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魔法使いは自衛隊で無双したい  作者: 賽の目四郎


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232/237

232◇スカンクミーティング++

232◇スカンクミーティング++

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「さて、40ミル砲はそんなところでいいかな?それじゃ3座機の進捗を教えてよ。」


「軍部から発注を受けていた5機は全部完成完成したんだ。それで情報局の中将さんに報告はしたんだが、試験飛行がまだだから引き渡せねぇと言って待ってもらっているんだよ。」


「それって僕待ちって事だよね。」


「そうだ。誰も怖がって乗ろうとしなかった。スカイコンドルの連中も試しに座席に座ってみるものの、操作体系が全く違うんで全員ビビッて辞退したぜ。」


「もう機体は出来上がっていつでも飛べるんだよね?」


「勿論だぜ。3座の1号機から5号機まで全機工場裏の広場に近い倉庫に入れてあるぜ。」


「では今から試験飛行しようか。とりあえず装備は持って来たんだ。」


俺はデビッドに持ってもらっていたバッグを受け取り、その場で着替え始める。

まぁ上に羽織るだけなんですぐに着終わるんだけど、久しぶりに着るとちょっと違和感があるな。

何か微妙に小さいような。

これ、俺が成長期って事かな?

まぁ着れない事はないのでそのまま着込んでモーリスとエドモンドと護衛の2人を促す。

俺と4人はぞろぞろと裏手の倉庫まで移動し、滑走路に面した大きな扉を開ける。

そこには6機の3座機が鎮座していた。

試作1機と量産5機だな。


まず肩慣らしに既に試験飛行を終えている量産1号機に乗り込む。スロットルレバーのロックキーを外し、ブレーキを軽く踏みながらスロットルの2番と3番を1ノッチ上げる。

ゆっくりと機体は動き出し、倉庫の扉を通って外に出る。

2ヵ月ぶりなのでちょっと緊張するが、低翼の固定翼機に比べると安定性の権化みたいなカイトプレーンだ。

タキシングして滑走路の風下に行き、Uターンして機種を風上に向ける。

一旦スロットルレバーをオフの位置にして、目の前のスクリーンに付いていた埃をグローブの小指で拭う。

やはり2ヵ月も放置されていたので全体的に薄っすら埃をかぶっているな。


ブレーキを強めに踏み、モーリス達に合図をしてスロットルを6割くらい開ける。

ブレーキを離すとするすると加速し、20mくらい滑走した所で浮き上がった。

やっぱり1人乗りの場合は機体が軽いのでそれ程開けずともすぐに浮くな。

まぁ実使用時は大人が2人か3人乗るので、4基の魔道ジェットエンジンは全開が基本だ。


スロットルはそのままでも機体重量が軽いのでぐんぐん上昇していく。

20度くらいの角度で工場の敷地の縁をなぞる様に円を描いて上昇し、高度を1000mくらいに取る。

そこから感覚を取り戻すために全開から急上昇、急降下、スロットルワークでスピンに入ったり色々する。

スピンに入っても魔道ジェットエンジンを4発とも全開にすればすぐにリカバリする。

まぁ推力比が2倍以上あるもんな。

ぶっちゃけ主翼が無くても飛べるのだ。

どんな錐もみ状態に陥っても、スロットル一発で即座に収まる。


15分ほど飛んで着陸する。

すぐに2号機に乗り換えて同じように操作してみる。

最高速にしてエンジンチルトを操作し、手放しで水平飛行する様に調整する。

次々に3号機、4号機、5号機と乗り換えて調整と飛行状態を確認し、基本的な飛行状態は合格とした。

各機体でわずかに個体差はあるが、すぐに慣れて分からなくなる程度だ。

方向舵にトリムタブが欲しいが、これは4発のエンジン推力のバランスで何とでもなるので今は言わないでおこう。

将来的にはワイヤーで引いて調整出来る小型の方向舵を付ける様にすれば長距離飛行時に楽になるな。


次にフルペイロード試験だ。

体重80kgの人間が3人乗った状態での操縦性、運動性能を見る。

俺の体重が約40kgなので中間席と後席にそれぞれ100kgの重しを乗せる。

土嚢に使う麻袋に砂利を入れた物で、軍部工場でも評価試験に使われている物らしい。

これを大人4人掛かりで席に置き、シートベルトを締めた後にロープでぐるぐる巻きにする。

万一飛行中に落ちたら大惨事だもんな。


今度は改めて1号機からテストする。

1号機もこのテストはしていなかったからな。

スロットルを少し開くと滑走路をタキシング中から機体が重いのが分かる。

車輪が少しよれているな。

後で複輪にする様に言おう。

とりあえずこのまま離着陸できるかどうかを試す。


滑走路端から4発とも全開にして滑走開始するが、明らかに車輪がよれてふらついているのが分かる。

特に前輪は片持ち式の単輪なので、荷重が偏って操舵し辛い。

この機体は操縦桿の左右回転で方向舵を操作する様にしており、前輪は両足のペダル操作になっていてお互いに独立している。

本来の飛行機なら両足のペダルが前輪と方向舵と兼用で、操縦桿の左右回転はエルロンなんだがこの機体はカイトプレーンなんでそういう上等な物は付いていないのだ。

両足を踏ん張って何とか前輪の当て舵をしながら離陸した。

やはり重たい。

4発全開にしているが、30mくらいは滑走したな。

これは前輪の地面との抵抗分もあるかもしれない。

上昇もあまり急角度には出来ず、30度くらいの仰角が限界だった。


10分ほど飛んで色々機体を揺さぶってみる。

全てに渡って反応が鈍いが、まぁ機体重量が200kgも増えたのだからこの軽量機では多大な影響がある。

飛行訓練する場合もこの重量差を考慮して様々な条件で実施しないと事故はゼロに出来ないだろうな。


1号機を着陸させ、モーリスに車輪の事を言う。


「この機体の車輪なんだけど、ちょっと重量に負けてよじれているみたいなんだよね。これ、今は1輪だけど3か所とも2輪に出来ない?」


「やっぱり最大荷重にしたら車輪が負けるか。車輪のステーは全備重量から計算してかなり頑丈に作っているんでまだまだ余裕があるが、肝心の車輪がダメなんだな。」


「車輪そのものは今の物でいいんで、ちょっと複輪化してみてもらえないかな?」


「ちょっと待ってろ。1号機は1時間もあれば出来るからその間に昼飯でも買って来てくれないかな。」


「了解だよ。ちょっと出かけて来るね。」


俺と護衛2人は俺馬車に乗って工場の裏門から軍部の側を通らない様にして出かけた。

団長や中将に見つかると面倒だもんな。


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