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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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238/248

238◇訓練飛行2

238◇訓練飛行2

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「さて、疑問はあるだろうけどもうこれで製作は走っているんで素直に従ってね。実際に僕自身がこれで飛んで不具合を感じていないんだ。だからデビッドも少し慣れれば問題無く飛べる様になるよ。」


「はい、分かりました。では飛ぶ時に意識して操縦桿の向きを見ておきます。」


一応納得してくれたみたいでそのまま発進する。

スロットルを7割くらい開け、滑走し始めると先ほどより重量が軽いのですぐに浮き上がる。

そのまま工場の縁をゆっくりなぞる様に旋回して高度を上げる。

500mくらいで一旦水平飛行に戻し、デビッドに声を掛けながら機体の動きと操縦桿やスロットルレバーの動きを同時に見る様に言う。

そこでスロットルを5割くらいに落としてゆっくりと8の字を描き始める。

同時に2回に1回くらい上昇と下降を入れる。

頻繁に操縦桿を左右に回すのでだいたいの感覚は分かるだろう。

上昇と下降も操縦桿の前後に倒れる向きを見れば一目瞭然だ。


これを20回ほど繰り返した後にデビッドに操縦桿とスロットルレバーに軽く手を触れて力を入れない様に言う。

今度は体におぼえさせるのだ。

これも20回ほど繰り返しておく。

その後、デビッドに操縦桿を預けて操作させてみる。

俺が右左上昇下降と言う度にそのとおりに操作する。

速度が遅く、そこそこ敏感に動くのでかなり緊張している様だな。

ピクピクと修正舵が頻繁に入る。


「これ、結構怖いですね。かなり敏感に反応するんで一時たりとも気を抜けないです。長時間これは辛いのではないでしょうか?」


「いやー、これも慣れだね。逆にこれくらいの反応をしてくれないと横風や前後の突風に対応出来ないよ。」


いわゆるカウンターステアみたいなもんだな。

尾翼が風見鶏の尻尾の様に風を受けるので、横風で流されそうになったら無意識にそれを抑える操作をしている。

一瞬大きく振ってそれから戻して細かく調整をすると上手い具合に行くんだが、最初の一振りを大きくしないと逆にその後の修正が多くなってしまう。

前世のドリフトカーで最初にフェイントとして大きく操舵を一瞬当てるのと同じだな。

モトクロスなどでもバンクに入る前にそういう操舵をするし。


「ちょっと操縦桿に触ったまま力を抜いて。急な横風に煽られた場合の修正方法をやってみるから。」


俺は急降下しながら方向舵を半分くらい傾ける。

サイドスリップに入りそうになったのですかさず当て舵を大きく一発入れてその後は細かく修正する。


「どうかな。最初に大きく操作する事で後の修正が楽になるでしょ?これを無意識に出来る様になると安全に飛べるね。」


デビッドは俺が急降下し始めた時に驚いて操縦桿を持っている手に力を込めていた。

予めそれを予想していた俺はアシスト系魔法で筋力と反応速度をそれぞれ2倍近くに上げており、デビッドの握っている力をむりやり圧倒して操作していたので難なく操縦出来た。

前後を連動させるリンケージがすこしよじれる感触があったが、モーリスがかなり頑丈に作っていたので破綻する事は無かったな。

さすがはモーリスだと思うが、もうちょっとだけ剛性を上げる様に言っておこう。


「す、すみません。ついうっかり力が入ってしまいました。しかし凄い力で操作されるんですね。」


「予めアシスト系で補強しておいたからね。でもあまり強引にこじると機構に負担がかかるからもうしないけどね。」


俺は再びデビッドに操縦桿の操作を渡し、今やった事を自分でやってみる様に言う。

最初は恐る恐るやっていたが、10回も繰り返すとかなり突っ込んだ操作をする様になった。

うん、とりあえず基本操作はこんなもんでいいかな。


「では着陸をやってみるよ。まず僕がするから操縦桿には軽く触れるだけにしておいて。」


そう言ってスロットルを2割くらいまで絞ってほぼ滑空状態で降下する。

滑走路の風下から進入し、緩い角度で徐々に高度を下げてスロットルを1割まで絞る。

若干フレアをかけながら更に速度を落としてゆっくり後輪から着地した。

そのまま20mほど滑走し、ゆっくり機首を降ろす。

前輪が僅かなショックと共に接地した時点でスロットルを全閉にし、ブレーキを軽く踏む。

元々速度は十分に殺していたのですぐに停止した。


「どう?複座機とはかなり違うでしょ?でも落ち着いて順番に操作するだけだからやってみようか。今度は離陸するから見ていて。」


滑走路にはまだ余裕があるのでそのまま離陸する。

スロットルを7割開けて30mほど滑走する。

その間昇降舵は僅かに押して下降方向に当てている。

30mほど滑走して十分速度が乗ったところで昇降舵を徐々に引く。

前輪が持ち上がり、直後に後輪も地面を離れた。

滑走時は滑走路の路面の細かな凹凸を結構拾ってガタガタしているが、離陸するとそれがスッと無くなる。

そのままの角度で上昇し、更に速度が乗ったところで昇降舵をもう少し引いて方向舵もゆっくり当てながら旋回を開始する。

工場を一周したところでデビッドに着陸を指示する。


「ゆっくり落ち着いてやれば落ちないから。僕も操縦桿に軽く手を添えておくから、どうしようもなくなったら手を離して声を上げて。後は僕が引き継いで着陸させるから。」


「わかりました。先ほどの感覚を覚えていますのでやってみます。」


旋回の途中で声をかけながら制御をデビッドに渡す。

高度は20m程度なのでそのまま工場の周囲を回って滑走路の風下に行く。

スロットルを2割まで下げ、滑走路の進入コースに着ける。

更にスロットルを1割まで下げ、ゆっくり降下していくがまだちょっと高度が高い。

僅かにフレアを効かせて何とか滑走路の半分以上過ぎた辺りで着地した。

そのままスロットルを全閉にし、両足でブレーキを思いっきり踏んでいた。

前輪が軽くロックし、つんのめる様な動きになって機体は止まった。


「ブレーキはゆっくりとね。ベルトがあるから落ちはしないけど、機体に無駄な力が加わるしね。」


「申しわけありません。スロットルに気を取られていまして。」


「では滑走路の風下に戻ろうか。やり方は複座機と同じだから出来るよね?」


「はい、スロットルを1割開けてペダルで操舵します。」


ゆっくりUターンし、滑走路の風下に向かう。

途中で俺が後ろからスロットルを3割くらいまで上げてスピードアップする。

すっと1割のままタキシングすると時間がかかるからだな。

昇降舵を下げておけば機首が上がる事も無い。


「さて、今度は離陸をやってみようか。離陸は複座機と同じ様な感じだから簡単でしょ。」


「そうですね。着陸ほど神経は使わなくても出来そうです。」


その言葉どおり、スロットルを7割まで開け、滑走距離を十分取って滑らかに離陸した。

うん。これでとりあえず一通りの事は出来る様になったな。


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