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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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303/319

303◇威嚇射撃

303◇威嚇射撃

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小型船の船首の40ミル砲のすぐ後ろにあるマストに領旗を掲げ、所属を明確にする。

相手に警戒を持たせない様に速度は10ノット=時速18km程度でゆっくりと近づく。

たぶん5km程度まで近づくと向こうからも発見されるだろう。

高いマストに見張り台があるはずだ。


マストと帆の見え具合からして彼我の距離は10km弱といったところだろう。

真っ直ぐこちらに向かっている様なのでみるみる距離が縮まっていく。

3隻の大型船は縦一列になって僅かに斜めに船隊を組んでいた。

俺達の乗っている海賊船より一回り大きく、貿易に来ていた外国船くらいの大きさだ。

だいたい全長60m弱といったところか。

船首と船尾に所属旗を掲げているが、誰も見たことが無いので判断が出来ない。

西の燐国も大陸の国も国旗の柄なんて見る機会も無いしな。

船上で帆の操作をしている乗組員の服装が揃っていて、いきなり攻撃して来ないので海賊ではない事は確かな様だ。

先頭の船を旗艦と判断し、その左舷100mくらいの位置で併走する。

暫く観察していたが攻撃してくる様子は無かったので徐々に近寄る。

50mくらいまで近寄ったところでマークがメガホンを使って大声で停船を呼びかける。


「こちらはランバート領所属の「シラハマ海上防衛隊」だ。停船してお前達の所属と目的を述べよ!」


しかし相手の船上の船員はこちらを見はするものの、半ば馬鹿にした様な表情を浮かべて無視している。

こういう場合は威嚇射撃だな。


「先頭の船の前方50サブキロムの付近の海面に40ミル砲を発射!」


シラハマ・シーウルフの3人は船首の40ミル砲を装填済みで俺の合図を待ち構えていた。

ジャイロ・スタビライザーも当然起動して安定領域に入っている。


「船首前方50サブキロムに発射します!」


言い終わるとスタビライザーの揺れを人力フィードバック制御で押さえていた砲手が狙いを付ける。

しばらく船体の揺れに合わせた後にトリガーに繋がった紐を引いて発射する。

合図と共に全員耳を塞いでいたところで轟音が鳴り響き、砲口から噴煙を上げて砲弾が発射される。

狙う射程距離は、彼我の船首の位置を揃えて50mの距離を空けて併走している所に相手の船首から50m先に着弾させるので、ルート2倍の1.414を掛けて約70mになる。

照準器をそれに合わせる必要があるのだが、砲手はそんな計算の事などは知らないのでほぼカンで撃つ。

ほんの僅かな間を置いて相手船首の50m程度先に鋭い水柱が立つ。

うーん、やはりこんな時ばかりは40mm砲弾は頼りないな。


砲声と着弾した水柱を見た相手の船員が騒ぎ始める。

こちらに向けて弓矢の用意をしているな。

俺はすぐに彼我の距離を100mほどに開けさせる。

続けて3発ほど相手船首から50m程度の所に続けざまに40ミル砲を撃ち込ませる。


もう一発撃つ用意をしている最中に相手船の帆が畳まれ、停船をする合図と思われるドラが続けて4回鳴る。

小型船だと軽く見ていたが、100mも離れた所から殆ど威力が落ちずに目の前に砲撃を撃ち込まれたのだ。

さすがにこれを船体に当てられたら少なからぬ被害が出ると判断したのだろう。

先頭の船に続けて後続の2隻も帆を畳んで減速した。


大型船の舷側からは長いオールが10本出され、3隻はお互いの位置を確認しながら100m程度の間隔を保って停船した。

念のため、俺はストレージから俺専用のバレットM95と弾薬を取り出し、魔道ウィンドエバキュレーターの駆動魔石を装填する。

ザンドとデビッドに12.7mm弾5発入りマガジンを2個ずつ持ってもらい、別の1個を銃に装着する。

89式も2丁出して弾薬と共にザンドとデビッドに渡す。


そこで小型船を操船している舟大工に先頭の船に近寄せる様に指示する。

先ほどと同じ50mくらいまで近寄ったところで相手から問いかけが来る。


「我々はシラハマと貿易をしているノルドロイド共和国の調査団だ。先日我々の貿易船を海賊から助けてくれた事に関して詳しく調査したい。先ほど呼びかけを無視した事は謝罪する。君たちの所属が信じられなかったのだ。」


信じられないけどビビってるってとこだろうな。

見たことも聞いた事も無い爆裂音のする100m以上も金属塊を飛ばす武器を向けられたのだ。

距離が離れても威力が落ちず、投石器ではあり得ない鋭い水柱が立つ。

木造船なら防ぎきれないと判断するのは賢明だな。


「先ほど言ったとおり、こちらはランバート領所属のシラハマ海上防衛隊だ。海賊を当方が撃退した事は事実である。話し合いに応じるなら我々を乗船させて対話をさせよ!」


まぁ向こうの言ってる事は事実だろう。

あの貿易船を助けた手腕は理解しがたい出来事だったろうしな。

何せ追いかけてきた海賊船2隻が急に船足を落とし、暫くすると半沈没したのだ。

攻撃に使ったバレットM95の発射音は聞いていたと思うが、報告は破裂音としか伝わっていないのだろう。

その時の状況と今の状況が似ていると判断して折れたんだろうな。


「君たちの乗船を3人だけ許可する。縄ばしごを降ろすので乗船されたし。」


そう言われてやっと安心する。

船尾の舟大工に命じて推進器を操作し、ゆっくりと大型船の縄ばしごが下ろされた舷側に近づいた。


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