289◇出張メンバー
289◇出張メンバー
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伝書鳩便を飛ばしてもらった次の日の夕方、叔父宅の執事が親父殿からの鳩便返信を持って来た。
さすがに早いな。
優秀な伝書鳩は500kmくらいなら1日足らずで飛ぶ。
返信を受け取って暗号表と照合する。
暗号表の識別は文章の巻末に付け加える平文で示されている。
常套句の挨拶の様に見えるが、それの並びや文字数で判別する。
手元にある暗号表の束のリストと見比べて使う暗号表を抜き出す。
この暗号表と見比べて1文字ずつ本文を置き換えていく。
かなり面倒だが、情報が漏洩した時のリスクを思うと仕方がない。
そのうちエニグマみたいな自動暗号化・復号化装置でも作ろうと思う。
いずれ誰かが解読するだろうが、その頃にはもっと複雑な暗号化をしているさ。
送られて来た手紙の暗号は20分ほどかかってやっと文字の置き換えが完了した。
親父殿曰く、
情報局中将の訪問は了解した。
拿捕した海賊船はマーティンの代理として商談をし、シラハマでの海軍創設協力の打ち合わせをする。
小型船に新に積んだ推進器と安定化装置付き40ミル砲も希望次第で商談をする。
魔道銃、40ミル砲の王都での製造依託打診も了解した。
マーティンのスキルで出した物は全て秘匿する。
いつ来ても対応出来る様にしておくのでなるべく早く来訪されたし。
だそうだ。
早速次の日の朝、情報局に行って親父殿の返信を丁寧語に訳して俺関係の秘密を削除した物を中将に見せる。
中将の方も今か今かと待ちわびていたみたいで、素早く読み終えて部下に伝令を走らせる。
30分も経たない内に中将の部屋に5人の男が集まった。
今回、ランバート領に行くのは以下の6人だ。
情報局モーガン中将
情報局新規部署検討グループ代表
情報局技術開発課代表
情報局設備保全課代表
情報局外務課代表
情報局購買課代表
そこに何故か魔法団の団長が部下を2人連れて同席していた。
俺が不審な目を向けると、
「そう胡乱な目を向けるでない。中将の許可は取っておるから安心せい。儂もお主の郷里には興味があるでのう。まだ席に余裕があるそうじゃから参加させてもらう事にしたのじゃ。」
のじゃって言われても、役職はあちらが遙かに上だから文句も言えない。
まぁ今後のブレイン関係の事もあるので喜んで引き受けよう。
「失礼しました。団長さんはてっきり魔法団から出ずに活躍されていると思ってましたので。案外活動的なんですね。」
「それ、儂をバカにしておるじゃろう?儂がこんななりじゃから大人しく団に篭もってでも居ると思ったか?これでもそこの中将の倍は生きておるでのう。以前は学園に請われて魔法の指導にも頻繁に行っておったものじゃて。」
あ、中将が苦い顔をしている。
叔父が言ってた学園での魔法のシゴキの事だろうな。
中将もそんなに叔父と年は離れていないだろうから被害に遭ったのかも。
「さて、今回は合計9人を乗せて行ってもらう事になるが、君も当然来るのだろう?」
「はい、先日頂きました試作3座機で行こうと思います。スカイコンドルにはもう話はされているんですよね?」
「うむ。それは抜かりはない。4人確保しているし、護衛は彼らに兼任させる。残りの1機は君の所の護衛が操縦出来るのだろう?」
さすがに情報が早い。
まぁ情報部のボスなんだからそれくらいはすぐに分かるか。
スカイコンドルが一部始終を報告しているだろうし。
「はい、私とここに居るザンドが試作3座機、そこのデビッドが3座機の5号機を操縦します。前回と同じ構成ですね。」
「これで6機18人分に対して、操縦者6人、情報局が6人、魔法団が3人、君の護衛が1人で合計16人だ。まだ2人分余るがそれはいいだろう。余裕は持っておくものだしな。」
情報局と魔法団のトップ2人を同行させるなんてかなりリスキーだが、どうやらそんな事を言っている訳にもいかなくなって来た様だ。
東の国境は相変わらず隣国がうろうろしていて隙あらば侵入しようとしているらしく、それの警備にかなりの人手を取られている様だ。
監視もスカイコンドルの残りの2人と、その後加わった部下で分担して東の国境周辺偵察をしているらしい。
複座機は3機あるので常時2機で南北に分けて巡回し、残りの1機は予備で置いているとの事。
現場からはなるべく早く機体と人員の補充をお願いされているが、今は海賊や他国海軍が優先だ。
国境と違って海上勢力は全く読めないので急ぎの対応が必要なのである。
「では行きましょうか。向こうでは領主屋敷に泊まって頂きますので宿泊はご心配なく。」
とりあえず俺の先導で全員が動き出した。
まぁ3座機が交通手段だから仕方が無いが。
馬車に分乗して情報局から軍部工場の格納庫に向かう。
格納庫ではスカイコンドルの手によって既に3座機6機が滑走路端に並べられていた。
馬車の駐車場で全員が降りて馬丁に手綱を預ける。
モーリスとエドモンドが顔を出して来るが、今回は同行しないので軽く会釈だけしておく。
格納庫を抜け、滑走路端に行くとスカイコンドルの4人が機体の状態確認をしていた。
「おはようございます。スカイコンドル4名、機体の整備を完了してお待ちしておりました。いつでも発進可能です。」
「うむ、ごくろう。今回はこの顔ぶれで行く。乗機に振り分けてくれぬか?」
「了解しました。ではこの様に。」
スカイコンドルの1番が受け答えし、予め聞いていたのか各機に振り分けた表を見せてくる。
1号機:1番、情報局モーガン中将、情報局新規部署検討グループ代表
2号機:2番、情報局技術開発課代表、情報局設備保全課代表
3号機:3番、情報局外務課代表、情報局購買課代表
4号機:4番、魔法団団長、魔法団護衛1
5号機:デビッド、魔法団護衛2
試作機:マーティン、ザンド
だいたい俺の予想どおりだな。
偉いさん順になっている。
魔法団がその後になっているのもまぁ妥当だろう。




