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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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246/262

246◇カレーライス

246◇カレーライス

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練兵場での40ミル砲試射会になった午後は終わり、少し機嫌の悪くなった団長と共に王都の魔法団に戻る。

情報局の方は補充物資が届くまでは40ミル砲の評価は一旦お預けとなり、後日俺の方から物資が届いたら連絡すると言って終わりにした。

中将には報告書についてはそれ以上聞かれなかったので、あれで納得してくれたみたいだ。

多分これでバレットM95関係はランバート領の対外的に無かった事になるだろうな。


俺の前を歩く団長が不機嫌そうなのは40ミル砲の有用性を目の当たりにしたからだそうだ。

まさかあそこまでの射程と命中精度があるとは思っていなかったそうで、魔道砲の開発方針もかなり方向性を変えると言っていたな。

うん、こちらもバレットM95の事は全く感ずかれずに済みそうだ。


「さて、少し遅くなったが今から儂に付き合ってもらうぞ。あれだけ情報局に引きずられたんで儂も我慢の限界に近かったんじゃ。それを察してくれると嬉しかったんじゃがな。」


「無茶を言わないでくださいよ。しがない学園生徒の私が情報局の中将さんに逆らえるはずはないじゃないですか。しかもちゃんとした業務内容なんで省略出来るとこなんて何も無かったですよね?」


「ううむ。それを言われると反論出来んのう。じゃが、夏休み前にあれほどの事を書き残して逃げるとは卑怯じゃぞ。お主が帰ってくるまでにどれだけ悶々としたことか。」


「分かりました分かりました、今日はとことんお付き合いします。でも腹も減って来た所ですし、先に夕食にしませんか。」


「うむ。時間がもったいないんで魔法団の食堂で良かろう?そんなに豪勢な物は出せんが、そこそこ食える物はあるぞい。」


まぁそうだろうな。

軍から独立した組織である魔法団も独自の拠点を持っている。

職員もそれなりに居るだろうし、時間にルーズな研究者も多数抱えているだろう。

そんな彼らの腹を満たすために24時間体制の食堂を自前で持っているそうだ。


「こっちじゃ。ここが我らが魔法団の「不眠食堂」じゃな。」


入り口を見てプっと少し噴いてしまった。

まるで24h営業のファミレスみたいな構えだな。

名前もちょっとアレだし。

入り口の横のガラスケースにメニューサンプルが並んでおり、番号が振られている。

作り物の食品サンプルではない様で、4時間毎に置き換えて下げたものは食堂の職員が食べるそうだ。


入り口で記号の付いた席札を貰い、テーブルの記号を見てそこに行って座る。

すぐにメニューを持ったウェイターが来るのでサンプルメニューの番号で料理を指定する。

水とお茶はセルフサービスだ。

たとえ団長でも自分で取りに行くらしい。


しばらくして配膳されて来たメニューを食べる。

俺はカレーに近い見た目の物を選んでみたが、一口食べると固まってしまった。

完全にハヤシライス風スパゲッティだな。

と言うよりも、単純に細切れにした米粒に見えるパスタにシチューが掛かっているだけだ。

カレーライスのあの黄金比とは似ても似つかぬ紛い物だ。

まぁ味そのものは食べられない事も無いのでそれがちょっと悔しいが。

俺のその表情を見て団長が聞いて来る。


「どうした。食べ慣れぬ物で口に合わなかったか?」


「いえ、味自体は十分に美味しいと思います。ただ、私の別世界の記憶ではライスや米といった名称の麦に似た穀物を炊いたものに、香辛料を利かせた辛みの強い掛け汁をたっぷり掛けて食べる物が人気で、専門店もあるくらいでした。こちらでも米があれば再現したいと思っていましたが、時間が無くてまだ手をつけられていませんね。」


「うむ、その説明の食べ物はあるぞ。材料がたまにしか入荷せんので今は出せんが。何なら厨房長に聞いてみるがよい。」


え?ホントにカレーライスがあるの?

香辛料はそこそこ高価なのでカレーの様な辛さ主体の料理は無い物と思っていた。

鋭い辛さなら唐辛子に似た作物があるのでそんなに難しくなく入手出来るが、カレーの様なコクのある辛さを出すにはクミン、コリアンダー、ターメリックの3種類に似た香辛料が大量に要る。

あ、まぁ魔法団だから予算はたっぷり持っているか。

今度聞いてみよう。


「ありがとうございます。まぁそこまで今すぐにでも食べたい訳ではないので、機会があれば聞いてみようと思います。」


前世の3食カレーを食う人種でもないからそのうちでもにしておこう。

奴らはカレーは飲み物なんで言って人にも強制してたしな。

うっかり話が合ってしまうとべらぼうに時間が取られそうだった。


「そうか?まぁそれなら今度それが出た時に呼んでやろう。それで良いな?」


「そうしていただけるとありがたいです。お好きなんですか?」


「うむ。キャリーという名の食べ物じゃな。割と好きじゃぞ。メニューにあれば注文するのう。」


またまた似たような名前だな。

ホントに前世からの転生者って居るだろ?


「ところで私みたいな違う世界の知識を持っている人は過去に居たんですか?」


ちょっと小声で団長に尋ねる。


「会った事は無いが、数百年前に何人か居た様じゃのう。正確な記録が残っておらんので確証は無いが、そのキャリーもそ奴等が持ち込んだと言われておったと思うぞ。他にもカードゲームや盤上ゲームなども作って広めておった様じゃのう。」


うーむ、転生者のテンプレ一通りは既にやらかされ済みの様だ。

いや、別に悔しい訳では無いぞ。

逆だ逆。

わざわざそんな低次元の物を自分で広めなくても良いので感謝したいくらいだ。

それでなくても魔道コンプレッサーで蒸気機関もどきを作らないとならないかと思っているくらいなんで。

真空管も誰かが作ってくれていたらこれほど楽な事もなかったんだがな。


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