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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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253/278

253◇3座機トレーニング2

253◇3座機トレーニング2

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スカイコンドルの1番に一通りの操作方法を教えたので、実際に飛ぶことにする。

俺は中間席に座り、前席の1番に操縦桿から手を離し、スロットルレバーにも触らない様に言う。

右端の赤いキルスイッチの働きも教え、通常は下位置でオフでエンジン動作、緊急時は上位置でオンでエンジン停止と言う。

これは前席と中間席でOR動作となっており、どちらかがオンになっているとエンジンは動作しないが、万一違う席のキルスイッチをオフにしたいときはすぐ下のカバーを開けると紐が見え、それを引くと違う席のキルスイッチをオフに出来ると説明する。

なんでこんなにややこしい事をするかと言えば、偏に安全の為だと言う。

前席が気絶してその時にうっかりキルスイッチをオンにした時にリカバリ出来ないとまずいもんな。


地上ブリーフィングを終え、実際に飛ぶことにする。

操作は全部俺がする代わりに、飛行姿勢と同時に操縦桿とスロットルレバーの動きを見ておく様に指示する。


「では飛ぶよ。そこの前を開けてー!」


1号機の前にたむろしていた2番以降のスカイコンドルの3人をどかす。

慌てて小走りで格納庫の方に駆けて行った。

機体の前に用も無いのに立たないなどの管制マナーも教える必要があるな。


「では説明しながら操縦するよ。最初に両足を踏ん張ってブレーキをかけ、左側にあるサイドブレーキを外す。スロットルを1ノッチ目に入れてエンジンの推力が出ている事を動作音で確認する。ブレーキをゆっくり離し、前輪を両足で操作して滑走路の風下に行く。」


1番は両手を胸の前で組んでガチガチに緊張している。

操縦桿とスロットルレバーを忙しなく見比べているのだが、その動きがロボットみたいだ。

カクカクと動いていたので後ろから両肩を叩いて落ち着かせる。


「緊張しないで。まぁ前席で前に何も無いから怖いのも無理は無いけど、複座機でも経験はあるでしょ?構造的には複座機より確実に動作する様な構造なんで、操縦ミスをしない限りこっちの方が飛行性能はかなり上なんだよ。」


そう、操縦ミスをしない限りだ。

複座機のモーターハンググライダーもどきとはそこら辺の許容度がちょっと違う。

初心者に優しく、多少無茶をしても機体の許容度が大きく墜落しにくい複座機。

きちんと理論立てた正確な操縦をすればその通りに飛んでくれるが、操縦に対する許容度が少ない3座機。

と言っても3座機も所詮はカイトプレーンだ。

エルロンも無いぶらさがり機体なんで固定翼機、それも低翼機の事を思ったら児戯みたいなもんだな。

そこまで言うと彼らのプライドを刺激するので言わないが。


「では離陸するよー。スロットルレバーと操縦桿の前後の動きをよく見ておいて。」


スロットルレバーをゆっくりと7割程度まで開け、ブレーキを離す。

そこそこの加速をしながら30m程度で離陸させる。

操縦桿は滑走中は若干下げ気味にして機首が上がるのを抑え、勢いが乗ったところでじわっと引く。

5度くらいのゆっくりとした角度で上昇する。


100mくらいの高度になった所で昇降舵を少し戻し、スロットルを5割くらに絞ってて水平飛行に移る。

続けて方向舵を左に傾けて左旋回に入る。

少し飛んで今度は右旋回に入る。

それを繰り返して8の字を3回ほど書いた後に更に上昇する。

そのままでは失速しそうになるのでスロットルを8割くらいに上げるとグンと加速して一気に500mくらいの高度に達する。

後は先ほど同じ8の字を3回繰り返し、スロットルを絞って着陸に向かう。

滑走路の風下に回り込んで高度を合わせる為に2回ほど工場上空を旋回し、スロットルを更に絞って2割程度にしてアプローチする。

失速に気をつけながら少し大きめにフレアをかけて後輪を接地させ、スロットルを1割まで絞ると前輪がゆっくり接地した。

その直後にスロットルを全閉ににしてブレーキをじんわりかける。

滑走路中程で一旦停止した後、スロットルを2割程度開けてタキシングしながら足ステアで回り込んでスカイコンドルの3人が待つ格納庫前まで戻る。

スロットルを全閉にしてブレーキをかけて停止し、サイドブレーキを引く。


「おつかれさん。体験飛行は今の感じで全員やるよ。さぁ次は誰かな?」


手順は同じなので省くが、残りの3人とザンドも体験飛行を終わらせた。

ザンドだけはちょっとビビっていたが、デビッドが平気な顔をしていたので極力顔に出さない様にしていたな。


「これで体験飛行は終わろうと思うけど、まだもうちょっと体験してみたい人は居るかな?」


「今の様な飛び方がこの機体の限界なのでしょうか?出来れば最大能力を出した時を体験しておきたいのですが。」


珍しく1番を差し置いて2番が発言する。

しかし他のメンバーも同じ様に頷いていたのでもう一回過激バージョンの体験飛行をする事になった。


「ではさっきと同じ様に順番に前席に乗り込んで。僕の出来る最大飛行をしてみるよ。」


そう言ってまず1番を前席に乗せ、スロットル3割で高速タキシングしてフルブレーキで風下で回り込み、機首が風上を向いた瞬間にブレーキを離してスロットルを全開にした。

20mくらいで浮き上がり、そこからは45度くらいの角度で急上昇する。

1000mくらいまで一気に駆け上がり、スロットルはそのままで強引に水平飛行に移る。

方向舵を左に大きめに切り、45度くらいのバンク角を付けながら急旋回をする。

そのまま8の字飛行に移り、右に左にとブン回す。

さすがに宙返りはこの機体では出来ないのでスピン状態にして目を回させる。

一旦スロットルを全閉にして1番エンジンだけ噴かしてスピン状態から抜け出し、4基とも5割くらいに戻して滑走路に帰還する。

着陸もスロットル4割くらいで突っ込み、一瞬スロットル全閉にして大きくフレアをかけ、その後スロットルを2割くらいにして姿勢を落ち着けて着地する。

もちろん着陸は殆どショックを感じることなくスムーズに着地させたので機体に負荷がかかる事は無い。


ブレーキを掛けて一旦停止し、1番の首が横を向いているので慌てて肩を揺するとハッと気がついた様に飛び起きた。

気絶してたな。


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