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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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324/337

324◇トレーニング2

324◇トレーニング2

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「では実弾を配りますので空薬莢を片付けてください。」


9mm弾が20発入った紙箱をそれぞれ5箱ずつ手渡す。

100発も撃てば手が痛くなるだろう。

この場ではこれくらいが丁度いいだろうし。


「マガジンに実弾を9発込めてください。込め終わったら魔拳銃に装着します。」


マガジンはシングルカラムなのでそれほどバネはきつくないが、団長はちょっと手間取っているな。

体格からして力は無さそうだが、途中から魔力で指先の筋力を補強したらしくちゃっちゃと詰めていた。

中将はさすがに大人の男なのでコツを掴んだらスムーズに装填していたな。


「では銃口の向きに注意してトリガーガードの中に指を入れない様にし、スライドを引いて離します。」


これまた団長は素の状態ではスライドが引けずにうーうー唸っていたが、筋力強化してバシんという音と共に思いっきり引いていた。

中将は指の位置が危なかったのを注意をしたくらいで、素直にスライドは引けている。

俺も自分の9mm拳銃のスライドを引いて初弾を装填する。


「ではまず私があの的の中央を狙って9発撃ちますから見ていてください。」


両足を軽く広げて膝を少し曲げ、的に対して真正面を向いて立つ。

両手で包み込む様に9mm拳銃を握り、トリガーガードからは人差し指は出しておく。

両手を同じ様に上げて照星が照門の間に均等に入り、上端が揃っている状態で的の中心に向ける。

もちろん両目は開け、周囲の状況確認も出来る様にしている。

トリガーを引く。

1発毎に反動でのけぞるので、それを素早く元に位置に復帰させながら9発連続で撃った。

全弾が中央の直径20cmの10点圏に入っていた。


「上手いもんじゃのう。距離が近いとは言え、それだけの命中率なら熟練者なんじゃな。」


「前世でもかなり撃ってましたからねぇ。今世も合わせると数千発は撃っているでしょうね。」


「なんと!前世でもこれを持っていたというのか?お主のいた世界も物騒なんじゃな。」


「いえいえ、国によって違いますが、私が住んでいた国はこれを持つ事さえ禁じられていた安全な国です。24時間開いている何でも屋の様な商店も各町に何軒かずつあるくらいですし。これはそういう事が許されている外国に行って練習するんですね。」


グァム・サイパン、シューティングツァーだな。

20年以上前からこの手のツァーは盛んだ。

アメリカ本土に行くよりも手軽だし、何より渡航費用が安い。

日本語しかしゃべれなくても全て日本語の通じる施設を選んで撃ちまくれる。

俺も親友もかなりの頻度でお世話になったものだ。


それから24時間でなくてもいいからコンビニもこの世界に定着させてみたいな。

物流を握れば出来ない事もないと思う。

なにしろ魔法があるのだから簡単な滑走路さえ店の裏に作れば全部飛行機で配送可能だ。

複座で後席の荷物を最大100kg程度に抑えてやれば魔石の燃費もそこそこいいだろうし。

更に小型のVTOL機も作れば街中の店舗の裏庭にでも降ろせる。

でっかいドローンみたいな構造にすればそれほど燃費も悪くはなさそうだし。


「マーティン、君の前世の世界に一度行ってみたいものだな。まぁ無理なのは分かっているが、色々聞くにつれ君が精力的にこの世界に新しい物を齎そうとしているのは前世の事が忘れられないのかな?」


当然である。

この世界のあまりにもな未開ぶりに我慢が出来なくてあれこれ手を出しているのだから。

まぁさすがに現物の航空機製作は前世では情報だけだったが、この世界の魔法技術とスタッフに恵まれて想像以上に順調に進化出来ている。

あともう一息で俺の手を離れて勝手に進化してくれそうな所まで行っているのだ。

そうなったらこの世界の距離は縮まり、周辺国に対して圧倒的な差を付けて強大な国家に出来る。

それを横目で見ながら楽隠居して盆栽でも作りながら老後を暮らしたいものだ。

まぁこの世界は魔法があるのでそっちの方面を極めてみるのもいいな。

前世の知識があるので物理と掛け合わせて飛躍的に高性能な物も出来ようし。

ぶっちゃけ、賢者クラスになら割と容易に到達出来るんじゃないかと想像するな。


「マーティンよ、また何か考え込んでおるな。お主の考えておった事を話してみよ。」


しまった、また妄想に浸ってしまった。

中将があんな事を言うからこの世界より格段に進んでいた前世の事を思い出してこの世界での覇権を思い描いてしまっていた。


「いえね、私がこのまま前世の知識と技術とこちらの魔法を融合しながら発展させていけばどうなるんだろうと思っていたんですよ。周辺国との差が極端に開くので当然戦争は起きるでしょう。しかし今でもこの差なので私がもっと色々作れば完全に覇権国家となってしまうんじゃないかと思いまして。前世でもそうやって出来た覇権国家はありましたが、堤防が蟻の穴から崩れる様に他国へ色々漏れ出し、ついには周辺国家の一斉攻撃で滅びた国もありました。そうならない為にもこの王国の政治が他国への一方的な強権発動的な干渉をせず、融和政策でお互いに成長していく様な進め方にならないかと思いまして。」


前世のWW2時代のドイツやロシアがそうだな。

一人の独裁者が権力を握り、持ち前の技術力の高さに後押しされて他国へ侵略を繰り返した。

結果は周辺国から物量で押し潰されて降伏したが。


そこを上手いことやろうとしてアメリカに妨害されたのが大東亜共栄圏構想だ。

東南アジア諸国を欧米列強の植民地支配から解放し、日本の武力と資源で各国の独立独歩を助ける。

まぁ途中で迷走し始めたのはいただけないが。

この世界ではアメリカに相当する強国は今のところ無いみたいなのでやろうと思えば可能なんだろうな。


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