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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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255/280

255◇3座機トレーニング4

255◇3座機トレーニング4

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次の3曜日、そろそろ1人で飛ばせてみようと思い、俺が1号機、訓練生が2号機という様に連なって飛んで俺の動きをトレースさせる。

デビッドももう不安無く飛べる様になっているので、訓練生の後ろを3号機で付いてくる様に言う。

3座機が3機連なって飛ぶ訳だ。

追突すると危ないので前機の真後ろではなく、左斜め後ろで20mくらい距離を空けて飛ぶ様に指示する。

高度も前機の5mくらい下を飛ぶ様に言う。

前世のWW2での戦闘機の編隊飛行の基本形に近いな。

位置は多少前後しても良いが、俺の機体を追い越さない様にと言っておく。

デビッドにも同じ指示をしたが、ある程度自由にやっても良いとこっそり伝える。


「では同時に離陸すると危ないから、僕が先に飛んで工場の周囲を旋回しているから頃合いを見計らって離陸して合流して。」


アクロバットチームなら同時離発着をするが、あれは超ベテランならではの離れ業である。

慣れていない者の離陸を見ていると結構左右にふらついている。

速度も一定せず、時折加減速をしているしな。

そんな奴に同時に離陸されたくない。

いつ横からぶつけられたり追突されるか分かったものではないからな。


スカイコンドルの1番がまずソロフライトを開始する。

離着陸も10回以上はやったのでかなり上手に熟す様になっていた。

距離感は複座機で十分に習得している様だ。

他の3人も同様だが、ザンドだけまだ不安だ。


前世の大型バイクの教習よろしく、俺の乗る教官機の後を訓練機が付いて飛ぶというのを繰り返す。

軍務で使うであろう常識的な範囲内で、S字や急加速、急減速、急上昇に急降下、最大速度に最低速度を繰り返して体験させる。

さすがに最低速度はかなり余裕を持って容易に失速しない程度にしておいたが。


昼休憩を挟んで午後4時くらいまで繰り返すと、全員が一人で自在に飛べる様になっていた。

3番なんかウキウキといった具合で「あともう一回」なんて駄々っ子みたいになっていたな。

その後は日が暮れるまで同じ訓練を繰り返す。

時々イレギュラーな動きを追加しても最後の方になったら迷わず付いてくる様になっていたな。



更に次の4曜日、本日は慣熟飛行とする。

試作3座機と量産3座機5機を全て使い、俺の乗る試作3座機の後を順番に5機が編隊を組んで付いてくるというのをする。

ザンドとデビッドは機体が足りないので交互だな。

まず俺が離陸するが、試作機は双発なのでちょっとパワー感が足りない。

量産4発機のあの瞬発力はちょっと快感になっているな。

改めてあの形式にして良かったと思う。

エドモンドには悪いが、8分割魔力供給方式のエンジンはメンテナンスも含めてまだ時期尚早だったという事だ。


スカイコンドルの4人とデビッドは複座機で飛行経験そのものは十分なのであまり不安は無い。

問題はザンドだな。

でもこれは今後の一般兵への教習のサンプルケースとなる。

彼らは何一つ知らないところから始めるのだしな。


「マーティン様!私の飛行レベルはいかがなものでしょう!」


途中から面白くなって来たのか、ザンドが張り切っている。

だがデビッドとの差はかなり大きい。

単独で飛んでいるが、ちょっと姿勢が安定していない。

あと、突発的なアクシデントに弱いな。

昼休憩で降りた時に俺が後ろに乗ってザンドに操縦させ、いきなり操縦桿を揺すったりスロットルレバーを無理矢理動かすとパニックに近くなる。

他のメンバーは同じ事をやっても落ち着き払って対処するので少しつまらないくらいだ。


「ちょっと意地悪みたいだけど、突風が吹いて来たり鳥が手に当たったりぢたら似た様な状況になるよ。そんな時でも異常の原因をいち早く確認し、素早く対策を打つ事が重要なんだよ。」


ザンドに対してはスパルタみたいになっているが、これも偏にザンド自身の安全性の向上の為である。

理屈で分かっていてもいざとなると体が動かないものだ。

それを何とかするには繰り返し体験させるしかない。


この日は5機で慣熟編隊飛行をしつつ、俺が順番に中間席に乗って不意打ちで操縦桿やスロットルレバーを揺さぶるというのを繰り返した。

1機だけ動きが乱れると編隊を組んでいる周囲も乱れる。

だが繰り返しているとだんだん慣れて来て乱れも少なくなって来る。

この調子ならバードストライクやよそ見で編隊が乱れてもすぐに立て直せるな。



最後の5曜日は訓練評価日とする。

この4日間での訓練の習熟度の確認だな。

スカイコンドルの4人とザンド、ついでにデビッドも評価する。


「では一人ずつ評価するから前席に座って。僕は中間席に座って後ろから指示するからそのとおりに飛んでみて。」


前世の教習所での卒検みたいなもんだな。

まだこの世界に飛行免許なんて物は無いので俺の独断みたいなもんだが。


スカイコンドルの1番から順番に卒検をする。

最初は教科書的な飛行ルートを指示し、離陸から着陸までを20分くらいで終わらせる。

そのまま再度離陸させ、今度は全開45度上昇をさせて一気に高度を取る。

そこでアブノーマル的な機動をさせてリカバリーまでの挙動を見る。

1回では成功せずに俺が介入した事もあったが、複数回熟すことで全員あわてずに処理出来る様になった。


最後に太陽を背にして10分間全力で飛び、俺の指示無しで元の滑走路まで戻るというのをやる。

明確に太陽を背にして飛び、帰る時は太陽に向かって飛べと言ってあるのでまず間違う事は無いと思ったのだが、ザンドとデビッドがかなりルートを外れて俺が指示して正しい方向に戻した。

スカイコンドルの4人はさすがに複座機で軍務で飛び慣れているので、眼下の地形を見ながら目印を記憶して置き、帰りはそれを探しながら太陽に向かう方向の補正をして全員無事滑走路に帰り着いた。

日が落ち始める頃には全員迷いなく飛べる様になっていたので、このメンバーへの3座機トレーニングは完了としよう。


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