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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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325/337

325◇トレーニング3

325◇トレーニング3

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「安心せい。この国の王は他国を侵略する様な野心は持っておらぬ。王宮魔法団の団長である儂は王とは旧知の仲じゃ。奴が子供の頃から家庭教師をしておったが、実に素直な良い子じゃったぞ。大人になった今でも慎重に物事を進め、何かあったらすぐに儂の所に相談に来るくらいじゃ。」


「そうだな。現在の王はおだやかなお人だ。周囲の取り巻きも特段変わった者も居らん。貴族の中には過激な思想を持っておる者も居るやもしれんが、現政権の元では表には出ておらんな。」


それなら安心だ。

東の隣国からあれだけ干渉されてもあの程度の軍事行動で済んでおり、その後は現状維持のままだしな。

海賊に関しては俺が勝手にやっただけで、王の意向とは全くの無関係だし。

さぁ気を取り直して撃ってもらおう。


「ではまず団長さんから撃ちましょうか。私の構えを全て真似してください。両手での握り方はこうです。そして照星を照門の間に隙間が均等になる様に入れてその上端の延長線上を的の中心を合わせます。まずは銃に魔力を込めて1発撃ってください。」


団長が魔力を込めたので魔道ウィンドエバキュレーターが発動し、銃口付近にヴンという音と共に蜃気楼の様な薄い影が出来る。

続けて団長がトリガーを引き、最初の1発目が発射された。

と思ったら「ひゃぁ」という声と共に尻餅を着いていた。

あわてて9mm拳銃を掴み、取り上げる。

周囲に銃口を振り回そうとしていたからな。

あぶないあぶない。


「落ち着いてください。かなりの衝撃が手の平に来たと思いますが、これは正常です。そうですね、団長さんは銃に魔力をかけると同時にストロング魔法で手と上半身の筋力増強もしておいてください。その後にトリガーを引けば反動に耐えられるかと。」


「こんなにガツンと来るとは思わなんだぞ。お主が容易く連続で撃っておったからもっと軽いものだと思うておった。うむ、次からはお主の言うとおりに筋力補強をしてから撃とう。」


改めて9mm拳銃を手渡し、もう一度撃たせる。

今度は何とかその場から動かずに反動をいなしていたな。

3発目からは何かを掴んだらしく、快調にバンバン撃ち始めた。

9発目で弾が尽き、スライドストップしても尚もトリガーをカチカチひいていたので肩を掴んで揺する。

こちらを向いて「カイカンじゃのう」と蕩けた表情をしていたのでギクッとする。

ヤバい。

これトリガーハッピーな人だ。


「ちゃんとしてください!こっちに帰って来てください!」


「はっ?儂は今何を言うておった?」


「大丈夫ですよ。たまに初めて撃つ人に出る症状です。もっと撃って撃ち慣れると何ともなくなりますから。」


マガジンを抜いて9mm弾を9発詰めて手渡す。

団長はそれを受け取って銃に装着し、スライドストップを下げて初弾を装填する。

ゆらっとした動きで再び的の方に向け、ヴンという音と共に今度は自前で巨大なウィンドエバキュレーターを発動させて撃ち始める。

もはや銃のエジェクションポートまで覆う真空の玉が発射音を限りなく吸収し、カシャカシャというスライドの動作音と排莢した薬莢が地面に落ちる音、弾丸が音速を超えるピシッという音と弾が的を貫通するバスバスという音だけが繰り返される。

えらいもんを見ちゃった気がするな。

さすがに魔法団の団長だと言うしかない。


9発撃ち終わってスライドがスライドストップに引っかかり、トリガーを引いても反応しなくなると正気に戻った様で、気恥ずかしそうに目を伏せていた。

何か絵になるな。

呆れた様な周囲の視線に気が付いて慌てて言い訳を始める。


「だ、大丈夫じゃ!ちょっと調子に乗っただけじゃ。次からはちゃんとするぞい!」


それを信じて次の装填済みのマガジンを渡す。

それを銃に装着し、今度は銃の魔道ウィンドエバキュレーターの方を普通に発動して9発撃った。

さすがに3ラウンド目ともなるとある程度の集弾率になる。

最初は的にすら当たっていなかったのが、今回は的の中心近くに分布する様になっていた。


「とりあえず一旦休憩してください。今の9発はだいたい的の中心付近に当たっていますので順調に上達していますよ。次は中将さんお願いします。」


中将の側に行き、俺が手本の構え方をする。

それを見ながら全く同じ動きで構え、魔力を流して銃の魔道ウィンドエバキュレーターを発動させる。

最初の1発目はかなり驚いていたが、次からは普通に撃ち始めた。

マガジンを2回交換し、3ラウンド撃ち終える頃には的の中心の40cm圏内に殆ど当たる様になっていた。


「上手いですね。その調子で続けましょうか。ザンド、デビッド、的を交換してもらえませんか?」


団長と中将にマガジンを抜いてスライドを引き、銃が空になっている事を確認させてから護衛に声をかける。

これも9mm拳銃を撃つ時の作法として徹底させる。

一瞬の気の緩みが取り返しの付かない事故を起こすのだ。

用心し過ぎることはない。


ザンドとデビッドが穴だらけの的を回収し、今度は10m地点に3枚の的を置いた。

急に距離が2倍になったので的がかなり小さく見える。

それを見た2人は「遠すぎないか」と苦情を言ったが、「人間はもっと小さいですよ」と答えると黙った。

暴漢と遭った場合に5mの距離では近すぎる。

ナイフを持った暴漢は2秒足らずで5mの距離を駆け抜けるし。

その間に銃を抜いて狙いを付けられるかというと、よっぽど手慣れていないと無理だろう。

10mくらいの距離であれば少し練習すれば迫って来られる間に銃を抜いて狙いを付けられる。

そういう意味での10mなのだと言うと2人とも納得していた。


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