

痛メールには続きがあって、そして…

 それから数日後、帰宅したアイザック様に呼ばれた。いつもは玄関ホールまで迎えに出ているのだけど、この日はアイザック様の帰宅が早く、私はマナーの授業中だったのだ。


 何事だと思いながらアイザック様の私室に向かうと、ソファに腰かけるアイザック様に手招きされたので、その前まで行くと、抱きかかえられてその膝の上に座らされた。この位置はこの屋敷に住み始めてからの定番だ。

 最初は恥ずかしいし結婚までは…と抵抗していたが、ヤンデレ堕ちしたアイザック様を刺激しないためには、この位置が正解なのだ。世の中には理不尽に思っても、そうしなければならない事は多々あるのだ。


「セイナ、これは何だ?」


 そう言ってテーブルの上に広げられたのは、数通の手紙だった。どれも同じ封筒で、どこかで見たような気がしないでもない。何だと聞かれても知らんがな…と思ったが、ヤンデレ堕ちした人に正論は通じないだろう。取説もない以上、対処療法を続けるしかないのだ。


「何だと言われましても…目を通しても?」


 心当たりがない以上、中身を見ない事には始まらなそうだ。許可を求めると、無表情のまま頷いたのでその中の一通を手にした。何なんだ…と思いながらも中身に目を通したんだけど…


「ヒッ…!」


 最後まで読み切る前に、私はその手紙を放り投げた。中身は…いつぞや見た、あの妄想痛メールだったからだ。しかも以前よりヴァージョンアップして、便箋がびっしり文字で埋め尽くされている…もう呪いの手紙と言っていいだろう…


「な…」


 思わず気持ち悪くてアイザック様に抱き付いてしまったのだけど、そんな私を抱きしめてくれる手に我に返ってしまった。うん、固い身体は正に筋肉!じゃなくて…


(ひゃぁ、何やってるのよ、私―!)


 いや、これはその…反射というものだ、うん、そうだ。そこに抱きつける身体があったからで…って、誰に言い訳してんだ、私…


「セイナはこの手紙に心当たりは?」


 低~い声はヤンデレ大魔神ご降臨中のようだけど、ここで怯んではいけない。時折ヤンデレ大魔神になるアイザック様だけど、私だって学習能力はあるし、日本じゃパワハラ上司の元で経験値を積んできたのだ。多少はその操縦方法をここ得ている、筈…


「こ、これはこのお屋敷に来る少し前に、我が家に届いた物…の続き…だと思います」

「そうか。差出人に心当たりは?」

「正直に申しますと…全く。両親にも聞いてみましたが、そのリックとか言う人に心当たりはありません」


 うん、ここはきっぱりはっきりと否定するに限る、ヤンデレアイザック様相手に曖昧な表現は厳禁なのだ。


「強いて言うなら…」

「強いて言うなら?」

「その少し前に花束が届いていて…」

「…花束だと?」


 少し間をおいて一段階下がった声が室内に響いた。


(しまった!アイザック様の機嫌が…マ、マズい…な、何かフォローを…!)


「断っても贈ってくるので気持ち悪くて、クローディア様に相談したんです」


 焦った私は、クローディアに相談した事を告白した。うん、クローディアはアイザック様の親戚だし、同性だからね。


「ほぉ、クローディアか」

「え、ええ。クローディア様は高位貴族で才色兼備な方ですから、こういう処法もご存じかと思って…」

「まぁ、確かにな」

「それでお茶会の時に相談したら…マクニール侯爵家の騎士様をお貸しくださって、それで止まりましたの」


 うん、ここまでの回答は問題ない筈。女同士で相談したの、そうなの。女子同士だからね、男性の介入は皆無だから問題ないよね?


「…そうか…」


 あれ?アイザック様の声のトーンが益々下がった気がするけど…この話のどこに不機嫌要素が…?


「…どうして、婚約者である私に相談してくれなかったのだ?」


(ええええぇ?そっちぃ――?!!)


 ううう…まさかそこで引っかかってしまったとは…迂闊だったわ…

 でも…そう言えばクローディアに、こういう時はアイザック様に相談するもんだって言われたわね。あの時は…婚約解消するつもりだったから、お手を煩わせたくなかったからクローディアを頼ったのだけど…


「悲しいな、セイナ。婚約者の私を頼ってくれないとは」

「そ、そんな訳では…」

「そんなつれない悪い子には、お仕置きが必要かな?」

「…お、おしぃおき、でしゅか…?」


(ひゃ―!噛んでる場合じゃない、私―!じゃなくて…!)


 しまった、知らない間にヤンデレ化ボタンを押してしまったらしい…!こ、これは絶体絶命のピンチ?アイザック様はその精悍なお顔に笑みを浮かべたけれど…どう見ても爽やか成分皆無なんですけど…!こ、これは…もしかして…


「まぁ、今回は見逃そう。だけど、今度からは私に言うのだよ?」


 そう言われてしまえば、逆らえる筈もない。私が今日はご勘弁をとの思いを込めてこくこくと頷くと、アイザック様はそれで許してくれた。


(危なかった…)


 これからはより慎重に対処する必要がある事を痛感した私だった。セラフィーナにこの身体を清らかなまま返すのは私が絶対に死守しなきゃいけない一線だ。


(…って、あれ?私の身体、大丈夫、だよね…)


 一難去ってまた一難か?私は…また新しい問題に気づいてしまった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ