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ワラベノエンド  作者: 倉 奈ノ佳
一章 〜自己犠牲の話〜
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#2 異空間での探索

 とりあえずで部屋に入ったのは良いものの…これから暫くここで過ごす訳だ、館内図は把握しなければ。


「桃太ー、良かったら一緒に廻らない?」


「アンじゃん、別にいいけど。俺も廻ろうと思ってたところ。」




 中は広く、娯楽施設もあった。帰らせる気はないのだろう。まず最初に来たのは酒場。


「酒場って、入る人いないよな…?」


「いや、そうでもないみたいよ?」


「そうそう。あ、二人共来たんだねぇ。これ、ちょっと見てみ?」


参加者の年齢が書かれたリストがあった。見ると、モーテンさん、チャーリーさん、神久夜さんは成人だと分かった。この三人おとぎさんは年上なので、せめてさん付けはした方が良い気がする。


「歳もはっきり載せるなんて、プライバシー考えてほしいわね!」


「まぁまぁ…二人共中学生なんだから、間違ってもお酒は呑まないようにねー」


ついでにメニュー表も見てみると、ソフトドリンクもある。来る事は…ないかもな。




 図書室には、やはり本が沢山あった。勿論、童話も置かれている。ここは、調べ物とかで使いそう。


「モーテンさん、スーザン!こんにちは。」


「ひっ…こ、こんにちは…」


「あぁ、ごめん。彼女、ビビリなんだ。」


「モーテンさん…私、ビビリじゃありません…!」


「なんか…この光景見てると、ロリコンがコスプレして戯れてるように見えるわ…」


「ロリコンでもコスプレイヤーでもないですよ!私にとって、命の恩人なんですから!」


「いや、コスプレイヤーってのは合ってるかな…」


あ、そうなんだ…。でも恩人って、何があったんだろう?


 モーテンさんとスーザンが、仲良く本を読んでいる。多分、モーテンさんが教えてるんだろうな。


「そういえば、此処には酒場もあるらしいけど…二人は調べた?」

「えぇ。貴方は成人してるみたいね。」


「あぁ。今度、チャーリーとも呑みたいなぁ。」


あれ、チャーリーさんも成人とは言ってないけど…。


「あ、あの…私も行けますか?」


「うん。ソフトドリンクもあったからな。」


「良かった…その、行く事もあるんじゃないかと…それに、此処に来てからとある力を手に入れたんです。…これ」


わ、小さいけれど火が起きてる!…あれ、此処に来てからって言ってたよな?


「多分、私の能力だと思います。イグニションという能力です。ちょっとしたパフォーマンス…楽しんで貰えるかなと…」


凄いよ!便利そうだし。




 次に来たのは何故か台所。


「ええと…何で次が此処?」


「甘い匂いがしたからよ。ほら、誰かいるわ」


見ると、マルテ兄妹がお菓子を作っていた。


「あ、こんにちは。やっぱり、匂いに釣られたのかな?」


「あぁ…ところで作ってるのは?」


「これ?桃のタルトですわ。折角だから振る舞いますわ。…桃太さんのベストにアップリケが付いていますけど…お好きなのでしょう?」


うわぁ、美味しそう!俺は桃が大好きだ。桃のタルト…食べたいなぁ。


「料理は私が担当しますわ。」


「ありがとう。楽しみにしてるよ。」




 ゴミ捨て場に来た。予想通りの臭さである。マンホールみたいな物もある。


「この穴、いつ使うのかしら?」


「さぁ…ただ、此処何でも捨てられるみたいだな」


「便利そうねぇ…でも、今はあまり調べる事も無さそうよ。」




 此処は色々な所がある。コンビニもあったのだ。


「でも、なんでコンビニまであんだろ…。」


「部屋で夜食食べたい人も居るんじゃない?それに、料理の為の食料とか日常用品とかいるし。」


「わぁ、沢山あります!…一茶兄ちゃん、ぼくお菓子食べたいです!」


「奢らないよ⁉体に悪いし。というか叫ばないの。他に居たら迷わ…あ、こんにちは。煩くてごめんなさい。」


一茶とジャックだ。ジャックの方が三歳下だけど、一茶の方が小さい。というか、一茶の声が小さく、姿が見えない…と思ったら、三センチくらいになってジャックの肩に乗っている。


「一茶、何でそんな小さく…」


「言ったじゃん、僕『一寸法師』担当って…あと能力使ってみたんだ。」


ん、こいつも能力を…?


「此処閉まってたんだけど、ジャックがお腹すいたって煩くて…小さくなって入ってみたんだ。開けた後入ってからこんななんだ。」


へぇ…小さくなった後一度戻ったんなら、大きさを変える能力なのかな?


「仕方ないなー…お菓子下さーい」


「あ、一茶さん。本当はまだ開けていなかったのですが…いいです、今回はタダで良いですよ。」


「わーい!ありがとうございます!!」


まだゲームとやらが始まってないからかもだけど…ワラベも根は凄く優しいんだろうな。


「あ、二人は色々廻ってた感じですか?」


「まぁ、そうね。酒場、図書室、台所、ゴミ捨て場…あと此処ね。」


「あー、まだ全部じゃない…あたしも暇なので、ちょっと案内させてください!」




 ワラベに連れられ来たのはゲーム部屋。ゲーセンにある機械だけでなく、パソコンやビリヤード台、ダーツもある。来ていたのは想像通りの人で。


「なーんか騒がしいと思ったら…」


「神久夜さん、おとぎさん。何やってるの?」


「あら、桃太君にアンちゃんじゃない。これはねぇ、つい最近出たばっかのパソコンゲームよ。」


「ゲームなら持って来たのでもあるんだけど、最新のがプレイ出来ない事はないのね。退屈しなくて済むわあ…」


流石引きこもり…情報収集は早いんだよなぁ。


「ほら、私こう見えても成人だもの。おとぎもギリギリ十代、って所だし。ビリヤードとかダーツも良いんじゃない?」


ビリヤードはやった事があるけど、ダーツの経験は無い。


「あ、ダーツ?いいわよ。先やってみて。」


ダーツを持って、的に向かって投げてみる。的には…当たらなかった。初めてだから仕方ない。


「あはは…ごめん。あ…そういえば、最初に俺に話しかけたけど、なんで同じ学校って分かったんだ?俺、帰宅部だけど。」


「あぁ…ほら、体育祭とかで活躍してたじゃない。それに、成績良いから有名だし。私も帰宅部だから、本当凄いなーって。」


自分はそう見られていたのか…確かに、模試の順位とかはいつも学年上位だ。体育祭でも、毎年リレーの選手になっていた。でも、クラスも違う女子に覚えられていたとは。


「…俺も投げたし、そろそろ投げたら?」


「あはは、そうね。私ダーツは月イチだけど家でやってるの。もしかしたら中央刺さるかも」


アンは自信ありげに投げた。…でも、刺さらなかった。しかし、俺は見ていたんだ。刺さりそうだったのに、何かが働いて避けたのを。


「うーん、難しいわね…」


「いや、なんか変だった気が…」


  ピーンポーンパーンポーン


『ゲーム説明を行います。広間に集まって下さい。』


「…調べるのは後にしよう。」


広間って、最初にいた彼処だった気がする…。とりあえず、向かってみよう。

甘蜜です。最近遊び足りない気がします。

今回は探索回でした。こっちもなんか特殊能力出てきますね(遠い目)。

次回、進展あります。

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