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ワラベノエンド  作者: 倉 奈ノ佳
一章 〜自己犠牲の話〜
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#6 自尊心のない者

「集まりましたね。早速ですが、今から話し合いの時間です。全員票数が同じだと全員が処刑されますので、票を固めて下さい。では、スタート!」


 始まった。この中からまた一人処刑される。


「それじゃあ、テーマに合う…というより、自己犠牲の精神を持つと思う人を一人、思いつく人は言ってねー」


暫くは皆黙り込んでいた。まぁ、さっき一緒に仕掛けを解いた奴らは何か言いたそうだったけれど。グレーテルのあれはどう判断すりゃいいんだ?…俺もだけど、もじもじして誰も話さないのはもどかしいな。


「…判断に迷うなら、相手の名を挙げればいいだろ。迷ってる奴は話せよ。」


あ、若干感情的になったかもな。でも、これを受けての発言があった。


「グレーテル・マルテよ。」


意外にも、発言したのはアンだ。


「え、グレーテル?何で?」


そうだ、俺やアン、チャーリーさんやマルテ兄妹以外はあの事知らないんだ。


「…そうだね、俺もそう思う。」


「僕も…ちょっと複雑な気持ちだよ。」


やっぱり、あの場にいた面子は気になっていたんだ。でもヘンゼルからすると複雑だよな…。妹が褒められたのは嬉しいだろうけど、この場合は命の危機にあるんだしな。


「私達、さっきまでゲーム部屋とかで仕掛けを解いていたの。あそこのダーツは磁石で付く仕組みなんだけど、上手く投げても外れるようになっていたのよ。的とスイッチが繋がっていたから、電磁誘導を利用しているんじゃないかって結論に至ったのよ。」


「電磁誘導って何ですか?」


「磁石は違う極同士は引きつけ合うけど、同じ極同士は遠ざかるよね?それを電気を流す事で利用することをいうんだ。」


ここには小学生もいる。ジャックや一茶、スーザンは習っていないんだ。


「ただ、そのスイッチから漏電していてね…チャーリーがスイッチを押した直後、グレーテルがオレを庇ったんだ。二人とも感電はしなかったけど、グレーテルはちょっと怪我してしまってね。」


「そんな、大したものじゃないですわよ。それに、私の他にもいるかもしれないでしょう?」


「あぁ…桃太君よね?」


え、俺⁉グレーテルの怪我の件は?…なんか、皆の目線が俺に向いてるんだけど…。


「確かに、桃太はずっと動いていたよね。」


「まて、なんで俺なんだ?俺だけが動いていた訳じゃねぇよな?」


「自分で試行錯誤するのはいいけど、自分に何かあった時の事も考えなきゃだよ。」


チャーリーさん、ブーメラン…。


「というか、脱線してないか?“自己犠牲”ってテーマに俺が合ってるって証拠はあるのか?」


「脱線はしてないわ。それとね桃太君、わちきとジャック君が能力を使って作ったビーンズサラダを躊躇なく食べたでしょう?」


あ、そういえば。


「同じ状況とはいえ、出会ったばかりの相手に食えって言われた料理、少しは警戒するものよ?わちきが皿に毒を盛った可能性もあるし、ジャック君が作った食材が有毒のものかもしれないのよ?」


あ…あの時俺は何の警戒もせずに食べたんだった…。でも、体に異常は…あれ、急に腹痛になった。それに体が熱い。気にしすぎ、だろうか?


「大丈夫、桃太?」


「あぁ、大丈夫。…何だ、これ…。」


「本当に警戒しなかったのね。実は皿に少し毒を盛ったのよ。」


何だと⁉…吐気もしてきた。毒性の強さとか量にもよるけど…


「お、おとぎ姉ちゃん、それ本当?」


「えぇ、でも大丈夫。致死量じゃないし、毒性も弱いわ。」


くそっ、何で俺は警戒していなかったんだ…?


「これはテーマとはずれていますわ。」


グレーテル!今そっちも死にそうだろ?


「誰かを守る為に食べた、とかじゃありませんわよね?なら、桃太さんは自尊心がないのではなくて、警戒心が薄かっただけですわ。」


「…そうね、悪かったわ。」


「冗談じゃないよな…?」


「すみません、ちょっと入りますね。勝手にプレイヤーを減らされては困ります。罰として、今回おとぎさんは投票権なしです。」


「はーい…。」


おとぎさん、ヤバい人なのかもな。…あれ、解毒薬くれないのかよ⁉


「それじゃあ話をグレーテルの方に戻して…その、庇った時の怪我、見せてもらえないかしら?」


「…良いですわ。ほら、これですわ。」


グレーテルは、綺麗な腕にある擦り傷を見せた。


「あら、痛そう…」


「平気ですわ。これが、その証拠。弁解はしませんことよ。」


「ほ、本当にいいんですか?」


「えぇ。」


グレーテルはもう覚悟を決めているようだ。


「はい、そろそろ時間です。話し合いを切り上げて下さい。」


あとは俺達の意志で決まるのか…。

甘蜜です。話し合いですね。人数という恐怖ー…

なんか…人数が多い方が有利なのってなんかアレですよね、少数派の意見無視されがちみたいな。


筆者の語彙力が不足した為、ここらで締めます。

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