99◇俺の立場
99◇俺の立場
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あれから情報局と俺との間の契約書?の様な書面を書かされた。
乙は甲に何とかというアレだ。
俺の公的立場、俺の情報局内での指示系統、報酬の支払い条件、緊急時の徴用条件、など。
俺の公的立場は「情報局技術支援外部協力員」。
まぁ妥当なところでしょうね。
要は軍属ではないけれど、軍と絡んで新しい物を作るための立場だな。
さしずめ、スカンクワークスは三菱重工業、俺は堀越二郎と言ったところか。
規模は全然違うけど。
俺の情報局内での指示系統は「情報局ロナルド・モーガン中将直下」。
そう、これが欲しかった。
要は俺に直接指示出来る存在が情報局トップの中将だけなので、他の士官や組織からの横槍を拒否出来るってことだな。
これなら国軍統合司令部のジャック・パターソン元帥からでも、直接無理をねじ込まれる心配が無くなる。
情報局の立場はちょっと特殊で、前世のCIAみたいなものらしいし。
報酬の支払い条件は「新技術による情報局及び国軍に寄与する効果を軍部の予算及び損耗率と比較した妥当な額」。
これまた算定が難しい内容だ。
例えば今回俺の偵察行動で隣国の侵入部隊を半壊させたおかげで、国境に集結した国軍500名の後ろからの襲撃を結果的に無効にして国軍の人的被害を減少させたので、もし敵の後方襲撃が成功した場合の被害想定と差し引いてそれを報酬に換算するかというとそんなに簡単なものでも無い。
確かに俺の魔道エアクラフトが存在しなければ前出の被害は発生していただろう。
だが、魔道エアクラフトは最初の発案こそ俺だが、様々な人や部署からの協力があって初めて製作出来たものだ。
また、魔法兵のリンダ軍曹の様な特殊能力を持った人物の協力が無ければ夜間偵察そのものが成立していないことになる。
どれ一つ欠けても今回の功績には至らなかったはずだ。
緊急時の徴用条件は「現在の情報局及び国軍の能力を超えた危機的状況が発生した場合」。
まぁこれは仕方がない面もある。
敵対国家から侵略されたら自分の命すら危うくなる。
それを俺視点でちょっと協力しただけでひっくり返す事が出来るなら喜んでやろうというものだ。
勿論、矢面に立って戦えと言われれば全力で拒否するが。
13歳の子供に期待してはいけない。
っとまぁ表向きは言うが、俺には自衛隊魔法がある。
20人の護衛集団とランバート領の兵力も装備もある。
ぶっちゃけ、俺が指揮すれば先の隣国侵入軍300人など10分もあれば皆殺しに出来る。
訓練の済んだ護衛20人それぞれに89式小銃と5.56mm弾200発を持たせ、横一列に待ち構えさせるだけで200m以上のアウトレンジから一方的な虐殺が可能だ。
また、敵の指揮官さえ分かれば12.7mmの遠距離狙撃で1分でかたがつくし。
弾薬も俺が魔力と引き換えに召喚出来るので実質コストゼロだしな。
まぁこれを1回でもやっちまうと俺は人間扱いされなくなるだろう。
軍部の装備として延々と銃器弾薬を召喚する奴隷になるかもしれない。
そして、そういうことになるのを防ぐために作ったのが魔道銃だ。
何としてもこれを自国軍だけに標準装備させねばならぬ。
その日はそれで解放され、情報局の馬車で叔父宅まで送ってもらった。
俺の複座1号機は情報局の倉庫の中だ。
夜なんで一人で学園まで飛べないしな。
叔父には心配をかけぬ様に今回の敵軍侵攻については話さず、魔道銃の試験結果が良好で20丁の追加発注になりそうだとだけ言う。
技術サンプルとしてランバート領から8丁持って帰ってそれを情報局に提供しての結果ということも付け加える。
ついては父に軍部用の見積書の作成を伝書鳩便で頼んでほしいと言う。
数量も1丁の場合と20丁まとめた場合。
弾薬も鉛玉を作って納品した場合の1000発発注時の単価、発火魔石発射薬の1発分の1000発発注時の単価、フェルトやその他備品の単価などの一覧表の作成を情報局から依頼されたと言う。
「マーティン、君はもう一端の商人だね。軍部相手にこれだけの事を易々と進められるなんて。早速兄上に伝書鳩便を送ろう。」
「色々な伝手が出来たおかげですよ。依頼内容は私が書きますので、それを伝書鳩便に合わせていただけますでしょうか。」
「了解だよ。出来たらすぐに清書しよう。」
さて、これで魔道銃は俺の手を離れたぞ。
後は父上と叔父上が上手い事やってくれるだろう。




