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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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293◇トップ会談

293◇トップ会談

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中将は状況説明の後、こちらへの要望を話し始めた。

先日マーティンからの報告で海賊船の襲撃を2度に渡って撃退し、更に海賊の拠点まで行って残りの制圧と無傷の海賊船を拿捕した事を聞いた。

我が国には現在海上戦力が皆無であるが、このマーティンが成し遂げた拿捕した海賊船で、これを使って我が国の「海軍」を創設しようと思う。

ついては、ランバート領に全面的に協力をお願いし、シラハマの一部に「海軍」の拠点を作らせて欲しい。

「海軍」は国軍の一部ではあるが、命令系統は陸上軍とは異なるので独自の裁量を持った指揮官を配置する。

但し、シラハマの港町に対しては緊急時以外は命令権を持たず、衣食住と船舶製造整備に関してはシラハマの港町との商取引で行う事とする。

商取引はランバート領の承認を必ず取り、取引記録と取引税を納入するものとする。


「以上の様な対応策を考えていますが、何か不明点やご不満点はありますでしょうか?」


「ひとつお聞きしたい。マーティンがシラハマに既にランバート領の領兵で海上防衛組織を置いていますが、それとの関係性はどの様にお考えでしょうか。」


「ごもっともな質問です。マーティン君の作られた海上防衛組織は既に稼働しており、実績もありますのでそれを参考にさせて貰います。勿論、普段はランバート領の警察権として優先して動いていただき、海軍はそれに従う事とします。但し、海軍の人員と装備が充実した後は対外的な戦闘や国同士の交渉は海軍がする事とし、海上防衛組織は警察権の範囲で行動していただく事になるかと思います。」


「それで十分です。国同士の交渉は荷が重すぎますし、判断にも困ります。戦力面でも当領では対応しかねる場合も多くなると思いますので、海軍が主体で対応していただく事に何ら不満はありません。」


親父殿も対外国の処置を自分でしなくとも良くなったので少しほっとした様な顔になっているな。

領兵を大人数常駐させるのにも費用がかかるし、戦闘になって損耗すると莫大な損失が出る。

それを国軍下の海軍が代行してくれるのだから願ったり叶ったりだ。


「では、基本的な方針はこれで良いとしまして、次は海軍の拠点を置く土地と海岸の借り受けについてですね。海軍として十分機能させる為には最低100人は常駐させる事を想定しています。また、軍船も最低3隻は必要になると思いますので、それを満たせる土地はありますでしょうか?」


「少しお待ちください。」


親父殿がシラハマの資料を見ながら執事のセバスチャンと小声で何か話している。

すぐ隣に居る俺には全部聞こえているな。


「この漁港のある埠頭付近は市場があるので空きは無いな。」


「その周辺も漁民達が漁船の整備小屋や寝泊まりする小屋を作って集落みたいになってますので無理ですね。」


「ではこちらの東に岬一つ離れた海岸はどうだ?」


「ここなら漁民もその周辺の商人もまだ殆ど入っていないので空けさせる事は可能と思います。浅瀬になっていますので大型船を停めるには長い桟橋が要りますが、過去に数回作られた事はある様なので今でもそれが残っているかもしれません。新に作っても浅瀬なのでさほどの工期は必要無いと思われます。」


「市場のある港までは歩いて10分といったところだな。馬車なら3分か。まぁ許容範囲だな。よし、ここを暫定予定地として案内してくれ。」


「承知致しました。では後ほどシラハマに視察に行く時にご案内します。」


やっと打ち合わせが終わって、親父殿がシラハマの地図を見せる。

周辺まで書き込まれていて、件の海岸もかなり詳細に描かれている。

そこを指さしながら中将に説明する。


「こちらに良さそうな海岸の土地があります。今は殆ど利用されておらず、大型船を使うには浅瀬なので長い桟橋を使う必要はありますが、100人以上の軍隊を置く施設を作る広さは十分にあります。」


だいたい海岸に開けた場所は60m四方くらいあった。

少し小さめの小学校の校庭くらいの広さだな。

200人規模の官舎を建てるくらいなら楽に出来るだろう。

小型船を引き込んで整備する船小屋もいくつも置けそうだ。


「ありがとうございます。現地を視察させて頂けませんでしょうか。そのついでと言っては何ですが、拿捕したという海賊船とマーティン君が作った高速小型船も見せて頂きたい。」


「もちろんです。今日はもう遅いですので、明日の早朝から行く事にしましょう。現地での打ち合わせも必要でしょうし、市場や漁民の組合などとの折衝も要るかもしれませんし。」


「そうですね。補給は全面的にシラハマの市場に依存する事になると思いますので、こちらの人数と合わせて取り引きの試算も必要になるでしょうし。まぁ最初から100人は置きませんのでご安心ください。」


シラハマの全人口が500人程度なので、100人急に増えると食料調達が間に合わなくなる。

まぁ当面は領都から補給して貰ってもいいのだが。

後は歓楽街も必要になるかもしれない。

飲み屋、色屋、賭け屋だな。

前世のバー、スナック、パチ屋相当だ。

100人規模になると治安維持の為にも兵士の息抜きには必要になる。

シラハマの港町にも数軒あるが、とても100人規模の相手は不可能だ。

場所は市場と軍港の中間辺りにでも作ればどちらからでも行けるので都合が良いな。

店の補給もあるし、港町から従業員が通うにしてもかなり近い。

これが出来れば国軍がシラハマに落とす金も多くなるし、軍属のガス抜きになって犯罪も減るだろう。


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