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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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288◇伝書鳩便

288◇伝書鳩便

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昼食を終えて叔父への報告も終わったので、自室に戻って父親に送る伝書鳩便を書く。

今となってはスカイコンドルの1人に依頼して手紙を届けて貰う方が早いんだが、それほど極端に急いではいないのでコスト的にもかなり安い伝書鳩便を使う意味はある。

まぁ俺が自分の試作3座機で飛べば一番早いんだが、さすがに疲れているのでそれは勘弁だ。

今後密閉型キャビンや魔道ビーコンによる自立航法装置、全周囲魔力検知アラートなどが実用化されればランバート領までの距離は楽に熟せる様になると思うが、今はまだネイキッドバイクで長距離ツーリングした程度の疲労感はある。

欲しいのは前世の自動運転車でいうところのレベル2+だな。

高速道路などの一定条件下での定常走行時に全自動となるオートパイロットだ。

予め空路を決めてそこをトレースするだけなら何とかなるだろう。

離陸や着陸は今の魔道技術では到底無理だし、たとえ出来ても任せるのは怖い。


当面、魔道エアクラフトは軍専用なので、前世のWW1時代の複葉機の連絡機の様な使い方だろうな。

パイロットは軍人なので相当に鍛えられていて、尚且つ交代人数も多く準備出来るだろうから運用面での心配は無いだろう。

個人郵便にしても今後航空郵便事業が軌道に乗って、定期集配する様になれば他の多数の郵便物とのシェアになるし、本業の軍事連絡のついでになるので更にコストの概念は下がる。


伝書鳩便は各自自前で自領や自宅で伝書鳩を育成して用意して予め相手側に送る手間があるし、なにより生き物なので確実性が低い。

なので1回の送信で3羽は送るのだ。

途中で戻り先が分からなくなって行方不明になるのも居るだろうし、飛行中に猛禽類に捕食されたり休憩時に肉食獣に捕食される場合もある。

まぁ何回か到達している鳩が繰り返し使われるので徐々に成功率は上がってはいるのだが。



父親には以下の様に送る。

情報局のモーガン中将にシラハマの事を伝えたところ、是非自分の目で見て確かめたいとの事。

拿捕した海賊船の購入やシラハマでの海軍創設に関する現地協力の打ち合わせをしたい事。

魔道銃や40ミル砲の王都の大手鍛冶業者への製造委託に関する打ち合わせと契約をしたい事。

俺の出した魔長銃(89式)や魔強銃(バレットM95)は秘匿したいので俺の部屋の武器庫に移動する事。

魔拳銃も秘匿したいので装着を外して俺の部屋の武器庫に移動する事。

とりあえずこの程度で良いだろう。

鳩便は重量制限がきついので、なるべく簡潔にしないとならない。

また、他人に拾われる事も考慮して暗号で書くのが習慣になっている。


暗号の基本は文字置き換えの対比表だ。

30種類くらい作っており、対比表の名前も身内でしか通用しない慣用句を当てはめている。

更に自衛隊装備に関しては「俺の好きな果物」で表しているので暗号が解けても何の事かは分からない。

これはランバート家専用で、叔父を含むランバート一族の男しか知らされていない。

まぁ兄には対比表は基本的な5種類くらいしか教えていないので、兄を除外する時はそれ以外の25種類の中から使うが。

どうも先日の俺に対して激高した件以来、親父殿の兄への評価はかなり下がった様で、少し距離を置いている様に感じられた。

その時に親父殿は兄が態度を改めぬと俺に領を継がせるかもしれぬと脅していたが、それは勘弁して欲しい。

俺は叔父のように王都近郊で気ままに暮らしたいのだ。

どうにかして兄をやる気にさせてランバート領を継いで貰わないとならない。

それに俺も地元という拠点を残しておきたいので、兄とは仲良くしてランバート領との繋がりを維持しておきたい。


まぁ兄も多感なお年頃である。

15歳と言ったらまだ中学3年生だ。

前世なら義務教育も終わっていない子供である。

俺はいいんだよ。

今世の記憶の代わりに前世の35歳までの記憶と経験があるんだから。

今更反抗期とか中二病とか言っている場合ではないし。


暫くは兄との学園での遭遇は出来るだけ避ける事とし、帰省時も屋敷からなるべく出る様にしよう。

食事の時は仕方が無いが、その時は親父殿が居るのでそこまで荒れはしないだろう。

まぁ全ては俺が年下の弟であるという一点から来ていると思うが、それはどうしようもない事なので諦めて欲しい。


次の日の朝、親父殿に送る伝書鳩便の書面が出来たので執事に渡して送ってもらう。

同じ文面を3通書いて3羽の鳩の足に付ける小さい筒に入る様にしている。

それぞれに番号を付けてどれが不達だったかを後で確認出来るようにして、伝書鳩便の改善データとして役立てている。

叔父宅の鳩舎の管理と鳩の訓練は専門業者に依託している様で、伝令で呼べばすぐに来てくれるらしい。

ただ、送るだけなら執事でも出来るので俺の手紙を鳩の足の管に固定して空に放っていた。


鳩便に使う伝書鳩は繰り返し飛ばしていると能力の高い鳩だけが残って来るな。

どんくさい鳩は途中で迷ったり飛ぶのを諦めたりするらしい。

危機察知能力が低いと猛禽類や肉食獣にすぐに狩られるだろうし。

なので俺が送った鳩便はほぼ確実に届いていた。

だが、鳩の能力の全盛期は短いのでいつまでも能力の高い鳩だけを使う訳にはいかない。

常にランバート領の伝書鳩用鳩舎で育成と訓練を繰り返して、世代交代で使える鳩の数を確保するのだ。

これが結構手間暇とコストがかかるらしいので、航空郵便事業が始まったら一気に状況が変わるな。


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