#3 最初の犠牲者
位置が近かったので、神久夜さんやおとぎさんとも一緒に向かった。
「広間って、最初にいた所…よね?」
「あぁ、確か一階だな。」
『集合時間まであと二分です。早くして下さーい』
「いけない、急ぐわよ!」
俺ら四人は、駆け足で向かった。
息を切らして到着した。本当にギリギリの時間だ。
「もー、遅いよー!」
「あはは、ごめん…」
「揃いましたね。改めて自己紹介します。あたしがワラベ、ゲームマスターです。」
他の七人の参加者と共に待っていた、アニメで見るような魔女っ子が話す。あの時の映像通りの、紺のとんがり帽子にケープ。橙色の瞳に山吹色のショートヘアの癖っ毛。ケープの中にノースリーブの桃のワンピース。明るそうな感じだけど、どうなのだろう。
「ふぅ…今回は、皆さんに与えられているあるモノについて、また、ゲームで行って頂く投票について説明します。」
なんだ、投票って…
「まず、あるモノについてです。お気づきの方もいると思いますが、全員一つずつ能力が与えられています。童話から想像出来る方が殆どですよ。」
ぜ、全員…⁉スーザンや一茶のは見たけど、俺にもあったのか…。
「驚いているようですね。まぁ、気づいても言わない方もいるでしょうし。今後に役立つかと思って与えました。」
「へぇ…んで、二つ目ってのは?」
「はい…えっと、何度かある投票で一人を選んで頂きます。…投票の前に話し合いの時間があるので、よく考えて投票して下さいね。」
何だ、心配そうに話すな…。
「それでは、今から一度試しに投票してみて下さい。」
え、急に?えーと…とりあえず、自分に入れてみるか…
皆も、投票が済んだようだ。
「それでは、結果を発表する前に、ゲームについての細かな説明をします。まずこれは…人の言う『デスゲーム』にあたります。童話が関係していますが、今回も残念ながら犠牲者が出てしまいました。」
デスゲーム…人が次々に死んでいくという、俗にいうあれ…。
「そ、それで…結果は…?」
「結果、ですね…こちらをご覧下さい。」
そう言ってワラベに見せられたのは、得票数が書かれた表。俺は…一票。自分で入れた分だけだ。つまり、俺は脱落者ではない。アンも含め殆どの面子が一票。ただ、スーザンとモーテンさんは例外だった。スーザンは零票。つまり、犠牲者は…
「今回の犠牲者は…モーテン・ルーカスさんです。」
「…はは、そうなんだ…」
犠牲者はモーテンさんだ。二票入っている。そんな、チャーリーさんと呑みたいとかって言ってたのに…。凄く良い人だし、死なれたくない。…他も良い人達だけど。
「それでは、処刑部屋へ案内します。」
「モーテンさん、待って下さいよ!私、私…」
「君なら大丈夫だよ。転生なんて事があるなら、きっと会えるさ。」
「……。」
処刑部屋の様子はこちらからも見れた。焼却炉に繋がるベルトコンベアーがあり、モーテンさんはそれに乗って流されて…焼け死んだ。
「そんな、モーテンさん…嫌ですよ、こんなの…。」
スーザンが泣いている。だけど、現実は冷酷だった。
「こんな事言っちゃ駄目でしょうけど、仕方のない事なのです。彼は優しさのあまり、自らを犠牲にした…そういう事なのです。…すみませんが、部屋から一度出て頂けますか」
み、自らを犠牲に?どういう事だ…?
「あ、あの…。実はさっき、交渉してたんです。互いに投票しようって。そうすれば怖くないって言われて。でも…モーテンさん、自分に投票してたんですね。私のせいで…そこまでして生きたいとは思いません…。」
「そんな事言うなよ。」
俺ははっきりと言った。これが愛と言うのだろうか。俺はまだよく分からない。だけど…。
「自分を犠牲にしてでも、君に生きてほしかった。そのくらい、彼にとって特別な存在だったんじゃないか?」
続けてアンも言う。
「そうね、自分を責める必要はないわ。彼を大切に思うなら、その気持ちも受け取って生きなきゃ。」
「…分かりました、モーテンさんの分まで生きます。」
スーザンを今まで守っていたのはモーテンさん。彼がいなくなった今、俺達が守ってあげなきゃ。
「ところで、今回はほぼ全員同じ得票数だったけど…一番多い人が複数いたらどうするの?全員得票数が同じの場合は…?」
「まず一位が複数の場合ですが、一位の人数が複数の場合は決戦投票となりますが、全員得票数が同じ場合は話は別です。全員処刑となります。」
嘘だろ…つまり犠牲者は絶対に出るって事だろ?誰かを犠牲にしないと進めない、まさにデスゲーム…。出来れば皆で生き残りたい。そう思う。
甘蜜です。久々の投稿です。
こちらの方はストーリーが中々決まらなかったりとで、やっと3話です…。今4話を執筆中です。メインの方はコラボ予定ありますけどね。メインのは今切りがいいので少しストップさせて、こっちを進めるつもりです。
次回からメインゲームに入ります!




