第6話_事件が終わった後は、晴れ
夜が明けて、アンダースフィアに流している小鳥のさえずり環境音を聞いて、サクラは目が覚めた。隣には、萌枝とスノウ。見渡す限り記憶にない場所だが、見て集めた情報から理解した。ここは地下93階、花君ストックが仕事で寝泊まる『満開殿』だということに。
同時に両脇の萌枝とスノウも寝返りをうち、ほどなくして目を覚ます。開口一番発したのは「ここどこ?」「今何時?」というもっともな問い。それに対して答えたのはサクラではなく、部屋に入ってきた花君ストック様だった。
「お早う、可愛いお嬢さん達。もうコンベンションも終わって翌日、昨日リハーサルの段階で闘いの疲れから寝入っていたあなた達を黒衣衆に命じて私の部屋まで運ばせました。こんな可愛い女の子達、見守るのは花君の使命ですからねっ!」
そう両拳に力を入れて力説する花君ストックの姿は、昨日目撃した自然学派のエレーヌ学部長に甘えるのとはまた違った一面で、一族一員のサクラをして新鮮な光景だった。
そんな魅入っているサクラ達をよそに、ストックは「ハリーアップ!」とサクラ達をなぜかせかした。一体どうしたのですかと訊いてみると、とんでもない答えが返ってきた。
「昨日のリバムークを最高価格で落札されたミス・ブラックナチュラル、実は神様らしくてね。暗号文をといたミコちゃん達と受け渡しがてら深夜一戦交えたみたいなの」
「はあああああ!」サクラ、萌枝、スノウが三者一斉に叫びをあげる。自分達が寝てた深夜にもう一戦? 大人はどんだけ元気なのだ?
「ミコちゃん、解いた暗号文の答は私達には教えてくれなかったけど、防護境界が張られている場所があるから、位置はメビウス・ラウンズ、及びコスモタワーと断定できました。今からそこに向かうんだけど、ついてくる?」
「もちろんですとも!」元気よく返事した三人は脱がされなかったため皺だらけとなった自分達の服を必死に払い伸ばして整えつつ、三人の少女は同行を我が提案のように受け入れる。そんな準備に急ぐ中、疑問がチラリ。
「あの〜花君様。委員たちは一体どうなっているのですか?」
単刀直入、訊いてみた。するとストックは途端に遠い目をして、既に亡き者の忘却の影でも見るかのような目で、小声で語った。
「コスモス、スイートピー、カトレアの三人はミコちゃんに同行したまま帰ってきてません。心配でしょう? で、キク、カーネーション、ヒマワリ、アジサイ、タンポポ、アサガオ、キキョウ、ヘレニウムはまじないをかけた罰で、ツバキは悪質小細工351号に関わった罰で今ローズから絶賛お仕置き中。見る?」
「遠慮します。行きましょう」
ストックの最後の詞、「見る?」を阿吽の呼吸で拒否したサクラ。一度だけ見学と言う名目でローズ御自慢の説教部屋を見たことがあるが、まあヒドい。内装が至って普通なのにいざ説教調教となるとトランスフォームするところなんて裏の顔を隠しているようで非常に背筋が凍ったものだ。触らぬ薔薇には近付くな――花一族の金言である。
とにかく事情は理解した。委員達は二方向に動きたくとも動けない状況に置かれていることが。ならば花君様直々のご氏名を受けたサクラ、萌枝、スノウの三人が、『臨時編成の近衛隊』見たいな気分でストックに付き従う。顔を洗い、髪を整え、とりあえずやることだけやった準備半端な三人はエレベータの中で栄養ドリンクをがぶ飲みし、準備万端となった後、1階に着いたらまずきちんとそれをビンBOXに入れて、ストックの手配した花君専用車に乗り込む。
四人全員が乗り込んだことを確認したストックが運転手にGOサインを出すと、車は穏やかな加速から始まって、すぐに車らしいスピード範囲に辿り着き、早朝ということもあってか信号の類で全く減速することもなく、車はゾーン12に無事着いた……のだが、窓から前もって見ていたサクラ達は、開いた口が塞がらなかった。
露骨に色付きで張られ、外界と内界を区切っている防護境界がメビウス・ラウンズとコスモタワーを不可視にして、巨大なヘミスフィアとしてそこにあった。
「着いたわ。降りるわよ」
こんな異常事態にもさほど動じない花君ストックに促され、近衛隊たるサクラ達は先んじて専用車から飛び出し、優雅にゆったりと足を外に出すストックを警護した。車を待たせ、先に進む四人。そんな四人が最初に発見したものは――。
“花一族の方ならキープレートを差し込めばこの防護境界を消せます。後はお好きに”
と言う、簡単すぎる攻略法が書かれた立て看板だった。キープレートは花一族の必需品。花一族の一員ならもとより、萌枝などのゲストだって持っている。それでもいいというのか――?
とかなんとかサクラ達は考えペチャクチャ議論していたのだが、花君様は知らんぷり。そそくさと立て看板を通り過ぎて、自分のキープレートを防護境界の膜に差し込む。
するとものの見事に防護境界は決壊し、中の様子が露になった。
そう……なにも建っていない綺麗で広く澄んだ空とどんな爆発が起こればこうなるのかという考証意欲も減衰させる外側に急角度で倒れ傾いた灰色で染まった木々達だった。
「なんです……これ。こんな破壊行為を伴うのが、本当に闘いなんですか?」
震える萌枝の疑問の詞にストックは、「ええ。昨日萌枝ちゃんも見たでしょう? この惑星全土を覆った地震と津波を。あれは惑星全球に展開していた分、一地方ガデニアではまだ何十分かのちょっとでしかなかったし、デイリークラス・プラネットスケールの猛者三人が捌いたからそんな恐怖は感じなかったでしょうけど、この深夜の闘いはそうはいかないものだったでしょう。受け渡しの相手――暗号文で指定した場所に待ち構える敵は私達に問題を出し、ミコちゃんに解かれ、そしてミコちゃんを求めていた“神様達”だったのだから……」
「か、か、神様達が、ここでレインさん達と一戦交えたって仰るんですかぁ?」
スノウが信じられないという風に昨日の確認をストックに取る。サクラも萌枝も気持ちは同じだ。誰が一番に訊くかなんてこの三人の間では些細な問題。それよりもここに神様が降臨し、ミコと一戦交えたという事実の方が、よっぽど衝撃的だった。
じっと詞を投げかけた花君様の方を見つめ、答えを待つサクラ達。そんなサクラ達にストックは、前にある謎の断崖まで歩を進めると、「おいで。そして見てごらん。これがその答えだよ」と振り向き、永遠の優しさを称えた笑顔で告げた。
サクラ達三人が着いて行き、その絶壁に足を揃えると――見えた。
真下に開いた直径も深さも桁違いの大穴。そしてその中に無造作に放り込まれた穴を埋め尽くすには全然たりない量の瓦礫。そしてそのてっぺんで寝そべっている六人の人影。
「あ、あれ……」「誰かわかる?」「任せて。気象一族のスノウは目がいいのだ」
人影を確認したサクラから萌枝の指揮へと繋がれ、充分な目を持つスノウが実際の行動に移す。じっと人影を凝視していたスノウ、なにをとち狂ったか、突然口を手で抑えて必死に笑いをこらえだしたではないか。いったいどうした?
「直に見たほうが早い。そうでしょう、花君様」
「そうねスノウちゃん。行きましょうか。サクラ、萌枝ちゃんに枝骸装甲を」
「かしこまりました。ほら、萌枝ちゃん」「うん。大分慣れてきたよ……って冷たっ!」「へっへ〜。わたしの冷気も付加してみたよぅ。友達だもんねぇ」
「あら、いい感じね三人とも。それじゃ、降りるわよ」
ストックの詞を合図に、大穴の中、瓦礫の海の硬い海面に降り立ったストック、サクラ、萌枝、スノウ。そして近付く。いびきかいてる六体の人影へと。
近付いて。
立ち止まって。
覗き込んで。
爆笑した。
だって、寝ている六人――ウィンド、カーレント、エレーヌ、カトレア、スイートピー、コスモスの顔に、黒く太い文字で一文字ずつこう書かれていたのだ。
「神」「様」「、」「降」「臨」「!」→『神様、降臨!』と!
美形も台無し。顔をアート、いわゆるおもちゃにされた六人の顔は見ていて非常に滑稽だった。ミコがいないという大事すぎるはずのことが、気にならなくなるくらい。
とはいえいつまでも笑っていても身体に悪い。ストックは手でサインを切り、花一族の術を発動させる。下級極意の基礎技『樹木急生』で瓦礫の山から木を六本生やし、寝ている六人を持ち上げる。次いでそれを木ごと空中に持ち上げ、それぞれ防護球体で囲う。六つの防護球体の中で寝るアホ達と充満する花粉――そして発動する花君ストック一番の得意技、『粉塵爆発』!
「ごふっ!」「あちち!」「目つぶし? 目覚まし?」「ぱぱぱぱたぱた!」「焼ける焼ける焼ける!」「う〜ん、よく寝た〜」
花君ストックの御業の前に六人は六者異なる反応を見せ、解除された防護球体から瓦礫の海面へと戻ってきた。途中で落ちていることに気付いたらしく、着地は全員ビシッと決めた。決めたのだが……やっぱり顔に書かれた文字は消えていなかった。
あははと笑う少女達に、なにがおかしいのよと詰め寄る大人げない実力者達。そこにストックが拍手して気を引くと、六人に「円陣組んでお互いの顔を見てごらんなさい。あいにく私は今写像鏡を六枚も持っていないから」と助言する。それを聞いたウィンド達。並べられていた順に着地していたのでウィンドとコスモスが繋がるように円陣を組んでお互いの顔を見る――見て、絶叫した。
曰く、わたしの美貌が台無しだとか。こんないたずらしやがってとか。やられた恨みを仕返しされたとか。いくら擦ってもとれないよ〜など、やはり彼女達自身にとっても想定外の仕打ちだったようで、各々が顔を掴み押しつぶし、悲鳴を上げる。
そんな中、ひとりだけ全く意外な詞を喋った者がいた。
「あれ〜? わたしは顔マスクの保護の上に書かれてるー。神様ったら親切ね〜」
そうぬかしたのは永遠の少女(もとい幼女)を名乗るアラサーシングルのひとりコスモス。見るとほんとに、パカッと顔のマスクが取れ、いつもの可愛い綺麗な幼女顔が露になった。
「なんでお前だけ!」同じ花一族でありながら同様の気遣いを受けていないカトレアとスイートピーが食って掛かるが、その前にストックがあの気配で以て小さくくだらない諍いを沈静化させた。さすが花君様の貫禄――臨時近衛隊の三人は花一族筆頭の実力をまさに肌で感じていた。
「何があったか――闘いがあり、ミコちゃんと神様には逃げられた――という所でしょうが、それでも証言は貴重な情報源です。話してもらえますか? 昨日メビウス・ラウンズで怒ったことを1から9まで。包み隠さず」
「はーい」しゅんとなり、妙にしおらしくなったウィンドが返事をし、六人はそれぞれの闘いを語り出した。
メビウス・ラウンズに来るなり襲撃され、誘導され、追い込まれた始まり。
最初の出迎えを焼却した後、会いに現れた神様達のまあ個性溢れる神様論理。
切って落とされた戦いの火蓋。同時に姿をくらましたミコを追って分散する面子。
別れた戦線でそれぞれ各個援護もありつつも神様達を撃破していく自分達。
その極めつけともいえるコスモス終焉の一撃、『音速添符・速疾七星』による決着。
そしてできた大穴。二時被害を覚悟した時に現れた、『闘わなかった神様達』。
その中でも一際眩しい神様。魚=ブラックナチュラルへのリバムークの受け渡し。
そしてミコの合図で気絶させられた自分達。非難をよそに一人旅を標榜したミコ。
以上。六人はそれぞれのこと、合流してのこと、そしてみんなして神様とミコにやられたことを報告する。その話を飽くことなく、我が身で体験したかのように熱心に聞き入るサクラ達。その心に灯ったのは憧れ、羨望、そして向上心。
ミコが神様との闘いを終え、神様魚に対して昼間の闘いでは力を持て余していたからというセリフ、かっこよすぎる。自分達を英傑に重ねるわけでは決してないけど、それくらいの高みを目指したいと、勝手に目標にさせてもらう。子供は時に純真で時に勝手なものだから。現実の情報を空像に仕立てるのは、子供の得意技なのだ。
そんな子供達臨時近衛隊を微笑ましく置いていたストックは、「まあ、壊された後は好きにさせてもらいますか。お店の人にも花君の詞として納得してもらいましょう」
個人的な考えで昨日まであったショッピングモールを無いものとして扱うストック。権力者の凄まじさをサクラ達とウィンド達「闘いし者達」が聞いていたとき。
「それなら私にお任せ下さい花君様。都市計画は私めの得意分野でございます」
ヘレニウムのバリトンボイスが背後から響き渡る。全く気配を感じなかった。ギョッとしてみんながその方向を振り向くと、ヘレニウムだけじゃない、ツバキ、キク、ヒマワリ、アジサイ、タンポポ、カーネーション、キキョウの委員達。さらに加えてビンカ、サザンカ、ホウセンカのデルタフラワーズに、シクラメン、アキレギア、スオウバナの三人。さらにクエイクとウェイブの二人も。みんなが今まさに空間跳躍術でここに現れていたのだ。
驚くサクラ達の中にあってさすがの度量を見せるのは筆頭ストック。「ローズのお仕置きは終わったの?」と冷静に質問する。
それに対し連中は、「今逃げて来た! だってあいつのいたぶる時の笑い声聞いてられないんだもん!」と全員唱和で叫んだのだった。
納得しつつも戸惑うサクラ達とウィンド達。そこに今現れた連中はなぜか「くっくっく」とバカにしたように笑う。その視線に気付いたのはサクラ達三人ではなくウィンド達六人だった。彼女達はその笑い声が自分達に宛てられたものだと即座に理解したようなのだ。
「何なのよ。何がおかしいの?」
ウィンドの問いに、カーネーションが答える。
「お前まず自分の顔を鏡で見てみろよ。他の五人の落書きは見ても自分の顔は見れてないんだろうウィンド。神の字が顔面全部に塗りたくられている様は中々無様なもんで」
あからさまな喧嘩の吹っかけだった。感情を揺さぶる挑発。ウィンド達六人から殺気がおおいに湧いて出る。カーネーションに続いて、ヒマワリが喋り出した。
「実はストック様が起こしてからの会話をね、委員通信で盗み聞きしてたのよ。そしたら何? 神様には勝ったけど大事なトコでミコに裏切られてこっぴどく仕返しされたらしいじゃない。でもさ、その記憶って正しいの? 私には作り話みたいに都合よく出来すぎているきがするよ。アンタ達、ほんとは負けただけじゃないの?」
カッチーン。
堪忍袋の緒が切れた音を、初めてサクラは耳にした。振り向くと萌枝もぶんぶんと首を横に振り、スノウに至っては「ここまで怒ったウィンド姉さんとカーレント姉えがここまで怒った顔は見たことがない」と震えている。
見た目が変で笑いを取る顔でも、怒ればそれは鬼の形相に変わる。それとはけして顔のことだけじゃなくて、心の変化をも表すことがある。キレて一転冷静になったウィンド達はこんな小芝居で挑発し返しだした。
「ちょっと奥さん聞きました? わたしたちが神様と闘ってないですって」
「全く、この大穴に瓦礫の山、今の今まで張られていた防護境界。闘いの痕跡はいくらでもあるというのにそれを認められない低能さ。同じ花一族の委員として恥じる次第でございます」
「ローズの拷問受け続けてさー、被害者意識がとんがっちゃってんだろうな。わたしらがこんな自分達の美貌を損なうような損をするだけのコント、するはずないってのにさ」
「見ようによっては傲慢だよね。私等が命削って闘っていた時に、向こうは痛いとは言え命の保証付きのなまぬる〜い被虐だろ? そういうのをぶつけたいどうしようもない連中なんだよ」
「ていうか、ぶっちゃけ嫉妬してんでしょ。アンタら」
ブチッ!
もう片方――元はと言えば仕掛けてきたほうの堪忍袋の緒が切れた。こっちの音はローズの拷問を受け続けていたせいか、生々しく、それだけに痛々しい音。
我慢ができるはずもなかった。口達者のアジサイが毒舌を振るう。
「せや、悪いか! ウチらこの一連の事件で一回も戦闘で活躍できへんかった。戦闘向きと不向きがある? バカにすんな! できん奴も使えてこその達成感、苦労を乗り越えた熱き友情、違うんかい! ちゃちゃっと独断と偏見で決められて、それを昼も夜も持ち越されて……ウチらのストレスはマッハ到達や! せやからこの際瓦礫の用地整理の場所があるんならウチらも暴れさせてもらうでえ。鬱屈した環境に置かれ磨き上げられた今のウチらにかかれば、おまんらなんてイチコロや!」
「上等だコラーッ!」「神様殺し損ねた鬱憤お前らで晴らしたるーっ!」「お前らなんて全員役立たずだあ!」
会話は割れるべくして割れた。いわば交渉決裂、それ前提。そしてそれは開戦の合図となり、双方共に上空を飛び交い激しい闘いを繰り広げ出した。花君様の制止命令は一切ない。やるだけやれということ、なのだろう。そこまで放置されるのなら、サクラ達にも諦めがつく。
なので、サクラ達三人とストックは移動術で穴の中から穴の外、断崖絶壁の麓まで戻り、そこに腰掛けて眼下の蟻共の騒ぎを他人事のように観察するサクラ達とストック。そんなストックがごく自然に、詞を投げかけた。
「我が花一族も統率がズタボロね……ミコちゃんの置き土産はけっこうきっついわあ。で、ホントの所はどうだったのコスモス?」
「えっ? コスモス?」
「はーいガール達。お邪魔しまーす♫」
サクラ達の横にはストック。その横にはさらに戦火を避けてきたコスモスがいたのだ。
「闘わないんですか? コスモス様」
「イタズラもマスク越しだったし、連れて行かれなかった組の言い分もすこーしだけわかるからねー。歴史がイタズラされていたら、わたしがそっちだったかもしれないじゃん?」
「はー」永遠の少女を名乗る人物の意外に大人な対応に息を呑むサクラ、萌枝、スノウ。そんな彼女達を傍に、ストックが現場にいたコスモスに尋ねる。
「神様、どんな方達でしたか?」
「全員一律で人型でした。現れたのは61体中39体。後で名前をお教えしまーす」
「闘ってみて、どうでした」
「手強かったですー。相手との相性にもよるんでしょうけど、わたしはミコちゃんの助けがなかったらこの大穴は作れませんでしたー」
「ミコちゃん強かった?」
「そりゃーもう。一目散に逃げたと思ったら各戦線で八面六臂の大活躍。カーレントやスイートピーみたいに助けを借りなかったって子もいたみたいですけどー、わたしは助けられたし、嬉しかったな〜」
その詞を聞いて昨日昼間の闘いの記憶がサクラ達の中で甦る。自分達を助けてくれ、かつ自分の闘いを魅せて見せたミコ。その鮮烈な活躍は、今も記憶に焼き付いている。
そんな記憶に浸っている中、「夢かもしれない話なんですけどね〜」と前置きして語り出した。
「神様にやられて意識が遠のいた後、耳からミコちゃんの話が聞こえてきたんです。『逃亡者には追跡者がつくが、旅人には追跡者などつくものか』って。わたしそれ聞いた後、あーなるほどーって意識落としましたねー」
「成る程ね。誰もが追っていたミコちゃんは、『逃亡者』でなく、『旅人』だった……それじゃあ、追っかけることも不可能ね。また出会うことはあろうとも、追いかけることは適わない――スノウちゃんはどう思う」
コスモスの詞にストックの解説を聞いて話を振られたスノウはぺろっと舌を出して茶目っ気たっぷりに答える。
「そうですねぇ。冬場洞窟で会いましたけど、あれも今思うと『追いついた』より『また会えた』って気持ちのほうが強かったですねぇ。その詞はそれを指していたのかもしれませんねぇ。ま、どの道気象一族はもう様子見ですし、わたしもここで出会えたサクラちゃん萌枝ちゃんという新たなお友達との交流と、目標としてのレインさんを追っていきたいと思ってますぅ」
いい答え――サクラは隣の萌枝と目を合わせて頷き合った。ちょっとスノウの詞がこぞばゆく、でも嬉しいものだったから。『本人』は追わずとも『目標としての空像』に追いつくため修行すると語ったスノウのセリフは、聞いていて力強く、憧れる。
だからサクラと萌枝はスノウにこうお伺いを立てた。「わたしたちも加わっていい?」と。それに対しスノウが「もちろん!」と断言してくれたことで、心は洗われ、スッキリする。
下の喧騒から目を逸らし、よく晴れた蒼穹を眼に焼き付けるサクラ、萌枝、スノウ。
その様子を微笑ましげに、ストックとコスモスは見守ってくれていた。
今日という日が、これから、始まる――。
この度は愚者ぐしゃなわたくしの作品を読んでいただき、心より感謝申し上げます。
さて、本日も無事第6話を章ごとに分割してサブタイトル付けて無事投稿完了しました。
昨日の第5話投稿で「1時間以内に終わらせる」ことを目標に頑張りましたが、結果は惨敗。初めて1日のPV数100を切ってしまいました。なので今回の6話は、ゆっくりめに投稿し続けました。
まあ、メチャクチャ文量も章の数も多かったんですけれど(笑・自虐)!
今回もやはり章ごとに文量のムラが激しくなっております。読者のみなさまも「えっ? これだけ?」、「えっ? こんなに?」って思われたんじゃないでしょうか? わたしは書いてて思いますやっぱり(笑・自虐)。
今回は「対人間バトル」と間置いて「対神様バトル」の二段構えでしたがいかがだったでしょうか? 「前編後編に分けた方が良かったんじゃね?」との意見も戴きそうですが、作者としてはゲストヒロインであるサクラと萌枝が3話ゲストヒロインだったスノウと出会い、そして絆を深めるまでを一気通貫して書きたかったので1話分を長くしてでも繋げました。賛否両論あると思いますが、是非最後まで読んでみてください(お・ね・が・い♪)。
あと個人的なこと言えばこの話でわたしが気に入っているキャラは花一族で神様相手にも活躍したスイートピー、カトレア、そしてコスモスの3人ですね。書いていて結構入れ込んじゃいました。
相当愚者ぐしゃな作品ですが、みなさんの才能・感性・能力でなにか感じてもらえるものがありましたらこれ以上嬉しいことはありません。
一日1話のペースでチャプター・章ごとに分割してUPしていきたいと思っています。ですがシリーズ一長いのはこの6話なのでもうこれ以上はないんだぜ、と言っておきます(最初に言っておry…!)。
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感想・評価・誹謗中傷に御意見に至るまで絶賛募集中です。アカウント作らなくても感想受付中ですよ?
2017年ミコちゃんシリーズエイプリルフール企画(!?)でもある「シリーズなろう投稿運動」。この4月の間、お付き合いいただきそして楽しんでいただければ幸いです。




