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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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309/320

309◇実射

309◇実射

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俺は砲兵に指示を出した後に振り返り、親父殿と客人を案内する。

馬車に乗る程でもないので全員歩きだ。

ぞろぞろと独特の隊列を組んで歩く。


親父殿と中将と団長を中心に護衛のマーク、ザンド、デビッドと他に2人、それと団長の護衛の2人が囲う。

その次に海軍艦長は直属の部下2人と共に6人の海兵隊の様な護衛に囲まれる。

最後に他の中将の部下と親父殿の部下はスカイコンドルの4人が両脇に並んで歩いていた。

総勢29人、俺も入れると30人が列をなしてぞろぞろとシラハマのメインストリートを歩いていく。

漁民や冒険者、港の労働者などが何事かと遠巻きにして見ている。

日本の大名行列みたいなもんだが、誰も土下座はしていない。

元々領主だからと言って平民にそこまでへりくだらせる習慣は無いのだ。

もちろん、無礼なことをすれば切り捨て御免の権利は持っているので、無闇に突っかかって来る者は居ないが。


俺の先導で15分ほど歩くと、灯台下の40ミル砲の発射場に着いた。

既に2門の40ミル砲は装填され、安全のため狙いは沖側に逸らしていた。

そこにゆっくりと小型船が小舟を曳いて現れる。

ほぼ灯台の真ん前の海道の中央に小舟を停め、そこに2本投錨して固定する。

それが済むと小型船は素早く引き返し、100mくらい港よりの位置で停船する。


「それでは海上に見える小舟に乗せた的をご覧ください。ここから約200サブキロム程度の距離はあります。今からこの2門の大砲でそれぞれ10連射しますので、こちらまで下がって両手で両耳を塞いでください。」


2門の40ミル砲と観客との間は20mくらいあるが、それでも発射音はあなどれない。

俺が合図を送ると交互に発射を始めた。

だいたい20秒に1発だな。

1門あたりだいたい発射間隔は40秒なので、それを2門でやると20秒おきになる。

もうちょっと訓練すれば多少は縮まるだろうが、今度は10連射以上の時に必要なクリーニングも入るからあまり無理はさせられない。


観客の方を見ると海軍の艦長以下全員がのけぞっていた。

表情も驚きで固まっている。

距離20mなら発射時の爆風も少しは来るのでそれも感じて戦いているのだろう。


そして2門で20発を打ち終え、辺り一面に発射の時の噴煙が舞っているのが収まるのを待つ。

俺が小型船に合図をすると、小舟に近寄って碇を2本とも引き上げ、曳航して海岸近くまで寄せてきた。

艦長と部下は懐から望遠鏡を出して的を見ている。

親父殿と中将、団長も同じ様に自前の望遠鏡で観察している。

俺も同じ様にわざとこの世界の望遠鏡を出して的を見る。


「いかがでしょう。約200サブキロムの距離で、一辺2サブキロムの的に5割程度は当たっています。これなら海賊船に対して有効な打撃力となる事をご理解いただけましたでしょうか?」


いや、ちょっと不満なんだが。

俺がやればもうちょっと命中率はいいはずだ。

まぁ今回早撃ちをやらせたから照準に費やせる時間が少なかったのも当たった数が少ない理由だろうな。

でもあの距離でこれだけ当てられれば必要十分だろう。


「確かに命中はしているが、果たしてこれだけで海賊船が沈むのかどうかは判断つかないのだが。」


「今回のはあくまでもデモンストレーションです。実際はもう少し慎重に狙って当てる様にし、もっと弾数を多く撃ち込みます。結果的に沈むまで撃ち込むという事になりますので目的は達せられていますね。」


なにも20発で終わりではないのだ。

相手が沈むまで撃ち込み続けるという継戦能力が物を言うのだ。

各門100発以上はストックがあるので、海賊船の2隻や3隻は物の数ではない。

そういう事を艦長に説明すると納得してくれた様だった。


「あと、これに追加で魔道銃というあの大砲を小型化して手に持って撃てる様にした物も同時に使って撃っていました。それは5丁くらいあったと思いますので、全部を撃つと絶え間なく破裂音が聞こえたのだと思います。」


うん。

本当はバレットM95をボルトアクションの早撃ちで5秒に1回は撃っていたな。

5連マガジンへの12.7mm弾の装填をザンドとデビッドに手伝ってもらいながら素早くマガジンチェンジし、同時にウィンドエバキュレーターも発動しながら撃つのだ。

それを1隻辺り30発、2隻で合計60発は撃った事になる。

貿易船の船長が聞いた破裂音との整合性を取るには40ミル砲2門と魔道銃5丁の合計7本の発射サイクルが合わさってそれくらいになったという事にしよう。


「その「魔道銃」という物はどの様な物ですかな?」


砲兵に合図し、40ミル砲の保管庫に予備兵器として入れさせていた魔道銃を持ってこさせる。


「こういう形をした手に持って撃つ武器ですね。これも発射時に大きな発射音がしますので、遠くから聞くと同じような破裂音に聞こえるかもしれません。」


「ほう、それはどれくらいの威力があるのでしょうか?「大砲」に比べてだいぶ小さい様に見えますが。」


「そうですね。これには海賊船の舷側を打ち抜く威力は無いと思います。しかし、甲板上に居る海賊に対してはかなりの脅威となりますので、大砲と同時に撃つと効果的ですね。」


うん、これくらいで納得してくれよ。

だいぶ嘘を重ねているのでそろそろ苦しくなって来ているところなのだが。


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