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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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305/319

305◇海軍招待

305◇海軍招待

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大型船の艦長と話が付いたところで3人は下船し、小型船で先導を始める。

そこで、わざと大型船が全力帆走でぎりぎり付いて来れる程度まで速度を上げる。

これも技術的な優位性を誇示して、相手側の隙あらばこちらに対して優位な立場になろうというのを牽制する為だ。

武力を見せつけ、協力関係になるならそれで良し、敵対するなら容赦はしないという立場を明確にするのだ。

相手は恐らく歴史のある海軍だろうから海賊船如きに苦労するとは思えないが、他の国家のまだ小規模な海上戦力に屈する可能性がある事は理解して貰わねばならない。


これはまだ話していないが、航空戦力がある事もいずれは理解させる必要があるかもしれない。

海賊が海賊船の船首の投石器で相手の船に投げ込んでいた発火魔石の壺をそのまま使い、航空機で上から大型船の帆に向けて落とせば短時間で焼け落ちるだろう。

ひょっとしたら木造船自体にも引火して甲板上が全焼するかもしれない。

あちらの海軍は海賊との戦闘経験があるだろうから、投石器の事は知っているはずだ。

まぁこれは今回の会合ではまだ時期尚早だな。

いずれシラハマや沖合いを飛んでいる所を見られたら問われるかもしれないが、今のところは言わないでおこう。



俺達が乗っている小型船は旗艦の前方を走り、後ろの間隔を広げたと思ったら狭めたりして暗に大型船の鈍足を意識させている。

一般的に現在先導している様な小型船は帆走の効率が悪いので大型船の帆走速度には敵わないものだが、この小型船はマストはあるが帆の一枚も張っていなく、なんなら帆の装着すらしていない。

オールも積んでいるが全て仕舞い込んでいる。

それにも関わらず、大型船の全力帆走を超える速度で走るのだ。

おまけに船首には「大砲」を積んで、いつでも大型船の急所に回って砲撃出来る。

こんなふざけた様な船を多数持っているであろうシラハマ海上防衛隊がもし敵対したらと思うと、大型船の艦長は冷や汗が出るのを抑えられないだろう。


実は先ほどのやりとりは多分にブラフを入れてある。

大型船3隻で一気に乗り込まれたら数の暴力で対処する暇も無くシラハマは制圧されるだろう。

おそらく3隻で戦闘員は300人くらいは居るだろうし。

そして、いくらこちらに40ミル砲が合計3門あると言っても相手は軍艦だ。

作りが安っぽい海賊船と違って、衝角攻撃も想定している船腹はかなり頑丈だろう。

バレットM95ならダメージは通るだろうが、40ミル砲では舷側を貫通出来ないかもしれない。

まぁそれでも舵やマストを狙い、舷側のオール漕ぎの穴にぶち込めば制圧は可能と思うが。


大型船を案内している最中にシラハマの港に向かっている元海賊船が見えて来たので後退して大型船に近づき、メガホンを使って大声で叫ぶ。


「先方に見える船に連絡をするので先行する。連絡を付けたらすぐに戻って来るので安心されたし。」


大型船の舷側から船員が了解の返事をしたので、一旦8割スロットルで先行する。

5分ほどで元海賊船に到着して併走し、俺がメガホンを使って船上でこちらを見ているデビッドに伝言を伝える。


「父上を呼んで欲しい。あの大型船をシラハマに寄港させる事にしたんだ。」


すぐに父親に連絡されて舷側に顔を見せる。


「父上、あの大型船3隻は貿易相手のノルドロイド共和国の海軍旗艦とその随伴艦です。旗艦だけシラハマの湾内に入れ、一部を上陸させて会合を持ちたいと思います。先に港に帰って準備をお願い出来ませんでしょうか。」


「あい分かった。ホテルの別室に準備をさせておこう。」


うん、これで格好は付くな。

豪勢ではないが、貴族も利用するホテルの別室なら問題無いだろう。

領主である親父殿も居るし、何より国軍情報局トップと王宮魔法団のトップも居るのだ。

海軍の艦長如きに後れを取るものではない。


元海賊船を先に行かせ、小型船は海軍船の所に戻る。

近づくと舷側に船員が並んでこちらを見て騒いでいた。

推進器の8割の走行速度を見て、海賊船に接触して引き返して来たのだ。

走行速度に驚き、海賊船にも驚いている様だな。

接近して併走し、艦長を呼ぶ。


「艦長、先ほどの海賊船は我がシラハマ海上防衛隊が拿捕したものだ。現在清掃と調整をして試運転をしているところだな。改造してランバート領の海軍軍船の一部にしようと思っている。」


マークが大声で俺の指示した通りに叫ぶ。


「他の海賊船はどうしたのだ?「たいほう」で沈めたのだろう?」


艦長の質問はもっともである。

俺は小声でマークに返答を指示する。


「他に3隻の海賊船は半沈没状態で曳航して港に置いてある。いずれ復元しようと思うが、状態によってはそのまま廃棄にするかもしれない。」


本当は5隻あるが、何も正直に言う必要は無い。

貿易船を襲った2隻と、別途もう1隻を沈めた事にしておこう。


「なるほど。それで先ほどの海賊船を先に帰したのだな。間違って攻撃したら問題になるからか。」


さすが艦長。

よくお分かりで。

長年海賊相手に丁々発止していただけの事はある。

でも銃砲類無しでどうやって海賊と相対していたのだろうか?

まぁそこら辺も上陸してからの会合で聞きだそう。


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