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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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295◇海軍偵察機

295◇海軍偵察機

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俺の提案に中将と団長はしばし見つめ合っていた。

いや恋心じゃないよ?

お互いの影響力の牽制だな。

どっちが主体になるか、主権を握れるか。

まぁ実務部隊としての情報局と、研究機関としての魔法団なんでそもそも立場が違う。

ならば協力するのがお国の為であろう。


「その件は後回しにしませんか。ここでやらずとも王都に帰ってからにしましょうよ。それよりも海軍ですよ海軍!」


「うむ。現在の陸軍の組織を基本として海軍特有の構成要素を入れる事になるな。ここに同席している外務課代表の前職が外国の海軍に所属していたので、彼の意見を聞きながら大枠をまとめているところだ。船舶、船員、造船、航海、海上戦闘、海上補給、海上訓練。船も戦闘艦だけでなく補給艦や輸送艦も必要になるしな。」


「海軍にも魔道エアクラフトは必要になりますよね?船上から発進して敵情偵察をし、帰還時は海面に着水したらいいですし。」


「マーティンよ、どうやって船の上から離陸するのじゃ?あれは翼を広げた状態で20サブキロムくらいの滑走が要るのではなかったかいのう?」


「機体の下に中空の軽い円柱状の浮きを2本間隔を空けて付けます。機体は2本の浮きに乗っかって海面に浮いている状態ですね。海面が凪の状態ならそのまま水面を進めば離陸出来ますが、波があるとそうはいきません。なので射出機・カタパルトを使います。」


「射出機という語感からして魔道エアクラフトを船上から放り出すのか?あんな大きい物をどうやって放る?」


「発射原理は40ミル砲ですね。発火魔石の爆発力を利用して力を加減しながら機体を撃ち出します。具体的には長い棒とそれが少し余裕を持って収まる円筒を組み合わせ、端部で発火魔石を加減しながら爆発させると中の棒が押し出されますよね?その棒でレールの上に乗った魔道エアクラフトの尾部の頑丈な吊り金具を押し出すと急激に加速し、10サブキロム程度のレール長で離陸速度に達します。」


「ほう、40ミル砲の砲弾の代わりに機体を撃ち出すという訳じゃな。なるほど、棒と円筒の重ね合わせの長さを長くして、隙間をある程度空けておくと発火魔石の爆発で押す力がマイルドになって長時間続くという訳じゃな?」


「そうです。同じ発火魔石を使うにしても、やり方によっては砲弾とは全く違う物も撃ち出せるという事ですね。」


WW2時代の戦艦の艦尾に付いていた水上機用のカタパルトだな。

あれは水上偵察機の大きさの関係で20mくらいあったが。

3座機は軽いし元々離陸距離は短めだし4発エンジンなんで瞬発力もある。

3人乗っても10mもあれば十分離陸出来るだろう。


空母?

そんなものは作らないよ?

何故発足したての海軍に空母が要るかなぁ。

相手も居ないのに航空母艦は無駄が多すぎる。

何故にあんなに広い甲板を航空機の発着の為だけに空けておかなけばならないのだ。

それくらいなら魔道エアクラフトを発展させてVTOL可能な様にし、近代護衛艦の艦尾のヘリポートの様にするのが合理的だろう。

偵察目的ならもっと小さい機体でもいいので、複座機を改良すれば割と簡単に出来るかもしれないな。


「また何か思いついた様じゃな。後できっちり聞かせるのじゃぞ。お主の手助けをするのが儂の生き甲斐になってきとるしのう。」


「エリミネーシャ団長殿、あまりマーティンに干渉するのは遠慮していただきたい。そうやって無理矢理魔法団に引き込もうとしても本人は嫌がっているのではないですか?」


「モーガン中将もそう意固地にならずとも良いのではないか?何もマーティンを独占して情報局を疎かにせよとは言っておらん。どのみち実行するには情報局の配下の工場や工房が要るしのう。」


「すみません、私が海軍と飛行機械をいきなり結びつけてしまいまして。その前にまだ海軍は形すらありませんよね?まず明日の予定を話しませんか?」


俺が仲裁に入ると両人とも少し罰の悪そうな顔をしてお互いにそっぽを向いた。

痴話喧嘩かよ!


「まず海賊船がどの様な物かを見ていただきたいと思います。従来、外国の大型貿易船はこれらに襲撃されてたびたび積み荷を奪われておりましたので、その手口などは捕虜にした海賊船員に聞けば分かると思いますし。」


「そうだな。まずは海賊の手口が分からない事には対抗のしようがない。だがマーティン、君の40ミル砲があれば遠距離から牽制や撃退は出来るのではないか?」


「毎回いきなり砲撃していては外交にならないでしょう。たとえ海賊でもある程度牽制して貿易船から引き剥がし、相手の素性や狙いなどを聞き出してからの方が後で色々な面倒事が起きにくいと思います。」


「それはどういう意味だい?まるで海賊に人権がある様な言い方だが。」


「相手が単なる海賊なら問題ありません。相手が海賊に偽装した敵国海上兵力だった場合には、それがきっかけとなって2国間の全面戦争に発展する可能性があると思うんですよ。そうならない為にもまず砲撃以外の武力で相手を大人しくさせ、相手の正体を晒させる為にも拿捕出来るだけの戦力が必要と思います。」


「まぁ今のところ我が国以外は魔道銃も魔道砲も持っていないから撃って来るにしてもせいぜい弓矢だろう。ならば盾1枚で防げるからやり様はあるか。だが、そう言う君自身、5隻も砲撃で撃沈しているではないか?」


「あれは多勢に無勢で、明かに襲撃目的で来ていましたので砲撃で対処しました。まぁ今後は色々なケースがあると思いますので、そこら辺は臨機応変にするしか無いと思います。」


「何か誤魔化された様に思うが、確かにあれだけの人数の海賊が一旦上陸するとシラハマは蹂躙されていただろうな。それを数人の砲撃で押さえられたのだから理屈は通っているか。」


ふぅ、何とか言いくるめられたな。

実はチート武器のバレットM95の12.7mm弾で海賊船が再利用可能な様に狙って撃っちゃいましたよーなんて言ったらどんな顔をするかな?


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