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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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276/338

276◇40ミル砲スタビ付き試射

276◇40ミル砲スタビ付き試射

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人力サーボのフィードバック係数を学習し、岩礁に照準が定まったところでそのまま保持する練習をする。

まだ内海なので波が小さく、揺れはするもののジャイロの効果で照準を合わせ続けるのはさほど難しくはない。

そこで砲のハンマーに発火魔法陣のカードを差し込み、火蓋を切る。

トリガーに繋がっている紐は予め右側のハンドルに括り付けてある。

照準がピタリと安定した瞬間にトリガーの紐を引く。

40mm砲弾が発射されて駐退機が後進し、最後のゴムダンパーに当たる前に板バネで元にゆっくり戻る。

うん、砲の威力に対して駐退機のオイルダンパーと板バネの力は上手い具合に釣り合っているな。

船も少し前が持ち上がった様な気がしたが、気のせいかもしれない。

発射した40mm砲弾は岩礁の手前に落ちた。

激しく水しぶきが上がる。

100mなら直径1m以内には当たるはずだが、ずれるのはやはり駐退機の影響だろう。

まぁ俺の照準が発射の瞬間ずれたのかもしれないが。


砲兵に弾薬を再装填させ、そのままの照準で5発撃ってみる。

いずれも安定して岩礁の手前に着弾したので狙いは正確なのだろう。

改めて照準器の照門を操作して5発の着弾位置から補正し、続けて試射をする。

今度は岩礁に命中して破片が舞い散っているな。

更に5発撃って全弾命中で終了とした。


うん、100mなら百発百中だ。

スタビの効果はもの凄いな。

人力サーボが必須という弱点はあるが、これは訓練で何とかなるだろう。

俺がこの短時間でこれだけ当てられる様になったのだから、普通の砲兵でも少し訓練すれば十分だろう。


そこで再装填させて砲担当の護衛に撃たせてみる。

最初は発火魔法陣のカードを付けずに火蓋を閉めてハンマーを空打ちさせる。

俺がやったのを見ていたので簡単な説明をするだけで徐々に馴染んでいった。

30分も繰り返すと後ろから見ていてほぼ俺と同じくらい出来る様になったので実射させてみる。

これまた10発も撃つ内に岩礁にちゃんと当たる様になった。


さて、今度は主戦場になるであろう外海だ。

護衛の砲兵にスタビライザーがぶらぶらするので押さえる様に持ってもらう。

ジャイロは動かしたままなので押さえるのは容易なはずだ。

ちょっと速度を上げるので走行中の揺動をどう押さえてくれるかだな。


俺は領兵の砲兵2人に操船方法を教える。

1人が中央に座って左右のペダルでスロットル操作をし、もう1人は左右の推進器の向きを指示通りに変える。

湾を出て外海に出たところで少し沖の方にある大きめの岩礁を目標にする。

さすがに外海は波が高い。

酔うほどではないが、ピッチングだけでなくローリングもあって立ってバランスを取るのも難しい。

まぁ船大工の4人は慣れているのか、船のあちこちを小走りで点検していたが。


距離は先ほどと同じく100m程度とし、俺が先に撃ってみる。

ジャイロは回しっぱなしだったので俺がハンドルを押さえ込み、砲兵2人に装填してもらう。

その間は先ほどの砲兵にスロットルの微調整で舳先を岩礁に向け続けてもらった。

最初はブレブレだったが数分でピタリと向きが安定したな。


海は荒れている訳ではないがそこそこ波が高い。

だが、この程度で撃てなくなる訳にはいかないので頑張って人力サーボをする。

だが押さえ込む質量が大きすぎる様で狙いが十分定まらない。

俺の体重が軽いのもあるだろう。

そこで先ほど撃った砲兵にハンドルに手を添えて安定を手伝ってもらう。

2人の息の合わせ方もある様で、お互いが逆向きに力を加えると逆効果だ。

5分ほどギクシャクしていたが、徐々に馴染んでくる。

さすがに少しでも慣れた大人の腕力が加わった事で何とか安定してきた。


まず俺が照準を合わせて撃ってみる。

最初の1発は外したが、次の2発は岩礁に当たった。

岩の破片が飛び散り、ガンという着弾音が聞こえる。

次に砲兵に撃たせてみる。

初弾から当てていたな。

続けて10発ほど撃たせると6発当たって4発外した。

その後俺は砲から離れ、弾込めをしていた砲兵に追加の人力サーボを任せて砲兵だけで弾が尽きるまで撃たせた。

最初は着弾にかなりばらつきがあったが徐々に慣れていき、最後の5発は連続で岩礁に着弾していた。

一応これで「シラハマ・シーウルフ」は使える様になったな。


砲撃が弾切れで終わったので、砲のメンテとジャイロの取り扱いを教える。

砲の構造は車輪の代わりに駐退機という反動を吸収する機構がある事を教えて、現状の調整位置から触らない様に言う。

せっかくモーリスがベストな位置に調整しているので動かすとデメリットが大きい。

まぁ絶対壊れない訳ではないのでその時は何とかして貰うしか無いのだが。

装填時やメンテ時に砲身がぶらぶらするのは後で固定金具を付けると言っておく。

移動時に人が持っていなくても固定されていた方が良いので、これは最初から付けておくべきだったな。


次に回転していたジャイロを一旦止め、何故これがあるのかを教える。

ジャイロが止まったまま砲のハンドルを握らせて照準を合わせさせると、船の揺れに揺すられてとてもじゃないが、まともに狙えない。

これを体感させるだけでジャイロのメリットは納得していたな。


次にジャイロの制御ボックスの魔石の取り出し口と起動スイッチを説明し、魔石の魔力残量は常に確認しておく様に言う。

3個あるジャイロ起動スイッチは全て上に上げて使う様に言い、オン状態にすると回転が始まる。

そのままでは回転が十分上がるのに30分くらいかかるのでロープを軸に掛けてコマ回しの要領で加速させる方法も教えてやらせてみる。

これは得手不得手がある様で、1番はすぐに回せていたが、2番と3番は少し手こずっていた。

一旦加速が付くとそれを更に加速させる時にタイミングを合わせるのが難しい様で、軸にロープを絡め取られて焦っていたな。


さて、シーウルフの名前はともかく、俺抜きでスタビ付き砲を使える様になったのは大きい。

後は船自体の操船だな。


「この船は最小で君たち3人だけで動かせる様になっているからね。砲手はともかく、船の操船は全員に覚えてもらうよ。では順番にここに座って。」


護衛砲手1人、領兵砲手2人だが呼びにくいのでスカイコンドル同様に番号を付ける。

護衛が1番、領兵の階級の高い方から2番と3番だな。

いい加減な付け方だが、貴族で領主の息子の俺から呼ばれる方も名前ではなく番号の方が気軽だというのはスカイコンドルの時に経験済みだ。

指揮系統の優先順位順でもあるので、自然に受け入れられた。


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