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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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259◇砲弾運搬屋

259◇砲弾運搬屋

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その後は30分毎に操縦を交代しながら飛び続ける。

もちろん、操縦しない方は地図と眼下の地形、コンパスを見てナビをするし、周囲の魔力探知で空を飛ぶ脅威に対しての警戒もする。

決して寝ている訳ではないのだ。


巡航中のスロットルは7割くらいで、体感速度は時速120kmくらいだ。

今回は8分割魔力供給方式エンジンのおかげで途中で魔力補給をする必要が無い。

そこで空中でも腹は減るのでスロットルを絞って速度を落とし、カ○リーメイトと缶コーヒーで軽食を摂る。

もちろん操縦をしていない側が交互に摂る。

速度を落とすのは風圧で食料が吹っ飛ぶからで、だいたい時速50km程度まで落とした。

前世の地方の国道の流れくらいだな。

これくらいの速度なら手で覆えば普通に食えるし飲める。

まぁ俺が食うときに食べかすが後ろに飛んできて顔に当たるとデビッドが文句を言っていたが。

そういう意味でも効果的な風防は必須だな。


お互いに短時間で軽食を食べ終わると速度を元に戻す。

今回は休憩無しで飛んでいるので、500km相当の距離を時速120kmなので4時間ちょいで着くはずだ。

完全な直線では飛んでいないので4時間半ってとこだな。


出発したのが朝の8時なので昼過ぎにはランバート領に到着した。

今回は空飛ぶ魔物にも鳥にも絡まれなかったので89式も出さなかった。

もちろん9mm拳銃は俺もデビッドも懐に忍ばせているが。


川横の練兵場に着陸する。

すぐに兵長が出迎えてくれる。

前回の複座機より一回り大きくなった機体に少し驚いていたな。

練兵場の大型倉庫に入れさせてもらい、守備兵も2名付けてもらう。

下手に触られて壊されると帰れなくなるしな。

とりあえず2人ともトイレを借りる。

さすがに4時間以上高度1000mで飛び続けたので、夏場とはいえそれなりに冷えるな。


練兵場の馬車に乗って領主屋敷に向かう。

既に先触れは走っているそうだ。

空を監視している兵からの報告があってすぐに走ったという事だった。

ちなみに空の監視は俺の提案である。

空飛ぶ魔物の脅威もあるが、他国が俺と同時期に飛行機械を開発している可能性も拭いきれないからだ。


「ただいま帰りました。今回は運送業者ですね。」


玄関先には父親、母親、妹、執事のセバスチャンとメイド帳のマリアが並んで出迎えてくれた。

もはや俺の影響力を皆が知っている様で、誰も領主自身が出迎える事に疑問を持っていない。


「マーティンよ、ご苦労であるが体は大丈夫か?かなり無理をしておるのではないか?」


「いえ、やっている事は仕事に見えますが、半分は趣味みたいなものです。自分の作ったり関わったりした物が大きく育っていくのを見るのは嬉しい物ですね。」


40mm砲については最初は作る気は無かったんだけどな。

海賊の馬鹿野郎のおかげでバレットM95を連射する事になってしまい、それを誤魔化す為に何とかこの世界の技術で無理矢理作ったのが40ミル砲である。

まぁ作ってみたら思ったよりも性能が良かったので、せっかくだから我が領と我が国の戦力にするという事だ。

実際、シラハマの港町は現在は40ミル砲で守っている様なものだしな。


「父上、シラハマの港町の状況はいかがなものでしょうか?」


「うむ、あれから静かなものだ。海賊はおろか野盗の類いも近づいてはおらん。海賊殲滅の噂が広く出回っている様だな。」


うん、この港町や隣領、隣国の沿岸を荒らしていた大規模海賊団を短時間で全員捕縛して壊滅させた事はかなり誇張されて近隣の地域に広まっている。

曰く、高位の魔法使いが3人掛かりで雷の魔法で海賊船を沈めただの、英雄が3人並んで巨大な槍を続けざまに投げ、海賊船の横っ腹を貫いて沈めただの、隠密に長けたニンジャが3人海賊船に忍び込み、船底に爆薬をしかけて全部沈めただの。

非常に面白いんだが、現実はそんなファンタジーではない。

いや、魔法がある時点でファンタジーなんだが、俺のやったのは純粋な物理だ。

実際に解決したのはバレットM95の狙撃で12.7mm弾の威力なんだが。

バレットM95を出せる事そのものがファンタジーなので、それを言っちゃぁおしましなんだけどな。

誤魔化す代案の40ミル砲の発火魔石粉は目を瞑ってくれ。

黒色火薬でも同じ効果を出せるので実質物理なんだな。


「それは良いですね。簡単に全滅させた様に見えるので、他の海賊団も様子見しているのでしょう。でも1年も置かずして縄張りの後釜を狙ってあちこちの海賊団が押し寄せる予感はしますがね。」


「それも一応は警戒しておるな。マークを領軍全体の司令官にして、系統立てた警戒体制を整えている最中だ。魔道銃も軍の注文の20丁は既に発送しているのでガーソンには引き続き作り貯めをする様に指示している。40ミル砲は扱いが分からぬので今のところはそのままだが。」


「今回、情報局からの要望で40ミル砲の弾薬の補充に来ましたが、それ以外にも確認したい事があるので今日明日でそれをやりたいと思います。明日の午後には王都に帰る予定ですのでちょっと忙しいですが。」


そこまで玄関先で立ち話をしていたが、母親と妹がつまらなさそうにしているので荷物をデビッドに任せてダイニングに行く。

昼飯をまだ食べていない事を告げるとセバスチャンがメイド軍団に指示していた。

今回アンナは連れて帰っていないので、メイド長のマリアが面倒を見てくれている。

確か30を越えていたかなと思って顔を見ているとじろっと睨まれた。

いや、主人側の人間を睨むなんてしないはずなんで俺の勘違いだろうが。


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