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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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302/321

302◇外国船

302◇外国船

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「マーティンよ、船員はともかくお主だけ元気ではないか。船の揺れがこんなに辛いとは思わなんだぞ。予め言っておいてくれれば王都で酔い止め薬を用意しておいたものを。うっぷ。」


「マーティン、団長の言うことも分かるぞ。さすがにこれは辛い。まぁ軍人は我慢が仕事だから陸に上がるまでは我慢するがな。」


団長も中将も3座機で結構揺すられたと思うんだけど、飛んでいる時は酔ったなんて一言も言わなかったな。

まぁスカイコンドルが要人移送という事で殊更丁寧に操縦していたのだろう。

あと飛行機械の揺れと大型船の揺れは周期が違う。

飛行機械は気流の乱れで細かく揺すられるのを修正舵を当てて真っ直ぐ飛ばすのだが、割と短い周期で揺れて元に戻る。

なので乗客は揺れを認識したと思ったら収まっている。

周囲は何も無い空なので見比べる物も無いしな。


それに比べて船の揺れは大きな周期でずっと揺れている。

しかも海面と水平線は常に視界に入っているので揺すられているという認識も大きい。

それが船酔いになる人が多い理由だろうな。


陸と平行に西向きに走り出し、僅かに陸よりに方向をずらしているので追い風気味になっている。

併走する小型船の航跡をみていると10ノット=時速18km程度は出ている様に見える。

まぁまぁだな。


しばらくそのまま西向きに走り、正三角形の底辺を10km走ったところで向きを港の方に向ける為に速度を落とす。

今度はかなり追い風になるので速度は出るだろう。

船の向きを変えている最中に、前方マストの見張り台に登っていた船員が望遠鏡を見ながら西の方を指さして叫ぶ。


「西の方角より大型船接近!船籍はもう少し近寄らないと分かりません!」


俺もストレージから双眼鏡を出して見る。

まだ遠くてマストと帆しか見えないが、確かに大型船だ。

しかも3隻も居る。

俺は工房主に停船を命じ、父親に進言する。


「父上、あの3隻の大型船は所属がまだ分かりませんが、海賊船の可能性が大きいと思います。私と護衛2人が小型船に乗って確かめに行きたいと思いますが許可をいただけますでしょうか。」


「西の隣国のタスマライト王国は海洋国家と聞いている。我が国とは陸上輸送での取り引きしか無いが、南の方の大きな大陸のノルドロイド共和国と海上貿易はしているらしい。シラハマに来る外国船はその南の大陸からの船という事だ。だからあそこに見えるいるのはいずれかの国家の船という可能性もある。お前が言っても見た目であまり対応してくれぬと思われるから、マークが交渉担当として行くのが良かろう。」


「はい、分かりました。では私とマークと護衛2人で小型船に乗って行きます。」


外国船だった場合でもさすがにすぐには攻撃して来ないだろうが、交易の無い西の隣国だった場合は小型船の見た目で侮られて無視されたり進路を邪魔されたりするかもしれない。

そうした場合に船首の40ミル砲で威嚇をする事になるが、砲としては口径が小さいので近くに着弾させても水柱があまり立たないだろう。

それを見ても投石器が何かだと思われて脅威と思われないかもしれない。

かと言って、海賊船でもないのに船体に砲弾を当てる訳にもいかない。

前世の尖閣諸島周辺に出没する中国船に対して、海上保安庁や海上自衛隊が直接砲撃出来ないのと似ているな。


まぁこの世界は中世の大航海時代みたいに国際法など存在しないから、力と力のぶつかり合いで会話するのが正解なのかもしれない。

あの時代は自分より劣る相手には容赦無く攻撃したり侵略したりしていたしな。

東の国境の小競り合いの事を思ったら、こちらの判断次第でやっちゃってもいいかもしれない。

何せ俺が居れば40ミル砲以外にもストレージからバレットM95を出して撃ち放題である。

俺、ザンド、デビッドの3人で12.7mmで撃ちまくればいくら大型船でも沈めるのは簡単だ。

沈めない場合でも舵を射貫いて破壊し、メインマストの根元に撃ち込んで折れば航行不能になる。

うん、相手が言うことを聞かない場合はこれにしよう。


俺はすぐ横に居たマークに合図し、ザンドとデビッドを伴って小型船に移る準備をする。

まず船尾の領旗を外して鞄に入れる。

執事のセバスチャンの持っているランバート領の名前の入った正式の記録票を受け取る。

もし交渉になった場合にこれに書き留めて交渉記録とするのだ。


小型船の併走している左舷に言って大声で叫ぶ。

すると砲兵の1人がこちらを見て小型船を近寄せて来る。

ほぼ真横まで寄って来たのでそちらに4人移乗すると言う。

ほぼ停止している海賊船に巧妙な推進器捌きで近寄せて来たので舟大工に縄ばしごを降ろしてもらう。

それを砲兵の1人が掴んだのでまずマークが降りて行く。

次にザンドとデビッドが降り、最後に俺が降りる。

波で少し揺れたがマークが俺を受け止めてくれた。


「さて、西の方の沖合いに大型船が3隻近づいて来ているんだよ。今からそれを確認しに行くよ。海賊船だったら砲撃で撃滅。外国船だったらここは我が領なので臨検をする。相手が貿易をしている国の船なら問題無いと思うけど、西の隣国の船だったりその他の国の船の場合はこちらを無視したり敵対行動をする場合が考えられるんだよ。その場合の対処方法を言うね。」


俺はテーブルと椅子とメモ用紙の束をストレージから出して座る。

メモ用紙に鉛筆で箇条書きしていく。

・海賊船の場合はまず警告してそれでも引かない場合は40ミル砲で船尾の舵を砲撃。

 それでも降参しない場合は中央のメインマストを砲撃。

・取り引きのある外国船の場合は領主代理としてマークが交渉し、こちらの先導に従う様に指示する。

・上記以外の国の船の場合、まずマークが領主代理として臨検する事を伝える。

 臨検に従わなかったり、攻撃して来る様なら警告をした後に40ミル砲で砲撃する。

 目標は第一に船尾の舵、次に中央のメインマストを破壊する。


「これくらいかな。意見を聞かせて欲しい。」


「マーティン様、もう少し強気に出ても良いかと思います。この海域はランバート領ですので、無断侵入だと宣言して従わなければ武力で殲滅しても構わないという理屈が成立します。相手国の法は関係ありません。この海域では我が国我が領の法律が最優先です。」


お、おう。

海自や海保の動きを知っている俺からすれば野蛮人の所業だな。

しかし前世でもこれくらいの時代はこれが普通なのだろう。

俺はマークに書いたメモをベースに、相手の動き次第で自由に動く許可を与えた。


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