279◇魔道ジェット船増産
279◇魔道ジェット船増産
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さて、これでシラハマでやる事は全部済んだんで領都に帰る事にする。
ちょっと日が暮れかかっているのであんまりのんびりとしている訳にはいかない。
まだ夜間飛行はこの面子では無理だしな。
もちろん、俺一人でも無理だ。
何とかして魔法兵の魔力探知に頼らない夜間飛行方法を編み出さないとな。
「さて、今日はもう領都に帰るよ。日が暮れると飛べなくなるし。かと言ってここに泊まるとなると駐機している6機が心配だし。あ、そうだ、今日乗った小型船を陸揚げして置ける専用の小屋を海岸縁に作る相談を船大工の人としといてくれない?3隻並んで海岸から陸揚げ出来る様にしたいんだ。費用はこっちが出すからその前提で話しておいてよ。」
「承知しました。あのまま船大工の工房に置いたままかと思っていました。そうですよね。領軍の一部なので専用の船小屋は要りますよね。」
「うん。完成したら正式に領軍の施設にするし、それと併設して簡易宿泊所も作れたらいいな。」
「はい、それも承知しました。見回りから連絡を受けてすぐに出動出来る様にですね!訓練する時の休憩所や打ち合わせの場としても使える様に考えます。」
「では、とりあえず暫定でシラハマ・シーウルフの発足としようか。追加の2隻の準備が出来たら連絡するから待っててね。」
全員の歓声と共に俺達は砲兵の宿泊所を後にする。
俺、ザンド、デビッド、モーリス、司令官のグレゴリーが徒歩で別荘まで行き、管理人のニックに声をかける。
「今日の目的は達せられたんで領都に帰るね。飛行機械で帰るから日が暮れるまでには着くから心配無用だよ。」
まぁ30分程度の近場だもんな。
これが馬車なら半日行程なんだけど。
そのまま崖上の駐機している所に行き、待っていたスカイコンドルの4人と領兵に声を掛ける。
「やぁお待たせ。今回の目標は達成出来たんで今から領都に帰るよ。グレゴリー達もありがとね。助かったよ。」
「いえいえ、マーティン様のご活躍、この目でしっかり確認させていただきました。凄いもんですね。」
まぁ魔道エアクラフトも魔道ジェット船も初見だったろうから驚くのも無理は無い。
だがまだまだこれからである。
やる事が多すぎてもう一人の「俺」が欲しいくらいだ。
ホムンクルスを作って自分の意識をコピーするのが魔法世界の定番だが、ゴーレムであの程度なので到底無理だろう。
まぁ自分のコピーを作って反乱でもされたら目も当てられないので、たとえ作れても作ろうとは思わないが。
「さて、さっさと帰ろう。日が暮れると迷子になるし。」
スカイコンドルの4人に少し笑いが起きる。
彼らも多少の魔力探知は出来るが、地上の生物の精密な探知が出来るほどではない。
俺もある程度は出来るが、リンダ軍曹の様な精密探知は無理だな。
こればっかりは向き不向きがあるらしく、鍛錬してもあのレベルに達する人は稀らしい。
そして、リンダ軍曹は魔力精密探知が出来るのだがそれだけでは正確なナビは無理だ。
精密な魔力分布地図無しではいくら高性能なリンダ軍曹でも領都までの案内は難しいだろう。
いや、彼女ならコンパスと併用すれば何とか領都にたどり着くか?
まぁ近いとはいえ60km程度はあるので、僅かな角度ずれで領都の大きな魔力塊ですら探知範囲外になるのでやっぱり無理だな。
「マーティン様、スカイコンドル、準備完了しました。いつでも飛べます。」
「昼飯も出さずに無理を言ったね。実は僕たちも何も食べてないんだ。ちょっと夢中になっちゃってね。早く帰って何か作ってもらおう。」
とりあえず全員準備完了とのことで、地面に打ち込んだ杭を抜いてロープを巻き付けて仕舞う。
魔石の魔力はまだ十分なはずなので領都に帰ってから補充しよう。
試作機に俺とモーリス、5号機にデビッドとザンドが乗る。
1号機から4号機はスカイコンドルの1番から4番だな。
行きと違って積み荷が無いので軽いものだ。
俺を先頭にまだ海風が吹いている中を次々と離陸していく。
上空で旋回しながら編隊を組み、地上の領兵に大きくてを振って一路領都を目指す。
海賊拠点がどうなったか気になるが、今の陣容では手が足りなさ過ぎて確認のしようがない。
まぁ後続が来てシラハマに攻め込んだとしても既にシラハマ・シーウルフが居るのだ。
それに加えて灯台下の残り2門の40ミル砲もある。
彼らに任せておこう。
万が一にも負けることはあるまい。
領都から見てシラハマは南東にあるので北西に進むことになる。
夕日が逆光になって眩しい。
サングラスかスリットグラスを作る必要があるな。
前世でもパイロットにサングラスは必須だったし。
6機で編隊を組んで飛ぶ。
もうかなり慣れたものなので、編隊も一糸乱れずというまでになっている。
最後尾のデビッドがちょっとふらついているくらいだな。
スカイコンドルの4人は俺のすぐ後ろをピシッと安定して付いてきている。
わざと速度を微妙に変えても即座に追従して来て隊列は乱れない。
まぁ最後尾のデビッドだけはワンテンポ遅れるが。
これは訓練にかけた時間の違いだろう。
彼らは3座機の前の複座機でもかなり長時間乗っているはずだ。
王都から東の国境までの往復だけでも相当の回数こなしているだろう。
ザンドも一応飛べる様にはしたが、一人で飛ばせるにはまだまだ不安が残るな。
そういう事も含めて、ランバート領としての飛行部隊も持ちたいと思う。
王都に帰ったら早速中将に海賊の件と絡み合わせてランバート領を航空特例領としてもらおう。
まずは国軍で定期便を出してもらうとしよう。
3座機が5機あるから機体をローテーションして1機ずつ王都-ランバート領間を定期運行して訓練代わりとし、ついでに俺関係の運搬もして貰う。
これだけホットな話題を提供しているのだ。
まさかやらないとは言わないよな?




