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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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333/338

333◇圧力測定

333◇圧力測定

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「では圧力測定と比較はクラッシャーゲージでいきましょう。原理は先ほど説明したとおりです。魔法団の方で何種類か作ってもらえば銃器の測定に適した物が見つかると思います。」


「うむ。つくづくお主の知識には感心するのう。そういうのは前世でも使っておったのかや?」


「いえ、前世ではその測定方法は50年以上前の方法になります。それ以降はピエゾ系高速圧力センサという物を使って測定していました。ざっくり原理を説明すると、圧力をかけて僅かに変形させるとその変形量に従って電気抵抗が即座に変化し、それに流した電流変化を高速に読み取れる測定器で目視出来る様にします。」


最初はブラウン管式アナログオシロスコープの管面ストレージタイプで読んでいたな。

管面の内側に工夫がしてあり、一瞬の波形をある程度の時間保持出来るタイプだ。

前世の会社で開発部門の重鎮が未だに使っていたな。

もっとも、デジタルオシロで波形メモリーして記録するタイプも併用しているのだが、ここぞという時の物理証拠としてアナログストレージオシロが手放せないという事で専用のカメラで管面撮影していた。

まぁデジタルオシロのサンプリング抜けを心配しての事だろうが、それでも数GHzのサンプリングレートのあるハイエンド機を会社が買っているのだから、せいぜい数百MHz帯域のアナログストレージオシロを重宝する事も無いんだが。


そして、たとえピエゾ系のセンサがあっても1ミリ秒前後の記録なのでこの世界の電気関係を扱える魔道具では観測は到底無理だ。

魔法で扱える電気信号も今後研究していきたいな。

まだ俺の知らない分野で天才が凄い物を作っているかもしれない。

団長はそこら辺も含めて存在程度は知っているはずなので、それこそ夜を徹して語り合ってもいいな。

とりあえず真空管の概念がまだ無い様なので、直熱三極管くらいから提案してみるか。

前世で母方の叔父が自作の真空管アンプなどをよく作っていた。

300Bが定番だとか言っていたな。

真空管アンプの回路も叔父宅に行く度に強制的に説明されていたのである程度は理解している。

とりあえずこれがあれば音声信号の増幅が出来るので、長距離通信の嚆矢となるだろう。

そういう事も含めて大雑把に説明する。


「なるほどのう。お主のおった世界ではそうやっていたのか。魔法なんぞあっても何の役にも立たぬという事じゃな。じゃが、儂等も色々研究しておってな。お主の知らぬ分野ではこちらの方が進んでおるやもしれんぞ?そこら辺をじっくりと語り明かさねばならんのう。中将よ、お主も少しは勉強して我らの中に入って来るのじゃ。なぁに、分からぬ事は儂と魔法団がじっくり教えて進ぜようぞ。マーティンも居るしな。」


そう団長が言うと、中将は否定も出来ないみたいで困ったような顔をしてこちらを見る。

おいおい、俺に振られても何にも出ないぞ。

むしろ中将には勉強して欲しい派なので逆効果だ。

中将の困惑顔をわざと見ていないふりをして団長に魔道M95開発の方向性を尋ねる。


「まずは強度の高い鉄の合金が要りますね。ミスリル鋼が有名ですが、前世で銃につかわれていたクロムモリブデン鋼などに比べてどれくらいの強度があるのか分かりません。なので、団長の知っている限り強力な材質でM95の銃身後部と似た様な構造物を作り、少し厚さを薄めにしてこのM95用の実弾を込めて撃ってみると色々分かるかもしれませんね。」


「一種の破壊試験による限界測定という事じゃな。破壊される一番薄い厚さが分かればそれの2倍か3倍くらいの厚さにすれば実用上安全と見なせるしのう。」


「同時にクラッシュゲージで圧力を測定しておけば数値として定量的に判断出来るでしょうね。」


そこまで話したところで執事のセバスチャンが夕食の用意が出来たと言いに来た。

それを聞いて中将があからさまにほっとしていたな。

とりあえず話の続きは王都に帰ってからということでM95を組み立て、ガンロッカーのケースに戻す。

ロッカー奥の布地が掛けられた89式は最後まで聞かれなかったのでほっとした。


夕食は談話室で昼食と同じ面々だ。

親父殿が音頭を取り、ワインの乾杯から始まる。

俺はぶどうジュースだが。


「中将殿、マーティンの部屋に行かれたそうだが、何か面白い物がありましたかな?」


「いやぁ、私は情報を扱うのは専門ですが、魔法や機構的な物に対しては素人同然なので話は主にこちらの団長がしていましたね。」


「そうじゃな。マーティンは実に面白い。儂の知らない様々な事を知っておるからいくらでも話せるな。同様にマーティンも知らぬ事を儂が知っておるからお互いに非常に興味がある状態じゃ。いっそのことマーティンを儂にくれんかいのう?」


げ、そこまでかい。

見た目は中学生だが70歳のババ様だぞ。

まぁエルフの特性で人間の70歳とは同じではないが。


「いえいえ、マーティンを養子に出す気はありませんぞ。マーティンは今や我が領の大事な虎の子だ。他所に出す事など考えた事もありませぬな。」


あ、養子なのね。

そりゃ当然か。

俺っちまだ13歳だし。

団長の庇護の元で好き放題出来る環境は魅力的だが、それでも籠の中の鳥はカンベンだ。

せっかく転生して手に入れた俺という存在だ。

自分の意志で自分の人生を歩みたい。


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