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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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242/254

242◇情報局と魔法団3

242◇情報局と魔法団3

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「それ、貰った!何でそんな事を今まで思いつかなかったんじゃろう。確かに砲身内部の圧力は発射直後からずっと低下するのう。それを一定に保つだけでとんでもない初速が砲弾に負荷をかける事なく出せるという事じゃな。いつも思うが、マーティンの発想は時々吹っ飛んだ物が出て来るので面白いのう。」


「いえいえ。ただ、補助側の圧力解放のタイミングはものすごいシビアですよ。人力では到底無理で、魔法陣や魔道具で自動でやらせる様にしないと逆に初速が落ちる場合も考えられますし。」


団長に釘を刺しておく。

確か前世のドイツでも枝薬室の発火タイミングがシビア過ぎてまともに撃てなかったらしいしな。

火薬と違って魔道コンプレッサーの開放弁なら一種の電磁弁的動きをするので制御し易い。

ただそれを外部からどう精密に制御出来るかどうかが問題になると思うが。


「ううーむ、確かに制御が難しいのう。位置検出の魔法陣はあるが、反応速度がそれほど速くないんで砲弾の通過を検出してもそれを他に伝える前に弾は飛び去ってしまうしのう。マーティンよ、何か良いアイデアはないか?色々魔法団が融通するぞ。」


お、魔法団のリソースを色々使えるとぐっと楽しみが増えるな。

これは本腰入れて考えてみるか。


「うーん、今すぐには思いつきませんね。考えてみるのでしばらく待ってもらえませんでしょうか。」


「おお、それは待つぞ。そげに喫緊という訳でもないしのう。」


「では、魔道砲の詳しい資料を貸していただけませんでしょうか。それが無いと具体的なアイデアも出ませんので。それと出来れば現物も見せていただけませんでしょうか。」


「うむー、これは魔法団の極秘兵器なんでそう簡単に渡す訳にはいかんのじゃが。あいや、試作の小型模型ならあったのう。それと少し簡略化した資料なら渡しても良いぞ。」


「その試作模型は動作するのでしょうか?実際に動いている所を見ないと何とも言えませんので。」


「ちゃんと動くぞ。但し魔道コンプレッサーも試作で圧力が低いんで射程距離は30サブキロム程度じゃな。砲弾径も60ミルキロムくらいじゃし。」


「とりあえずそれで原理は分かるのですよね?それならそれをお貸しください。」


「うむ。後で学園のお主の開発室に届けよう。くれぐれも部外秘にの。」


「承知しました。保管庫を作って使わない時はその中に入れて施錠しておきましょう。」


うん。これで魔法団のオモチャをゲットだぜ!



「話しがついた様で何より。では私の方の続きをしてもよろしいですかな?」


「おぉ、悪かったの。そちらに戻すぞい。」


「ではマーティン、海賊と対峙した時の事を詳しく話してくれないかな。なぜそうも簡単に撃退出来たのかを知りたいのだ。」


「あー、これは私の性分もあって凝り性なんですよ。私の中のイメージでは海賊に対抗するには大砲ってのがありまして、帰省直後にシラハマの港町の事を聞いた時にすぐに構想が浮かんだのですね。それで領内の懇意にしている鍛冶屋に図面を描いて打診したところ何とか形にしてくれまして。それがここにあるこの試作砲なんですよ。」


俺は自席の横にあった40mm砲の横に立って照準器の照門を起こす。

砲身の上下を調整するネジを回して水平に近くし、尾輪の輪っかを持って向きを変えて窓の外に向ける。


「構造は魔道銃をそのまま大きくして、人力では担げなくなるので車輪を付けて転がせる様にした物ですね。これで最低2人居れば扱えます。先込め式なので砲口から発火魔石粉を袋にまとめた物を入れて奥まで棒で押し込み、その上に分厚いフェルトの塊を押し込んで最後に40ミルキロムの直径の砲弾を押し込みます。砲身の後ろの尾栓には太いミスリル銅線が貫通していまして、これに発火魔法陣を押し当てると発射されます。現物はこの様に魔道銃とほぼ同じ撃発機構を付けて安全性を確保していますが。」


俺は40mm砲の照準器を見ながら窓辺に置いてある花瓶に狙いを定める。

次にハンマーを起こし、発火魔法陣の形状サンプルを挟んで火蓋を切り、トリガーに繋がった紐を引いて発射のイメージを全員に見せる。

カチリとハンマーが落ちた音がすると数人の参加者がびくりとした。

これは魔道銃の経験者だな。


「この照準器は実際に試射して100サブキロムと200サブキロムの位置での目印を付けてあります。砲弾は少し山なりに飛ぶので距離に応じた補正が必要なんですね。」


「弾の速度はどうやって一定にしとるんじゃ?」


「発火魔石粉の発火効率を測定し、それに見合った分量を精密に計量して予め袋詰めにして対応しています。扱うのも袋詰めにしてあれば毎回分量を量らなくてもいいので簡単ですしね。」


「なるほどのう。それも事前にお見通しという事か。」


「魔道銃でも同じですよ。あれもバラの粉を詰める事も出来ますが、袋詰めにした物も試作して使っていますね。でも袋詰めする分費用が高くなるので、基本的に魔道銃の方は定量フラスコから粉を直接入れる様にはしていますが。」


護衛隊に魔道銃の訓練はさせているが、基本的に定量フラスコ使用だ。

ただ、緊急用にという事で袋詰めした発射薬も各人5発ずつくらいは配布しているが。


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