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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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277◇魔道ジェット船訓練

277◇魔道ジェット船訓練

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「さて、「シラハマ・シーウルフ」は君たち3人がとりあえず先発専任となるよ。だけど頃合いを見て残りの2組にも操船と船上砲撃を覚えてもらって欲しい。更には交代の組が来た時には彼らにも訓練込みの引き継ぎをしてね。」


「マーティン様、その「しーうるふ」というのは何でしょう?」


後ろで聞いていたデビッドが不思議そうに聞いてくる。

確かスカンクワークスの時も聞いていたな。

まぁ前世の米国の攻撃型原潜のクラスネームなんで知らないのも当たり前だ。

単に俺自身が気に入ったから付けただけなんだけど。


「異国の言葉で、海の狼という意味だよ。シラハマに所属する、海賊を狩る海の狼。いいと思わない?」


まぁ撃ち出すモノがトマホークミサイルではなく鉛玉砲弾なんだけど。

デビッドは微妙な表情をしたが、砲兵の3人は嬉しそうにお互いにその名前を声に出していた。


「マーティン様。シラハマ・シーウルフ先発専任、お任せください!」


うん、全面的に任されるというのは嬉しいもんなんだろうな。

名前はともかく。


とりあえず40ミル砲スタビ付きはロープで括って仮に固定しておき、操船の訓練に入る。

砲兵の1番2番3番は繰り返し交代しながら推進器ハンドル操作とスロットル操作を俺の指示の下で試す。

1時間もすると接岸離岸後退も含めた操作を全員が問題無く出来る様になった。

その後、オール漕ぎに乗ってもらった船大工4人も興味を持った様で試させてくれと言って来たので、彼らも同じ様に自在に扱えるまで練習してもらう。

これにはちょっとした下心があって、残りの2セットの推進器を工房主に貸与してシラハマの船の動力化の先鞭を付けてもらいたいのだ。

軍用だけでなく、民間用でも推進器のメリットが知れ渡ればこの国の大きなメリットとなる。

魔石のランニングコストの閾値が漁師の水揚げとどうなるかは分からないから単純な漁業にはすぐには使えないだろうが、警備艇、救難艇、連絡艇などの公用には十分使えるだろう。

大型船にも使えるから外国との取引きに使う動力にもなる。

まぁ外洋になると航続距離が長いから帆走との併用になるだろうけど。

前世のクルージングヨットみたいなもんだな。

湾内や近距離は動力航行し、外洋に出ると帆走して省エネに徹する。

これで航続距離と速度の両立が出来るな。

何より途中で海賊船に襲われても動力航行であっさり逃げ切れるというのが大きい。


昼飯を食べるのも忘れて乗っている全員でとっかえひっかえ夢中になって操船の練習をしている。

よっぽど面白いんだろうな。

なにせオールで漕いだり帆を張らなくても自由に船が動くのだ。

しかも推進器の向きによっては真横にも後ろにも動ける。

船大工4人もいたく気に入ってこれは市販しているのかと聞いた来たが、まだ試作段階で販売は今のところ考えていないと言うとかなり落胆していた。

まぁ希望だけ持たせるのは迷惑なので言わないだけだが、今回の実績を踏まえて情報局と魔法団を巻き込んで「海軍」を提案するつもりだ。

まずは拿捕した海賊船を修理整備してまともに使える様にする。

これらに推進器を4セットずつ積めばとりあえずは実用になるだろう。

足りなければ6セットでも8セットでも積めば良いのだ。


海賊船は最初に沈めた中型が2隻、次に沈めた少し大きめのが3隻、無傷の少し大きめのが1隻の合計6隻ある。

これらを全て使える様にすれば立派な海軍だ。

あの大きさなら40ミル砲を両舷側に5門ずつ並べて戦列艦ごっこも出来るな。


それから数時間、さんざん操船をして乗っている全員がかなりの腕前になった。

ザンドやデビッド、モーリスまでがもうベテランだ。

気がつくともう日が傾いていたので急いで港に帰る。

船大工の4人がやらせてくれと言うので分担して操船させた。

スロットルに1人、推進器に左右1人ずつ、舳先で水先案内と操作の指揮に1人と上手い具合に分担している。

工房の水路の手前で前後を逆にし、後進でドックに入って来る。

4人の息がぴったり合って寸分の類いも無く船台に着床した。


「上手いもんだな。お前達もうこんなに慣れたのか?」


工房主が感心したように声を掛ける。

船大工の4人はしきりに凄い凄いを連発している。


「親方!これ、革命ですよ!今までの船は何だったかと思うくらいでさぁ!」


「そうですよ!オールや帆なんてもう無用の長物でっせ!」


それは言い過ぎだ。

機械物は故障する事もあるし、魔石が尽きる場合もある。

そんな時にオールや帆を装備していないと沖合で手も足も出なくなる。

まぁそれはやってる内に分かる事だから今は言わないでおこう。


船台に固定し、ロープを掛けて手動ウィンチで巻き上げる。

全員が降りて巻き上げを手助けする。

やはり前回乗ったままだったのはちょっとまずかったみたいだ。

俺が貴族だから文句も言えなかったのだろう。


船体については船大工4人が散々調べていたので補強箇所や艤装については良く分かった様で、工房主と打ち合わせをしている。

モーリスにはスタビの未使用時のロック金具の追加をお願いする。

砲兵の要望で、駐退機にもロックを付ける様に言う。

砲口から装填や清掃で押し込む時に駐退機が下がってやりにくかったそうだ。

ジャイロのメンテ方法も書いてもらう。

潤滑油が結構シビアなので定期的な交換や補充が必須なのだ。

ピボット軸受けはスプリングで与圧は掛けているが、やはり消耗するのでテンション調整は必要だ。

後でガーソンにも情報を共有してマニュアル化してもらおう。


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