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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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240◇情報局と魔法団

240◇情報局と魔法団

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「で、情報局の用件は終わったんじゃな。ではこちらの番じゃな。」


「待ってください。海賊と盗賊の報告書についての説明が必要です。あなたの所の用事は緊急ではないんでしょ?」


「うむむ、遠慮の無い奴じゃな。まぁ儂の方は儂の興味がある事の話し合いなんでそう急ぐもんでもないのは確かじゃな。では儂もその報告書の説明に同席させて貰おうかの。」


「はぁ、分かりました。同席をお願いします。魔法団の観点から何か気がついた事があったら言ってくださいね。」


げぇ、情報局と魔法団の両重鎮から探られるのかよ。

どこまで40ミル砲で欺し通せるか全く自信が無いぜ。


機体の後片付けはモーリスとエドモンド、その他の工場作業員に任せ、俺と護衛2人、中将と団長は情報局の局舎に行く。

それぞれが馬車で来ていたので3台を連ねて走る。

先頭は情報局局長用の質実剛健な装甲でもされているかの様な見た目の馬車。

次に魔法団団長用の王族用の馬車を簡素にした様な流麗な見た目の馬車。

いずれも6人乗りで4頭立てだ。

足回りも2台共王族用に近い仕様になっている。

最後の俺の馬車は4人乗りで2頭立て、しかもルーフとリアに荷物入れのキャリアが付いている。

一応ドアにはランバート領の紋章が描かれているので貴族用とは分かるが、全体の構造は庶民向けだな。

足回りだけは変えてあるが。

そして、とりあえず40ミル砲の現物があった方が分かりやすいとの事で、俺の馬車が牽引して行く事になった。

振動には弱いので少し遅れて行くと言って了承される。


15分ほど走り、情報局の局舎横の馬車止めに着ける。

馬丁が3人素早く駆け寄ってそれぞれの馬車を定位置に停める。

皆で降りて局舎に入る。

中将の部下4人とスカイコンドルの2人が40ミル砲を俺馬車から外し、連結部を引いて俺達の後を着いて局舎に持ち込む。

行き先は以前とは別の1階にある広めの応接室だ。

かなり広いので全員入ってもまだ余裕がある。

40ミル砲も部屋に引き込まれて俺の近くに置かれた。

全部で中将と部下4人とスカイコンドルの1号2号、団長と部下2人、俺と護衛2人の合計12人だ。

全員が広いテーブルを囲む席に着くと、軍服をメイド服にアレンジした様な衣装を着た人が2人入って来て紅茶を配った。

何か前世の異世界戦記物で見た様な服だな。

たしか、女性の服を何でも軍服風にアレンジしたいわゆる「軍オタ萌装備」という奴だったか。

友人が好きで、そいつの部屋に行くとその手のポスターだらけだったな。

余計な事を考えていると、中将が2冊の報告書を出して話し始める。


「さて、ここに2通の報告書がある。ランバート領から送られて来た物と、学園経由で回って来た物だ。内容が少し違うのだが、マーティンこれは説明出来るか?」


俺は現実に引き戻され、微妙に汗が出る。

親父殿は俺には両方とも同じ内容だと言われていたので内容を見ないと何とも言えない。

とりあえず下手な事は言わずに内容確認が先だな。


「どう違うのでしょうか?私は父親から同じ物だと聞かされていましたが。」


「ランバート領直接の報告書は、ランバート領の領兵が最初の海賊船2隻に対して40ミル砲を発射して舷側に穴を空けて沈没させ、次の海賊船3隻に対しては魔道銃でまず牽制してから40ミル砲で沈没させたとある。それに対して学園経由の報告書はこれらの内容に加え、防衛に全て君が関わって指揮をしたとあるが、これは本当か?」


あの親父!

なに書いてくれちゃってるんですか!

まぁ一応学園側の方が事実としているのでそっちで説明する。


「直接の報告書の方は私の父親の見栄が入っていたものだと思います。私が関わっていた事は事実ですが、表立ってそれを公表するとあの領は学園生徒の次男に無茶な事をやらせて、領主は後ろで何もしていないのかと思われるのを懸念したのかと。」


「なるほど、領主の見栄か。では、学園の方は何故マーティンの事を書いてあるのか?」


「それは私にも分かりません。おそらく父親が私が学園で要らぬ言い訳をせずに過ごせる様に配慮したものかと。私が開発に関わっている事を伝えれば学園に登校するのが遅れても正当な理由になって、出席義務を免除されるのを期待したものと思います。」


「それだけか?何か隠している事は無いのか?」


ヤバい。

何か気がついたか?

いや、まだ大丈夫だ。

ここに実稼働する40ミル砲の現物があるのだ。

後で軍の練兵場で実演すれば一目瞭然だし。


「いえ、何も。それよりこの40ミル砲を自慢してもいいですか?これ、結構苦労したんですよ。おかげで何とか間に合って海賊を退治出来たんですからもっと労ってくれてもいいんじゃないですか?」


子供らしくちょっとすねてみる。

やってて背中が痒くなるが、我慢我慢だ。


「そう言えばその40ミル砲が今回の主役だったな。これはいつ作ったのだ?」


「自領に戻って少しして海賊の噂を聞いたのですよ。ウチの領の南の海辺にシラハマという港町があります。そこに大型の外国船が何ヶ月かに1回来るのですが、それを狙って近くの拠点から海賊が襲って来るという話を聞きました。大概は船の大きさが違うので追い払えるらしいんですが、ごくたまに乗り込まれて船ごと奪われるという事も過去に何回かあったみたいなんですね。それで海賊船を直接攻撃出来る大きな魔道銃を作ろうと思ったんですよ。いやーまさか念のためにと配備した直後に本当に海賊が襲って来るとは思わなくて焦りましたよ。ちょうどその時バカンスでシラハマに居ましたので流れで指揮をしちゃいました。」


「それがあの大きな魔道銃か。確かに大きいが、威力はどんなもんなのだ?」


「基本的に魔道銃と取扱い方は同じで、弾の飛距離も同じです。但し、撃ち出す弾の直径が2.5倍ありますので、重量は15倍にもなります。それが海賊船の木製の舷側を撃ち抜いて浸水させ、沈没に至らせるのですね。」


「ほう、それは凄いな。ならば城壁くらいなら撃ち抜けるのか?」


「いえ、いくら弾の重量があると言っても投石器で投げ出す岩の重量に比べると小さな物ですので、石造りの城壁は無理ですね。ただ、城壁にかかる木製の大門なら撃ち抜けると思います。」


「それなら海賊船以外にも使い道があるな。エリミネーシャ団長、たしかあなたの所にもこれに似た物があったと思いますが、それと比べてこれはどうですか?」


中将が煽る様に団長に聞く。

団長の長い耳がピクピクしているな。

同じ砲という名の付く兵器なのでどう答えようか考えているのかな?


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