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第4話_祭りの喧騒にはかなわない
「ちょ〜っと通りまーす」
ミコは雑踏の間を器用に擦り抜け、蛇行しつつも前へ前へと、着実に進んでいた。
全く、人混みは鬱陶しいったらない。とどのつまり、雑踏は障害物と同義なのだ。いや、障害物は物なだけマシかもしれない。だって、動かないから。相手に動かれると厄介である。それも一人ならまあ予想もつくし、対応も楽で済むのだが、今日のガデニアみたいに石畳道路1㎡の面積に三人も五人もいる密度ではそうはいかない。明らかに環境の方がおかしいのだ。古今東西森よりも雑踏を好む旅人なんていない――とミコは思う。まあ森は森、雑踏は雑踏なのだろう。森の癒しを好む人もいれば、雑踏の喧騒を好む人だっているだろう。コミュニケーションに飢えればそうもなろう。ミコは別だが。
とにかく進まなければ。目的地まではまだかなりある。ミコは不退転の決意を胸に、雑踏くぐり抜け蛇行進を続けるのであった。




