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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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287/338

287◇親心

287◇親心

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情報局を辞してモーリスとエドモンドを軍部工場に送り届け、俺と護衛2人は叔父宅に帰った。

最近頻繁に外泊しているので叔父には迷惑と心配をかけている。


「ただ今帰りました。叔父上、シラハマの港町の守りは強固になりましたよ。」


「それはいい知らせだ。疲れただろう、昼食はまだだろうからダイニングに来て色々聞かせてくれないか。」


叔父家族はもう昼食は終えていたので、俺と叔父だけがダイニングに行き、料理長にすぐに出せる物を頼む。

夏なので冷製スープとローストビーフ、パンとサラダはすぐに出て来た。

魔道具の冷蔵庫があるので便利だな。

半分くらい食べたところで叔父が紅茶を飲みながら聞いてくる。


「マーティン、今回あった事のあらましを説明してくれないか。君の行動を束縛する訳ではないが、兄上に君の世話を頼まれている関係上知っておきたいのでね。」


「当然です。全てお話します。これはランバート領に関する事なので叔父上も全て知る必要がありますので。」


とりあえず現状を話す。

最初は外国の大型船の出港時に海賊船2隻が襲って来たのを遠距離射撃で沈没させた事。

次に海賊船3隻がシラハマの港に来襲して来たのを港に着く前の海上で遠距離射撃で沈没させた事。

更にこちらから海賊拠点の島に討伐に向かい、現地の海賊残存勢力を制圧し、停泊していた海賊船1隻を無傷で拿捕した事。

3回の戦闘で全ての海賊は捕縛し、罪状に応じた処置は全て終わった事。

3回の戦闘は全て俺のスキルで出した兵器で攻撃したが、対外的には魔道銃と40ミル砲で対処した事にしている事。

今後の防衛の為の迎撃用の兵器として40ミル砲を積んだ小型船で高速に航行出来る物を作った事。

それに必要な部材を予め王都の工場で作って、3座の魔道エアクラフトを6機連ねて一気に運んだ事。

その後に王都に帰還し、情報局のモーガン中将と魔法団のエリミネーシャ団長に報告して国軍の海軍準備の同意を得た事。

海軍はシラハマに拿捕してある海賊船を改装して使い、拠点軍港としてシラハマの一部を借り上げる予定との事。

魔道銃と40ミル砲の製造を王都の大手鍛冶業者に製造委託すべく、ガーソン工房から鍛冶職人を4人程度派遣したい事。

中将は現地視察と父親との打ち合わせと契約の為に、文官を連れてランバート領を近日中に訪問したいとの事。

伝書鳩便で父親に中将訪問の打診と俺の出した兵器の隠蔽を依頼する書状を明日一番に送りたい事。


叔父は途中で覚えられなくなって来たの執事に命じて書記をさせていた。

俺も書き留めやすい簡潔な表現で最初から話す。

最後まで話し終えるとかなり膨大な量になったので叔父が呆れていた。


「これ本当に君一人でやったのかい?もはや伝説の勇者か賢者みたいな働きっぷりじゃぁないか。しかも海賊の襲撃をことごとく撃退して拠点まで潰している。しかも今度は国の海軍をシラハマに置く同意まで取って来ているとは。」


「私は実際にはスキルでの射撃以外は直接手は下していないんですよ。全て周囲の優秀な協力者があってこそ出来た事ですね。私の言う無理難題を努力して熟してくれて、それを周囲にも広げてくれたので実現出来たので、決して私一人の力ではありません。」


「それでも、君が馬車の事故に遭わなかった実現していなかっただろう。叔父としてこれはどう表現すれば良いか分からぬが、ランバート領とこの国にとっては今が最良なのだろうな。」


親父殿と同じ事を言っているな。

たぶんかなり言いにくいのだろう。

元のマーティンが居なくなった事は悲しむ事だが、今の俺が入ったマーティンは実績が凄まじい。

親世代の大人として子供らしさを欲する一方で、自領と自国の利益の為には今の俺を否定する事は出来ない。

この錯綜した感覚が面はゆい感じはするな。


「いえ、言いたい事は良く分かります。私も似たような感覚は持っていますので。元のマーティンの記憶と感情を追い出してしまった様な後ろめたさと、一旦は死んだ自分が今ここに生き返った喜びとのせめぎ合いで悩む時もあります。」


本当にどうしてこうなったんだろうな。

地球とは明らかに違う惑星であるこの星は魔法が使える。

地理も言語も風習も地球とはかなり異なるが、どこか西洋の中世の様な近似点もあるしな。

そうなると地球と同じ宇宙空間ではない気もしてくる。

多次元宇宙の隣接する世界同士が接触か衝突した事でその時に同時に死亡した2人の精神的波長が同期し、入れ替わったのかもしれない。

幸いマーティンは頭を強く打ったが、その他の外傷は殆ど無かったので俺の精神が入って回復する余地はあった。

だが、恐らく俺の肉体に入ったマーティンの精神は肉体ごとトラックに押し潰されて消えているだろう。

まぁ幽体の概念がどうなるかで変わるが、一般的には肉体が滅べば精神も滅ぶ。


「兄上も手紙で寄越していたが、君の事はもう吹っ切れたと書いていたな。まぁこれだけの実績を積まれれば言っては悪いんだけど、マーティンの生まれてからの12年間は無かった事にするという事だ。」


うん。

これだけ吹っ切れてくれれば俺としてもやりやすい。

俺の精神上甘える事は出来ないが、頼りにして遠慮無く要望はさせて貰おう。

まぁ既にかなりのレベルで要求はしているので今更ではあるが。


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